映画館で観たホラー映画です。
2022年制作、アメリカのプリティーな人形SFホラーです。
(✿´ ꒳ ` )<一緒に観てくれた友人氏、ありがとう🌷
【あらすじ】
玩具メーカーの開発者であるジェマは、事故死した姉夫婦の娘・ケイディを引き取ることになる。
ケイディのケアと自身の仕事のために、ジェマはAI人形『M3GAN(ミーガン)』を彼女に与える。
やがてミーガンは、ケイディを守るために暴走していく。
【ひとこと感想】
『人間を育てている』人にオススメ、キュートな殺人ガールが送る、共感型メルヘンホラー。
※全力ネタバレです。
※注意
たぶん犬が死にます。
(直接的な場面はありません)
※一度のみの鑑賞のため、セリフはニュアンスです。
【3つのポイント】
①解像度の高い子育て
②つよつよミーガン
③ラストはまさかの〇〇対決
【①解像度の高い子育て】
鑑賞後の感想、
( ・ω・)<めっちゃ分かる。
子育て光景がリアルだった上に、
ジェマの気持ちにとても共感しました。
冒頭の、ケイディの両親が亡くなった事故。
スキー場に向かう車中で、娘の教育方針やタブレットの使用時間で争う両親。
これめっちゃ覚えがあります。
子どもの前で、ガミガミ言う母親と他人事感が抜けきらない父親。
当の子どもはタブレットから目を離さない。
絵に描いたような仲良し家族ではない、という点にまず感心しました。
(いいよいいよ! リアルだよ!👍)
事故の後、ケイディはジェマに引き取られます。
このときのふたりの困惑。戸惑い。
ジェマはずっと一人暮らしで、自分の好きなように家事をして、好きな時間まで仕事をして、自分の面倒だけを見てきました。
そこに突然9歳の姪っ子です。
赤子や幼児ほど手はかからなくても、自我がきちんと出来上がって、でも目が離せない『他者』。
コレクションのおもちゃが『遊ぶもの』だったことを、思い出させる存在。
自分も甥っ子姪っ子がいる身ですから、非常に共感できます。
だから保護者失格と評されようと、分かるんです。
ジェマがケイディを、ミーガンに『押しつけた』気持ちが。
【②つよつよミーガン】
ミーガンは子どもの理解者であり、子育ての協力者でした。
特にしつけ面。
トイレは流す、手を洗う、コップを置くときはコースターの上、遊んでないで早く食事するなど。
これね、何回も言わなきゃならないんですよ。
でね、一度で分かったとしても、習慣づかないんですよ。
今日は「分かった😉」と教えたことができたのに、翌日にはすっかり忘れることもしばしば。(※1)
誰かに注意するのはなかなかストレスが溜まるのに、何度もくりかえさないといけない。
もはや根気云々の問題ではない。でもやらなきゃいけない。
そのエグいストレスから解放してくれるのがミーガンです。
そんな夢のような、メルヘン世界からの救世主感すらある彼女は、
ロボット三原則を軽やかに無視し、びっくりするほど暴走しました。
(だってホラーだもん)
完全覚醒したときはシビれました。応援上映だったら拍手したかった👏
ミーガンダンスを披露する一連のシーンです。
紙の裁断機(たぶん)の刃を携えて、ジェマたちにずっとパワハラしていたえらい人を追いかけるミーガン。
決して走らずに淡々と歩いていく様は、
( ・⌓・)<ジェイソンの風格だ……
と、おののきました。かっこよかったぞ。
地味にミーガンが機械(非常ベルや車のロック)に近づいただけで操る姿もテンション上がりました。厨二ハートがうずくぜ😙
【③ラストはまさかの〇〇対決】
さて。このブラムハウス作品大好きトリは、鑑賞中ずっと考えていました。
まあでもどんな展開でも最後は拳対決やろ😉
逆にそれが見たいというか無いと物足りないというか。
案の定、ジェマとミーガンの駆け引きつきバトルが始まります。
場所はリビングからジェマの作業室へ。
ジェマが負けそうなとき、ケイディが現れます。
(以下、セリフは曖昧です)
(後ほど再鑑賞した際に直します)
ミーガン:「これからも家族でいたいわ」
ケイディ:「内緒の家族を紹介する。ブルースよ」
そう言い放ったケイディの両手にはゴツいグローブ。
それはプロトタイプミーガンとも言える、🤖ロボットのコントローラー🤖だったーーーー……!!
待て待て待て待て、ジャンルが人形ホラーからロボコップとかアイアンマンに変わっとる〜〜〜〜!!
予想を裏切られました。
まさかのロボット対決。応援上映だったらスタオベしていましたよもう👏
というわけで最後は物理で破壊。
最後のワンシーンで不穏さを残し、キュートで可愛い殺人人形はひとまず眠りにつきます。
【まとめ:子育てって難しい】
これはスマホ育児のメタファーなのかなーと感じる中、印象的なセリフがあります。
ミーガンのプレゼン動画用の、「ミーガンのどこが好き?」という質問に対するケイディの答えです。
ケイディ:「私を見つめるところ。
私が自分のすべてと言うかのように。
ママみたいに」
もうひとつ、
ミーガンと引き離されたケイディの抗議です。
ケイディ:「与えたくせに何故奪うの」
おそらくジェマに足りなかったのはこれ(前者)でしょう。
そして後者は、大人が子どもにしてしまいがちな過ちでもある。
ジェマは反省し、改めてケイディを育てる覚悟をしました。
「あなたは私のすべてだ」と告げて。
ずっと見ているからこそ、親は口うるさく言う――そういうことです。
(ところで『※1』の「しつけはループ地獄」説ですが、何度言っても直らないのなら意味がないと思いがちですけども)
(なんかいつの間にか直っているんですよね。人間は成長するから)
(でも直るのが1週間後か1年後かは不明で、だからたぶんあまり思い詰めない方がいいんだろうなぁ)
(と、最後までケイディがコースターを使う習慣がつかなかったのを見て思いました)
【おまけ:犬ーー!!】
ミーガンの最初の犠牲者は、犬と無責任な飼い主です。
直接的な場面はないものの、犬が死んでしまうのはつらいですね。
この感覚を言語化すると、
「ホラー映画で人間が死ぬのは覚悟どころかむしろそれを楽しみにしているの全然OKだけど、犬が死ぬのは覚悟していないし罪悪感がある」
です。
分かる人には分かる感覚。でも分からなくても別に構わないです。
ただ一介のチキンハートなホラー映画好きのワガママを書かせていただけるなら、
頼む世界中のシナリオライター諸氏よ。
ああいう時は、「犬は無事でしたが、」というセリフのひとつでも入れてくれ。
たった一言でいい。絵もなしでセリフでいい。それで騙されておくのでどうか頼む。
( ・ω・)<……
( ・ω・)<です!!
(また謎の〆で終わる)
次回は6月26日月曜日、
1999年制作、アメリカのモキュメンタリーホラー、
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の話をします。
鳥谷綾斗