人生はB級ホラーだ。

良い作家さんになりたい鳥谷綾斗のホラー映画中心で元気な感想ブログ。(引っ越しました)

映画/ヴァチカンのエクソシスト

映画館で観たホラー映画です。
2023年制作、アメリカのオカルトエンタメホラーです。

 

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【あらすじ】
カトリック教会の総本山、ヴァチカンのチーフ・エクソシストを務めるガブリエーレ神父。
1987年、ローマ教皇の依頼で、悪魔に取り憑かれた少年の救うため、スペインの修道院に向かう。
そこにいたのは若き神父トマースと、あまりにも巨大で邪悪な存在だった。

 

【ひとこと感想】
2020年代の悪魔祓い映画はド派手でキャッチー、バディ神父を応援したくなるエンタメホラー。

 

※全力ネタバレです。

 

 

【3つのポイント】
① 元ネタはなんと『実話』
②キャラが濃すぎるエクソシスト
③悪魔が使う常套手段

 

【①元ネタはなんと『実話』】
最初に白状します。
この映画を観たかった理由、それは。

( ・ω・)<お金がすごいかかったホラーが観たい……

でした。
多方面に失礼すぎんだろでしょうが、事実です。
サメ映画祭の置き土産です。(後遺症とは言いたくない)

決心した自分は映画館へ。
TOHOシネマズなんばで、🔈轟音上映 🔈 を鑑賞しました。

 

ヴァチカンのエクソシスト



 

最初は音が大きいのかと身構えましたが、音が腹に届く系(?)でした。低音とかズンズン来た。
ライブやミュージカルのライビュ観たいな、と思っていたら。

CGとセットのクオリティが違う……!!🫢
(やめいて)

あと、スゲー『みんなが大好きな映画』って感じだ! と夢中になりました。

 

【②キャラが濃すぎるエクソシスト
特筆すべきは、主人公のガブリエーレ神父。
生涯で数万回の悪魔祓いをおこなったという、実在したエクソシストです。

のっけから悪魔に憑依された青年を救い、幼い少女の心を掬うイケメンっぷり。

 

ガブリエーレ:「何でもできるならこの豚に取り憑いてみろ!」
(※意訳)

 

煽りが巧い。まんまと乗せられた悪魔は黒豚さんに憑依、するとすかさず射殺。
(正直、「豚さんんーーっ!!」と叫びました)

他にも、ギャーギャーうるさいお偉方を「文句があるならローマ教皇に言え」とスパッと一刀両断したり、
鳩のモノマネでケムを巻いたりとお茶目な面も。

そして移動手段はスクーター!

礼服を着たままスクーター。日本では僧侶の方々がよくやってますが、風になびく裾がカッケーですよね😘

何これみんな好きなやつじゃん。
人類皆、バイクに乗ったヒーローが好き。
特にジャパンは仮面ライダーでそのクールさを“知っている“。

そんなキャラつよつよな神父が、新人でラテン語もうまくない新人神父を手を組み、
邪悪な存在を倒すべく、地下に隠された秘密を暴いたり、自分のトラウマを乗り越えたりしてました。

( >ω<)💕<エンタメのるつぼやないかい!

(ちなみに怖い場面はしっかりありました)

(が、中盤から物理的な現象ばかり起こるので恐怖はあまり長続きしません)

(どっちかっつーと壁に叩きつけられる場面で「痛っ!」になる)

(どんな力を加えたら&衝撃の逃した方をすれば、洗面台に頭突きして割れたのに人間は無事なんてことになるのか)

 

【③悪魔が使う常套手段】
悪魔祓いホラーといえば、『エクソシスト(1973年)』と『アナベル』を思い出します。

悪魔は取り憑くと、卑猥な言葉を吐き、本人の尊厳と周囲の心をグチャグチャに汚す。
悪魔の所業は変わっていませんでした。

この悪魔――アスモディウスも、真の狙いはガブリエーレであり、ヴァチカンを内部から崩壊させることだった。
そのために悪魔は、何の関係もない少年に憑依し、家族を傷つけた。
少年たちを人質にし、その体を明け渡せるために。

将を射んとすればまず馬を〜どころじゃない。
すさまじく卑怯です。だから悪魔なのです。

でもこの作戦は、悪魔が『人間の善性』を信じていなきゃできないよなって思います。
人間は、人間を見捨てることができない。
仮に見捨てたとしても、罪悪感を抱きつづける。

この罪悪感=弱点を積極的に突っつく。悪魔ってセコいもんです。
けれどそれに負けないのがエクソシスト。そして人間。

お互いのあやまちを話し合い(教会による信仰をエサにした性的加害について言及したの、映画では珍しい?)、赦し合った神父コンビによって、
悪魔は地獄へ送り返されます。

 

【まとめ:2020年代にも悪魔がいるなら】

 

“悪魔の存在を否定するとき 悪魔は喜ぶ”

 

すごく興味深い言葉です。
じゃあ逆に悪魔が悲しむのは何か? 忘れることか?

けれどそれはどだい無理な話で、じゃあどうするか?

答えは――

祈りと物理攻撃とコブシと筋力を使います。

少なくとも、修道院の地下の老朽化したレンガ壁を足でぶち破る気概くらいは持っておきたい。
そしてもうひとつ。
ひとりでは限界があっても、2人なら。3人なら。

人間は『合い』ができる生き物だ。
誰かの罪を誰かの神様と赦し合い、手を取り合って戦えるものなんだ。

だから悪魔に負けるな!
――と励ましてくれる、非常に力強いエンタメヒーローホラーものでした!

(ED後、実物のガブリエーレ神父の顔写真が出ましたが、お茶目すぎて笑いました。エジソンか😛)

 

 

次回は9月25日 10月2日月曜日、
2013年制作、アメリカのオカルトスリラー映画、
死霊館』の話をします。

( ;ω;)<原稿中につきもう1週お休みいただきま!

 

 

鳥谷綾斗