人生はB級ホラーだ。

良い作家さんになりたい鳥谷綾斗のホラー映画中心で元気な感想ブログ。(引っ越しました)

映画/ブラッド・リッパー

ツタヤで借りたホラーです。
2003年制作、アメリカの閏年スラッシャーホラーです。

 

 

 

 

 

【あらすじ】
フラー山脈の川沿いのキャンプ場にやってきた、6人の若者たち。
彼らはまだ知らない、
閏年の満月の夜にだけ現れる殺人鬼が、彼らを狙っていることを。

( ・ω・)<……

( ・ω・)<6文字でまとめましょか。

い つ も の や つ。

 

【ひとこと感想】
閏年ホラーという奇跡、おもしれー殺人鬼のC級ホラー。

 

※全力ネタバレです。

 

 

【前書き】
4年に一度の閏年ですね。

この記念すべき日にふさわしい、何か楽しいことをやろうとしました。
そうしてふと思いました。

(  ´ ꒳ ` )<閏年ホラーってあるんかな?

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結果:ブラッド・リッパー

あ る ん か い

自分で探しておいてなんたる言い草ですが、マジでそんな所感でした。
マジかよホラーの懐やっば……かゆとど。(痒いところに手が届く)
改めてホラーの奥深さを知りました。

 

【3つのポイント】
①のんびりスラッシャー
②「画質悪ぅ!!!」
③おもしれー殺人鬼、ジュベル・フィッシュマン

 

【①のんびりスラッシャー】
いつものやつなあらすじを経て臨んだところ、
「どえらいのんびりしていたな」というスラッシャー映画にあるまじき鑑賞後感。

何せ、襲われるシーンの8割が、
やけにチープなBGMが流れた雑木林探索→殺人鬼に追いかけられる、です。
しかも途中で立ち止まったり、ちょっと若干追いつくのを待ってないかコレ仕様。

クライマックスで生き残ったカップル・ティムとケイティが、

 

ティム:「朝まで持ち堪えれば……」

 

とまだ明るい時間帯に、堅牢とは程遠いログハウスに籠城したり。
(頑張れば山を下りられるレベル)(※①)

しかし殺人鬼の方も何故か一晩待つというゆとりっぷり。

そもそもこの手の映画における最初のジャブ、
『途中で立ち寄った雑貨店で殺人鬼の噂話を聞く』 が、
『焚き火マシュマロ中に知らんオッサンがやってきて、殺人鬼ソングを弾き語りする』 という時点で、

( •᷄ὤ•᷅)<今までに観たのとは……違う!

と、固唾を飲むってなもんです。
案の定、「こんなん初めて言ったわ!」的なツッコミ(※②)だらけでした。

 

【② 「画質悪ぅ!!!」】

(※②)の代表がコチラ。

グロ要素もあるので惨殺死体やモツもあるのですが。

木に吊られた死体。
一時停止して「逆さ吊りにされてる……? いや頭どっち……?」と目を細めても分かりませんでした。画質が悪い。

人形にフォークで食事を与えたり「おまえはFBIか?」と尋ねてくる謎のおばさんの死体。
たぶんそう。画質悪くて自信がない。

あと川に、すげーヌルッと引き摺り込まれて殺されます。
水が濁って見えづらい上に、モツがどう見ても明太子きしめんでした。

画 質 ど こ ろ じ ゃ な い。

 

【③おもしれー殺人鬼、ジュベル・フィッシュマン】
由来がすべて謎な殺人鬼です。
閏年の満月の夜にしか働きません。
キャンプ場なのに何故ガスマスクなのか。
ナイフ、角材、斧、素手という「さてはこだわりがないな???」な武器を使います。
趣味は死体の移動です。

ボートで逃げる人を追いかける時の、ザバザバ鈍く重く移動する感じと石を投げられたくらいで倒れる点から、
「中の人は確実に人間だな……」 と困ったような微笑を浮かべました。(文学的表現)

銃を持った保安官とのバトルシーン(草)が面白かったです。

すごい低い木の上で待ち伏せしたかと思いきや、
銃があるので襲わず、こそこそ逃げます。

 

 

ちょこちょこと急いで走るの可愛かったです👍

加えて、その保安官(?)の車をわざわざログハウスまで運転して。
人間たちに「助かった!」→「きゃあ死体!?」と絶望を味わわせるために、車を降りて隠れたの、回りくどすぎて生粋のエンターテイナーみを感じました👌

そんな殺人鬼だからこそ、ティムとケイティはこんなスットコドッコイな選択(※①)をしたのでしょう……。

……仮に日が落ちる早さを考慮したとしても、
なんでログハウスの外で待つの……?😔

まあこれで襲ってくるだろうと思いきや、
なんと無事に朝チュンが似合うグッドモーニングを迎えました。

いや朝まで寝とるぅーーーー!?

待て待てこれもう3月1日の朝って言わない!?
設定! 重要かつ唯一光る設定を捨てないで!

ティムたちが外に出ますと、

 

 

いや(出番待ちかのように)手持ち無沙汰っぽく座って斧をスリスリして一晩待っとるぅーーーー!!

なんで! ログハウスの外で色々してたでしょ! 襲えよ! 4年に一度だぞ!?
(地味にここでトラックが撤去されてて草。運転したの?)

それでも頑なに正面ドアから出ようとするティムたち。

 

ティム:「行っちまった」

 

じゃねーーーーーよ! 正常性バイアスにも程があるやろ!

ところがどっこい、ガチャーン! とジュベルが裏口の窓を割って入ってきました。
それ昨夜のうちにしろよ!

そんなこんなで川まで逃げましたが、ティムはジュベルに敗れます。
ケイティは泣き叫ぶだけです。働けよ。

 

 

何そのアングルーーーー!?

そしてラスト!
壁のない掘っ立て小屋のドアで開け閉め攻防する、という史上最強に無駄なシーンを挟み、
唐突にファイナルガールとして覚醒したけどケイティは返り討ちに遭い、
なんか生きてたティムにシャベルとテコの原理を使われ、
おもしれー殺人鬼、ジュベルは首をもがれました!

ゴキゲンなエンドロールの後、腹の底からのツッコミが出ました。

 

閏年たいして関係ないやないかい!!!

 

【まとめ:閏年をテーマにした唯一のホラー】
ティムが元気すぎて、

「殺人鬼に狙われても睡眠は取るべきなんだな」

というホワイトな感想が浮かび、

〆切という殺人鬼に追いかけ回されている人間にこんな全力でツッコませないでくれ……

という八つ当たりが浮かびました。

鑑賞中に何度も、

自分はこれを滋賀県のツタヤから取り寄せて500円近く払ったのか……
(※密林でDVDが300円以下でした)

と眼前暗黒感を感じましたが、今思うと全力で楽しめたと思います。

そう。

閏年ホラー』がこの世にある。
それがすべて。
それだけで価値があるのです、この作品は。

(逆に言えば『閏年』の要素がなければ……🫨)

 

 

次回は3月5日月曜日、
2021年制作、フランスのブラックコメディホラー、
ヴィーガンズ・ハム』の話をします。

 

 

鳥谷綾斗