人生はB級ホラーだ。

良い作家さんになりたい鳥谷綾斗のホラー映画中心で元気な感想ブログ。(引っ越しました)

映画/サンゲリア

ツタヤで借りたホラー映画です。
1979年制作、イタリア・アメリカの合作ゾンビホラーです。

 

 

 

 


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【あらすじ】
ニューヨーク湾を漂流する一隻のクルーザー。
船内には全身が腐乱した男がいて、警官を噛み殺した。
クルーザーの持ち主の娘、アンは、新聞記者のピーターと共にマツールに向かった。
しかしそこは、ゾンビがはびこる呪われた島だった。

 

【ひとこと感想】
ゾンビ! 孤島! サメ! お色気! グロ! お得感あふれるゾンビホラー!

 

※全力ネタバレです。

 

 

【3つのポイント】
①不気味すぎる始まり
②サメVSゾンビ!
③怒涛のようなホラーサービス

 

【①不気味すぎる始まり】
最初に本作に関する豆知識をば😗

本作の原題は『ZONBIE』。まんまやー。
邦題の『サンゲリア』は造語で、イタリア語の『Sangue(流血)』と、大ヒット作の『サスペリア』をもじったそうな。

作品自体がロメロの『ゾンビ』ブームに乗っかって制作されたのに邦題まで乗っかりなんかーい――とツッコみかけましたが。

なんとこの作品、ゾンビの外見をアップグレードさせたスゲー作品なのです。

それまではただ顔色が悪くうつろな表情だけだったのが、肉が腐ったグロテスクな姿に進化。

視覚的恐怖=思わず目を覆ってしまう・一瞬で目を引く画面作りに富んだ本作は、のっけから色んなホラー要素(H Fと略します)がありました。

冒頭は無人のクルーザー。
腐った食べかけの食事など人間がいた痕跡があり、かのマリー・セレスト号を彷彿させます。(※1HF)

そこから突然のゾンビ。(※2HF)

主人公のアンとピーターが旅立って、初対面の夫婦・ブライアンとスーザンのクルーザーで問題の島へ。

スーザンが 『半裸ダイビング人妻』 というマジで意味が分からん属性を付与して、美しい海の中へ。
(なんでウェットスーツ着ないの? 海なめてらっしゃるの?)

 

なんとそこには、🦈サメ🦈 がいました。(※3HF)

 

【②サメVSゾンビ!】

以下、その時の心境をそのまんま書きます。

( ;ω;)<サメだぁーーーー!!💕
(※感涙)

まさかゾンビ映画でサメに会えるなんて。
嬉しい。未だに新年一発目の映画を『シャークネード2』にできなかった傷心に沁みるめっちゃ沁みる。
ってかゾンビってサメ食うの???
へー! ゾンビの血って緑というか藻っぽいなアハハ!

ってな感じでとんでもなく浮かれました😉

そうしてたどり着いたマツールは、ブードゥの文化が残る島。
カニとゾンビが共に歩く、悪夢の魔境です。
(絵面的にはシュール🦀🧟)

広い島なので、ゾンビがいる地域といない地域があるのが面白かった。

そして野戦病院さながらに、ゾンビに襲われた島人たちを治療するのが、メイナード医師でした。
彼は必死にゾンビを研究し、人間のゾンビ化を止めようとします。
たった一人で魂を解放=ゾンビになりかけた死者の頭を撃ち続けます。

個人的に、この場面が一番恐ろしかったです。(※4HF)

亡くなったばかりの死体にシーツを被せ、ヒモでぐるぐる巻きにする。
それは再び動き出し、ゆっくりと起き上がる……

足元に転がる死体がどんどん増えていく。
なのにゾンビもどんどん増えていく。

メイナード医師が酒に逃げる気持ち、彼の絶望がひしひしと伝わってきました。

挙句にメイナード医師の妻ポーラもゾンビに殺されます。

シャワー中を狙われるのは『サイコ』を連想しました。(※5HF)
そしてポーラはゾンビに襲われ、眼球を貫かれ、その死体を喰われる。(※6HF)

その様子のグロいことぉ……!!

汚い、痛い、怖い。
でも見てしまう。気持ち悪いのに、気持ち悪いけど!

この二律背反(?)こそホラーの醍醐味ですね……😨🫨

 

【③怒涛のようなホラーサービス】
クライマックスに向けてどんどん加速します。

いちゃつくアンとピーター(これもお約束)が寝転ぶ地面から、
なんと数百年前に戦争で死んだスペイン兵のゾンビが出てきました。(※7HF)

ゾンビの造形も嫌悪感マックス。
空っぽの眼窩からミミズ、口からミミズ、顔面にたかるウジ。
ゾンビたちは数の暴力で、アンたちが立てこもる教会を襲撃します。

窓からひょっこりはんしたかと思えば、
キッスをするように頬の肉を食いちぎるゾンビ。

もう可愛げを感じるのと気色悪いのがごっちゃになって、

( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \

と、変な笑いが出ました。(混乱)

対して生者は火炎瓶で応戦。
けれどブライアンは、ゾンビとなった愛する妻に噛まれてしまう。(※8HF)

なんとか3人で脱出し、クルーザーに乗るもブライアンは助からず。
失望の中、トドメの一報がラジオから届きます。

 

アナウンサー:「奴らが侵入してくる!」

 

海にいたゾンビが陸に上がり、ニューヨークで増殖したのです。
真っ青になるアンとピーターの背後では、

ガタガタガタッ!

と、激しく動くドア。
冒頭の無人クルーザーにつながるような、恐ろしく絶望的なラストでした。(※9HF)

 

【まとめ:ホラー要素の宝石箱や】
まさかたった91分の映画で、9種類もの恐怖――①マリー・セレスト号、②驚かせ型ゾンビ、③サメ、④追い詰められる精神的恐怖、⑤『サイコ』、⑥増殖ゾンビ、⑦造形的グロ、⑧愛する人がゾンビになった、⑨絶望の結末――を味わえるとは……

(※この分類はものすごく適当です)

大満足でした。
グロとホラーとゾンビとサメとお色気(ポーラもおむね放り出してた)。
なんてお得な映画でしょう。

特に印象的だったのが『ゾンビの手指』。

ドアをこじ開ける、土から出てきてる、生者を捉えて肉を引きちぎる、泥まみれの芋虫めいた指です。

あと原因が最後まで謎でしたね。
病気なのかウィルスなのか呪術なのか。

噛まれたらゾンビになるようですが、それだとポーラがただ喰われただけのが納得いかない。
加えて、数百年前に亡くなったスペイン兵が復活するのも🧐

ですが疑問は残っても大満足でした。(2回目)

 

【おまけ:ちょっと面白かった】

DVDのメニュー画面。

ちまちま動くゾンビと、
シーツぐるぐる巻きが上下するという謎のギミック。
怖がればいいのか和めばいいのか!

 

 

次回は2月5日月曜日、
1996年制作、アメリカのオカルト精神汚染ホラー、
『痩せゆく男』の話をします。

( ・ω・)<原稿執筆のためお休みしま!

 

 

鳥谷綾斗