アマプラで観た映画シリーズです。
2020年制作、カナダのホラーコメディです。
【あらすじ】
1983年のカナダ。
ジョエルは、ホラー映画雑誌『VICIOUS FUN』のライター。
うだつの上がらない日々を送る彼は、同居人のサラの彼氏が気になり、尾行する。
たどり着いた先はアジアンサイバーパンクなバー。そこでは、殺人鬼たちの集会が行われていた。
【ひとこと感想】
おバカでグロい、「刺して抜く! 刺して抜く!」が基本のホラー映画フェスティバル映画。
※全力ネタバレです。
【3つのポイント】
①鑑賞前の直感
②古今東西の殺人鬼そろえてみた
③悩み相談もしてくれる殺人鬼殺人おねえさん
【①鑑賞前の直感】
ホラー映画を愛好して傾倒して日々はしゃぎ倒している身としては大変申し訳なく感じますが。
タイトルだけ見た瞬間は、
( ・ω・)<つまりアホが6人いるんだな?
と思いました。すみません。
分析:殺人鬼大好きなのに何故そう思ったか。
↓
殺人鬼とは一人だからこそ怖いのである。
たった一人が大勢を死に至らしめるという、数の力が通じないことこそ怖いのであって、
殺人鬼が大量にいたらそれはホラー映画においてはコメディなのではなかろうか。
『フレディVSジェイソン』も『貞子VS伽椰子』も恐怖よりその絵面の面白さの方が先立ったわけで。
殺人鬼とは――
あるいは怨霊とは――
孤高の存在でいてほしい、という話です。
(話がそれた)
(その点、この作品は最初っからコメディと銘打ってるので、看板に偽りなしですぞ)
【②古今東西の殺人鬼そろえてみた】
片想い相手の彼氏・ボブを尾行したら、殺人鬼たちが集まるバーだった。
そこでジョエルは、殺人鬼たちに仲間だと誤解されてしまいます。
この殺人鬼たちが個性豊かで非常に絵になる。
プロモ用ショートまであり、制作陣の『全力』を感じました。
①巨漢のマイク。
キャンプ場で遊ぶ若者や女子寮に潜入して殺戮っちゃう殺人鬼。自らをサメと称する。
②やり手のリーマン風ザッカリー。
プロのエージェント? どこかの国の村を焼いたと自慢する。光の速さで殺される。
③アジアン系のヒデオ。
たぶん日本人。属性は殺人シェフ。得意料理は高級なやつのと人肉使ったやつ。
④壮年男性のフリッツ。
ピエロに扮する、社会に溶け込んでいるけれど人間味のない殺人鬼。計算による隠蔽工作もお手のもの。
⑤紅一点・キャリー。
ハニートラップを仕掛けて、油断したところを『刺して抜く! 刺して抜く!』派。
⑥ナンパ師・ボブ。
3回目のデートで女性を殺す殺人鬼。IQ180で、不動産屋、弁護士、医者などになりすます。
( >ω<)<何これ楽しそう〜〜〜〜😊😊😊
制作陣の『全力』の『好き』を感じましたね。
特に①のマイク。主に陸地で活動する若者専門殺人鬼で、海要素いっさいないのに自分をサメとか言うの面白すぎる。
分かるよ。どこかに入れたいよね、サメはね。(理解者ヅラ)
個人的な優勝はフリッツです。
標的を生命維持させて長く殺し続けるとかおもしれー殺人鬼すぎる。
最期は素人の女子にボコられて、自分が使う薬を打たれてさらに頭を潰される、ある意味まぬけな死に様も含めての優勝です。
【③悩み相談もしてくれるお姉さん】
前項の殺人鬼ラインナップで、「あれ? 5人じゃないの?」と思われましたでしょうが。
実はキャリーは、対殺人鬼の殺人者だったのです。
(正体は『組織の人間』という感じでぼかされていました)
このキャリーがかっこいい。
現代的なお姉さんキャラでした。
ジョエルを殺人鬼たちから守り、さらにウダウダ弱音を吐く彼を叱咤します。
キャリー:「見つめ直してみたら?
つまり、自分のことを」
( ・⌓・)<姉御ォ!
そしてキャリーは、「足手まといだ」と言って殺人鬼が徘徊する警察署からジョエルを逃がそうとします。姉御ォ。
ジョエルも一念発起し、彼女を助けるために戻ります。成長ォ。
そんなふたりは最後はバディとなり、
国内の殺人鬼を殺して回る旅に出ました。
どうなってんだ1983年のカナダの治安。
(※率直な意見)
【まとめ:殺人鬼殺人というジャンル】
この『殺人鬼を殺す』展開、最近増えたなと感じます。
反撃系ホラーを進化版。スカッと度は高いです。
かつてホラー映画は、『調子こばった輩をやっつけたい』という感情の産物でした。
(諸説あります。だいぶ端折ってます)
つまり現代における『調子こばった輩』は、
キャンプ場ではしゃぐ若者などではなく、
身勝手に人を殺す殺人鬼に成り代わった――ということかもしれません。
ちなみにこちらの作品、内臓が出ます。
モツで首を絞める場面もありますので、苦手な方はご注意ください。
(でもキンキンに冷凍されたモツ、プルンプルンでおっぱいアイスみたいでした)
(最高にどうでもいい情報)
次回は10月17日 10月24日月曜日、
1992年制作、アメリカのホラーファンタジー、
『キャンディマン』の話をします。
鳥谷綾斗