人生はB級ホラーだ。

良い作家さんになりたい鳥谷綾斗のホラー映画中心で元気な感想ブログ。(引っ越しました)

映画/死霊館

アマプラで観たホラー映画です。
2013年制作、アメリカのオカルトホラーです。

 

 

死霊館(字幕版)

死霊館(字幕版)

  • べラ・ファーミガ
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【あらすじ】
悪魔研究家の夫婦、ウォーレン夫妻。
悪魔祓いができる夫・エドと、透視能力者の妻・ロレインは、自宅にてアナベル人形を筆頭にさまざまな呪物を保管している。
そして1971年、ロードアイランド州に古い一軒家を購入したペロン一家。
奇妙な地下室があるその家で、恐ろしい出来事が次々と起こる。

 

【ひとこと感想】
信じる者は悪魔よりきっと強い。静の恐怖と動の恐怖のオカルトホラー。

 

※全力ネタバレです。

 

 

【3つのポイント】
①元ネタはやっぱり『実話』
②静かなる恐怖
③動的な恐怖

 

【①元ネタはなんと『実話』】
ここ数年にうっすら実感していること。

( ・ω・)<実話ベースドホラー……流行ってないか?

実話怪談(お世話になってます!)やモキュメンタリー(変な家や女神の継承)、特に後者は映画や小説で地味ーーーーに見かけます。

前回の『ヴァチカンのエクソシスト』の影響もあって、こらぁもっと実話ベースドホラー(あまりにも適当な英語)を観なあかんでと一念発起した次第です。

2014年制作の『アナベル』は観ていたけれどこちらは未鑑賞。

いざ観てみたらしっかり怖いしがっちり面白い。
これをのエンタメ比率を上げたら=キャラを濃くしたら、ガブリエーレ神父になるんやな! と思いました。

 

【②静かなる恐怖】
のっけからアナベル人形登場です。
眼球が割れてます。怖いです。

部屋を荒らし、“miss me?”のメッセージを残す人形。
七歳の少女の霊が憑依したかと思いきや、その正体は人間を狙う悪魔。
そう判断を下すのが、悪魔の研究家夫婦・エドとロレインです。
この2人は非常に素敵な夫婦でした。

彼らが言うには、悪魔の干渉には段階を踏むのだそう。

①出没
②攻撃
③憑依

①寒い、臭い、ラップ音、修理しても3時7分で時計が止まる、あざができる、夜中に姿を見せる。

②時系列は最初ですが、飼い犬がなくなる(「ワンチャンーー!!」と叫んだ)、鳥に激突させる(ここはヒッチコックの鳥を彷彿)

①が本当に静なる恐怖。
特に、ペロン一家の5人の娘たち、そのうちの一人が真夜中に言います。

 

「ドアの影に誰かいる」
「誰もいないわよ。ほら」
「どうしよう。お姉ちゃんの真後ろに立ってる」

 

さらに、母親のキャロリンが真夜中に地下室に閉じ込める際。
クラップ音が鳴る中、

 

にゅっ

 

と背後から手が生えたように出てきてクラップするの、心臓がヒュッとなりました。

 

【③動的な恐怖】
家と家族に取り憑く悪霊の名前は、バスシーバ。
正体は魔女です。
我が子を悪魔の生贄にしようとし、阻止されたら

 

“この土地を奪うものを呪う”

 

そう言い残して首を吊った魔女。
バスシーバの魂は今も残り、この家に住んだ家族に、子殺しをさせます。

何故我が子を生贄にできるのか、の問いへの疑問が本当に恐ろしい。

 

子どもを殺したのではなく、神からの授かり物を冒涜のために使った。

 

ゾッとしました。そんな考えがあるのか。あっていいのか。
そうして、バスシーバに憑依されたキャロリンが『子殺し』をさせられそうになってからが動の恐怖です。

物が壊れるポルターガイスト
人間は見えない手に壁に叩きつけられ、引きずり込まれて大混乱。
アナベルもウォーレン家で途中参戦してました。スピンオフなの?

個人的には、毛布を被せられた(人間にズタ袋をかぶせるアレと同種)キャロリンが吐血して暴れるのが一番怖かったです。

そんな観ているだけで恐ろしい状況の中、ウォーレン夫妻は、特に同じ母親であるロレインが言葉を届けます。

言葉は本当に光でした。
キャロリンは見事にバスシーバを追い出し、大事な娘を抱きしめることができたのです。

 

【まとめ:信じるものを作ることこそが】
作中に、2回ほど出た設定。

・ペロン一家は洗礼を受けていない。
・洗礼を受けていないと不都合がある。

何故? ――と考えたらわかりました。
いかに神様でも、神を信じていない人間を救うのは難しいのです。

神と縁遠かったキャロリンを救ったのは、家族でした。
浜辺に行った想い出が、彼女に自分を取り戻させたのです。

そしてウォーレン夫妻の絆は本当に強かった。

 

ロレイン:「神は理由があって私たちを結びつけた」
     「その理由はこのためよ」


自分にとって信じるもの。
恐ろしい状況でも拠り所になるものを作れる人は、強い。

神を冒涜し、人や動物や物を傷つけることしかしない悪魔や魔女より、
人を産み、育てている母親の方が絶対に強い。負けるわけがないのです。

あとやっぱり筋肉ですね💪
結構物理で解決してました💪

 

マッチョ₍₍ ᕕ(´ ω` )ᕗ⁾⁾マッチョ

 

【おまけ:お気に入り場面】
調査編。
消えた少女を、UVライトを使って探し当てる場面。
ゴーストハントが好きなのでこういうギミックを使うのが好きなんです☺️)

オカルト現象編。
洗濯中に飛んでいったシーツの場面。

一種の手品を見ているようで、怖いのにドキドキできて最高です。
(そういえば原題の『CONJURING』は『手品』という意味もあったなー)
ぜひご覧ください!

 

次回は10月9日月曜日、
1988年制作、アメリカのジョージ・A・ロメロ監督のアニマルホラー映画、
『モンキー・シャイン』の話をします。

 

 

鳥谷綾斗