人生はB級ホラーだ。

良い作家さんになりたい鳥谷綾斗のホラー映画中心で元気な感想ブログ。(引っ越しました)

映画/チャイルド・プレイ(1988年版)

ツタヤで借りたホラー映画シリーズです。
1988年制作、アメリカのスラッシャーホラーコメディです。

 

 

 

 


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【あらすじ】
湖畔の殺人鬼、チャールズ・リー・レイ。
相棒の裏切りに遭い、刑事に追い詰められた彼は、おもちゃ屋に逃げ込む。
そこで人気アニメ・グッドガイの人形を見つけ、謎の呪文を唱えて爆死する。
その人形は、シングルマザーのカレンの息子、アンディーの元に届けられた……

 

【ひとこと感想】
お子様も安心、元気いっぱいな殺人人形のド健全ホラー!

 

 

※全力ネタバレです。

 

【3つのポイント】
①年を取るとホラーでも避けたい展開がある
②チャッキーの暗躍。
③正体を明かした後は元気いっぱい。

 

 

【①年を取るとホラーでも避けたい展開がある】
数年ぶりの再鑑賞です。
初見はおそらく中学か高校生。目に輝きがあった頃です。

その時よりも強く思ったこと。

( ・ω・)<アンディものごっっっつい可愛いな?

いやだって、湖畔の殺人鬼(また湖畔か!)ことチャールズが謎の呪文を唱えて爆死した後、アンディのターンになるんですよ。
グッドガイ人形のCMが流れる早朝、アンディはマミーのために朝ごはんを作るのです。

6歳の子が。
一生懸命背伸びして。
パンを焦がしてシリアルに砂糖をドバドバ入れて牛乳こぼしながら寝室に朝ごはんを運ぶんですよ。

そんなもん「あらー⤴︎ 可愛いわねー🥰💕」と「あー⤴︎ 危ないやめてやめて!😖💦」になる決まってますでしょうが!!!

ここでひとつの誤算。
学生でなくなった私は、シンプルに、理屈など関係なく、感情で、

( ;ω;)<この子が怖い目に遭うの観るの嫌だ……

と思いました。加齢ゆえの変化ってやつです。
最初はそんな不安に駆られましたが、結果的に杞憂で終わりました。

この映画、めちゃくちゃド健全でした。

 

【②チャッキーの暗躍】
コメディとは言えホラー。怖い場面もきっちりあります。

「おおっ」と思ったのは、チャッキー視点での場面があったこと。
第一の犠牲者・マギーがリビングで本を読む姿が、低い目線としてのカメラで映されます。
映像ならではの手法。『何者か』を映さないことでその存在感をアピールできるの、素直に強いなと思います。小説でもできないものか。
(電池の場面もすごく好き)

マギーを殺し、自分を裏切った相棒エディーを始末したチャッキー。
(マギーの落下とエディーの爆発、勢いがありまくって花丸💯)
アンディは病院に入れられ、母親のカレンによって「動かないと暖炉で焼き殺す!」と脅され、

 

チャッキー:「うるせぇクソビッチ、ぶっ殺すぞ!!」

 

それまでの静かさが嘘のように大暴れ。
元気いっぱい殺人人形の爆誕です。

 

【③正体を明かした後は元気いっぱい】

 

チャッキー:「ハイ! 僕チャッキー! 一緒に遊ぼう!」

チャッキー:「おめぇは死とデートしな」

 

この豹変ぶりである。
中の人(チャールズ)、どういう感情でこのセリフ言ってたんだろうか。

カレンの家から逃げ出した後、チャッキーは自分を追い詰めたマイク刑事も殺しに行きます。
この車での攻防戦、めちゃくちゃ面白かったです。
怖いけど笑える。運転席の背もたれから飛び出すナイフ。座席の下から飛び出すナイフ。回避する尻。

失敗に終わったチャッキーは、今度はアンディの体を狙うことに。
けれどアンディは、ただ怯えるだけではなかった。①での心配は杞憂でした。

アンディはしっかりと抵抗し、反撃したのです。

カレンがチャッキーを暖炉に閉じ込めた後、アンディは命乞いをする彼に、実に冷静に言い放ちます。

 

アンディ:「もうおしまいだ、チャッキー」

 

ここ痺れました。
容赦ない。達観にも似た冷酷さ。彼はきっとこれからどんなことがあっても自分の人生を切り開くのだろうと確信し得るような。

そうして確信しました。
やっぱりきちんと反撃するホラーこそ最高で健全なのだな、と。

 

【まとめ:ド健全だった】
というのも、これの再視聴前に観たのが『呪詛』だったのです。
ツイッターで話題となった台湾ホラー。あちらも小さい子がひどい目に遭いますが、本作との違いは、『遭うだけ』です。
(面白かったんですけど)

そこで感じたモヤモヤが本作で晴れたというか。

主人公の子どもが自分の手で切り開く、ある種の冒険要素があるホラーでした。

お子様の初めてのホラー映画にも最適かと。この夏休みにいかがでしょうか🥳

(かと言って無理に観せることはありません)

(人にはそれぞれ、ホラーに触れる最適な時期があります)

(その時まで観ても観なくてもどちらでも良いのです)

(大丈夫、ホラーはいつまでも待っています)

(なんでこんなこと言うかって言うと、小学生の子どもにグロホラーを遊びで無理やり観せた人を知っているからです)

(まじ許せん)

 

 

次回は8月15日月曜日、
2022年制作、台湾のホラー、
『呪詛』の話をします。

 

 

鳥谷綾斗