アマプラで観たホラー映画です。
2007年制作、アメリカのモキュメンタリーホラーです。
【あらすじ】
ケイティと同棲中のミカは、ある日高性能カメラを買う。
家の中で起こる不可思議な現象の記録を残し、どう対処するか決めるためだ。
だが撮影を始めてから、超常現象が活性化する。
そして、21日目の夜に……
【ひとこと感想】
圧倒的リアリティ、ナニモノカに壊されるカップルの21日間の記録系ホラー。
※全力ネタバレです。
【3つのポイント】
①圧倒的リアリティ
②ストーカー感あふれる『悪魔(仮)』
③『完了』を感じたラスト十数分
【①圧倒的リアリティ】
ファウンド・フッテージ #とは
モキュメンタリーの一種。
撮影者が行方不明などになったため、埋もれていた映像という設定のフィクション作品。
(Wikiより引用)
この(素敵)ジャンルの代表といえば、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』と本作です。
このジャンルを作るにあたってめちゃくちゃ重要なのは
リアリティ
この一点において、本作はめちゃくちゃヤバい。
“この映像を提供してくれたミカとケイティの家族――
およびサンディエゴの警察に感謝する”
という芸が細かい謝辞が冒頭にあり、さらにロケ地が『監督の家』です。
そらぁセットには出せない生活感が出ますわ。
ゆえに、普通のエンタメホラーと違って最初からクライマックスではなく、
冒頭は「視線を感じる」「無視できない程度の物音が聞こえる」「ものが勝手に落ちる」レベル。
人によっては退屈かと感じるやもしれませんが(そういう時は『人様んちを覗いてる』的な捉え方をすると妙なワクワク感 背徳感があります)、
それゆえに『超常現象が起こることで疲弊して壊れていく人たち』がリアル……というか少々身近に感じられ、後を引く不気味さ。
ぜひ真っ暗な部屋で一人で観てください。
【②ストーカー感あふれる『悪魔』】
主人公の一人・女子大生のケイティは、幼い頃から心霊体験にたびたび遭ってきました。
つまり彼らを苛むナニモノカは、家ではなく、ケイティについてきた。
じゃあミカはとばっちりなのかと言うとそうでもない。
主観ですが、ミカが撮影を始めてからどんどん悪化していった気がします。
ケイティはひたすら不安がりますが、
ミカは少し面白がっている? 感。撮影したり交霊用のウィジャボードを持ち出したり。
そのくせ、心霊研究家のフレドリクス博士、エイヴァリーズ博士のことを煙たがる。
このすれ違いはカップルの溝となり、心の隙間となりました。
悪魔は隙間に好むものなので、これ好機とどんどこちょっかいをかけます。
最初は物音、扉を静かに動かす、風の音くらいの鳴き声程度だったのに、
就寝中のケイティに取り憑いて夜中に何時間もぼーっと立たせる、
すごく重いものを落とす音っぽいものを立てる(シャッと思いっきりカーテンを引くような音もあり)、
うめき声で質問に答える、
「ファーーーーア!!! ドンッ!!!」と安眠妨害音を立てたり、
ウィジャボードのコマを動かして発火したりなどやりたい放題。
( ・⌓・)<悪魔おまえ最初の慎ましさどこ行った???
ってなもんです。
そこから世界一有名な、床にまいた粉末を踏んで足跡を残すシーン。
ここは怖いです。『寝室に入ってきた足跡しかない』。
見えぬともここにいる。ここにいるのに見えぬ。
最高に怖いですね。
でもその後、屋根裏部屋にケイティの昔の写真を置いたり、カップルの写真をミカの顔だけ引っ掻いたりしていて、
( ・ω・)<ストーカーかな?
と、正直思いました。立ちすくむケイティの首筋に息を吹きかけているのもまたキモい。
(身も蓋もない感想)
【③『完了』を感じたラスト十数分】
頼みの綱だった悪魔専門のエイヴァリーズ博士は捕まらず、
最初に相談したフレドリクス博士にも見捨てられました。
その絶望に心を蝕まれたケイティは、夜中に引きずり回され、抵抗の気力さえ失いました。
ミカが家を出ようといっても、
ケイティ:「行きたくない。一緒にいて」
「もう大丈夫よ」
穏やかな表情で目をつむる彼女を見た瞬間、「ああもうダメなんだな」と思いました。
『完了』してしまったんだな、と。
そうして21日目の夜、いつかのように起き出したケイティは、ミカをじーーーーっと1時間身動ぎもせず見下ろします。
(掛け布団が動くの怖い)
そして……
その後は本当に圧巻。足音というのは本当に怖い。
(ただちょっと、「この悪魔、撮れ高狙ってないか?」とも思いました)
(勝ち誇ったような顔やなオイ)
【まとめ:モキュメンタリーの流行?】
単なるホラー好きのトリの体感ですが、ここ2、3年、モキュメンタリー界隈が元気な気がします。
ですがまあ 某作品の打ち合わせ で編集さんに話してもいまいち賛同されませんでしたが。
パッと思いつくだけで、『呪詛』、『女神の継承』、『トンソン荘事件の記録(これいつ観れるんだ私)』、
書籍でも『変な家』、『近畿地方のある場所について』のヒットもありますし🍣
ちなみに『変な家』は自分もだーーーーーーーーい好きでして、特にコミカライズ版は紙で買ってます。
ぶっちゃけますと主人公のオカルトライターさんのヴィジュアルが大変好きです。シュレンティンガーの可愛子ちゃん。顔面が性癖。2巻の特典可愛すぎて飾ってる。
映画も楽しみですし、今の原稿が終わったら『変な家2』の電子書籍を買って読みます楽しみーーーーい。
おっとしまった、限界オタクのサガが出てしまいました😉
個人的にモキュメンタリーは、『ホラー界のいいとこ取りジャンル』だと思ってるので、
これからもたくさん生まれてくるといいなと思ってます!
次回は12月25日月曜日、
2016年制作、アメリカ・オーストラリア合作のホラーコメディ、
『ベター・ウォッチ・アウト クリスマスの侵略者』の話をします。
( ・ω・)<来週はメリクリ!🎄
鳥谷綾斗