人生はB級ホラーだ。

良い作家さんになりたい鳥谷綾斗のホラー映画中心で元気な感想ブログ。(引っ越しました)

映画/サプライズ

アマプラで観たホラー映画シリーズです。
2011年制作、アメリカのソリシチュスプラッタ映画です。

 

 

サプライズ(字幕版)

サプライズ(字幕版)

  • 発売日: 2014/04/16
  • メディア: Prime Video
 

 

 

※全力ネタバレです。

 

 

【あらすじ】

恋人のクリスピアンの両親の結婚35周年を祝いに来たエリン。
人里離れた別荘にはクリスピアンの兄妹弟とその恋人を合わせて、10人が集まった。
ギスギスした晩餐のさなか、窓から矢を射られ、弟が死んでしまう。
突然の襲撃者――羊、虎、狐の覆面を被った人物たちによる殺戮。
サプライズに満ちた一夜を、エリンは単身で戦い抜く。

 

 

【ひとこと感想】

言うほどサプライズでもなかったけど、とにかく『画』が強い映画。
(※先端恐怖症の人はちょっと注意)

 

 

【3つの見どころ】
三者三様のサプライズ=誤算と予想外。
②『驚き』よりも『観客からのツッコミ』を重視してる?
③反撃系ホラーの先駆けとされるけども。

 

【①三者三様のサプライズ=誤算と予想外】

ひねりの無い真相なので書いてしまいますけど、種明かしは『両親の財産目当てでクリスピアン(次男)とフィリックス(三男)とジー(三男の彼女)が仕組んだ』でした。
マスク殺人鬼たちも雇われです。

寝静まった後に火ぃつけた方が早くない???

と思わず身も蓋もない感想が浮かびました。
わざわざ人を雇って殺人ショーをやるメリットが分からない。
なので真相がサプライズというよりは、登場人物たちのサプライズ(予想外と誤算による驚き)を見る物語でした。

①ヒロイン・エリンのサプライズ。
=マスク殺人鬼による突然の襲撃。恋人・クリスピアンが黒幕だった。
②殺人鬼・マスクーズ(仮。名前が無かった)のサプライズ。
=サバイバルキャンプと格闘術の素養があるエリンに、めっちゃ反撃された。
③黒幕・クリスピアン、フィリックス、ジーのサプライズ。
=エリン。(『マジかよ、人殺しの才能ありすぎだろこの女』的な)

かくして浅はかな3人の計画は、「連れてきた彼女が、不測の事態でもめちゃ冷静で、命を守るためなら容赦なく殺人鬼のアタマをかち割る人だった」という唯一の誤算で見事に狂っちゃったわけです。

( ・ω・)<まさしくサプライズ。

 

【②『驚き』よりも『観客のツッコミ』を重視してる?】
正直に言いますと、たいして驚かないですこの映画。

冒頭に、舞台である別荘の隣人である夫婦が殺されました。
もちろん夜の営みの後です。黄金パターンです。
そのため、パニックになったケリー(長男の妻)が、隣家に助けを求めたけど実はとっくに死んでたというのが色褪せてしまった。
登場人物的にはサプライズでも、観客的にはサプライズでなくなった。
感情の方向性が、「その人死んでるよー」ってツッコむ方向になったわけです。

(そしてここまで書いてて、「なんで隣人殺したんだっけ?」って疑問が浮かぶっていう)

強襲された後、長女のエイミーが玄関から外に出て、全力疾走寸前で仕掛けられたワイヤーで首チョンになったのですが。
「なんで外に出るん???」が先走って、怖いも何も……ねえ?(同意を求める視線)

そして最後の、エリン特製のピタゴラスイッチ
扉を開けたら斧が振り下りてくる仕掛けなのですが、これに引っかかる相手はプチサプライズでした。
でも予想できてしまった。


大体がこんな調子ですので、驚くよりもツッコミが先んじたなって印象でした。

 

【③反撃系ホラーの先駆けとされているけども】
ゆえにこの映画を観た時、「んぁあああ惜しいぁいいい」と感じました。

 持ち前のスキルで急襲してくる殺人者たちに真っ向から、怯えつつも知恵と力を駆使して戦うヒロインって最高なのに。

なんか……なんかもっとこう、

( ;ω;)<くれ! サプライズを!

みたいな気持ちになったわけです。
そして思ったんです。この映画がこんな気持ちを生み出してくれたから、

後の『ドント・ブリーズ』とか『KRISTY』とか『ハッピー・デス・ディ』につながったのでは、と。

 
いや知りませんけど。

けれど、「こんな展開(こと)いいな、できたらいいな、あんな展開(ゆめ)こんな展開(ゆめ)俺ならこうしたいな~♪」は、作品を生み出す原動力になる――ってのはあると思います。

あると思います。(力説)

 

【まとめ:とにかく『画(え)』が強い】
この映画のもっとも印象的なのは、やはり襲撃者たちの絵面。
まっしろな羊、虎、狐の仮面を被り、容赦なく家族を皆殺しにしようとするその場面。
恐怖と共に期待感を煽られ、そしてその覆面にどんな意味があるのか考えそうになる、のですが。

特に意味なんて無かった。

(本当に無かった)

(羊のみなら生贄たちの反乱ーとか、虎のみなら狩る者たちの襲撃ーとか、狐なら騙すよーとかいくらでも理由はつけられたんだが)

(ちなみに私の愛するジグソウ・キラーは「豚はもっとも慈悲深いから」という理由で豚のマスクを愛用しておりました。好き)

しかもこのマスクを被っているせいで、視界が悪くて板と釘のトラップを踏んづけて「痛ーい!(´;ω;`)」ってなるし。

 

おまぬけか。『ホームアローン』の泥棒たちか。ちょっぴりおドジな愛され悪役目指してるのか。
そんないろいろアレな面が多いですが、視聴者のハートをキャッチする点については強かったと思います。

 

ちなみにラスト10分は笑いどころだらけでした。

①脳みそミキサー。
(めっちゃ笑った。直前のズッコケといい、アイツは道化師ポジだった)

②黒幕のクリスピアンの死に様。
(途中ひとりだけ逃げ出し、エリンが巻き込まれて死んでもいいや感満載なのに、全員ぶっ殺したと知るやいなや甘い言葉を囁き、「約束したろ? 君の元に戻ってくるって。ただいま」と言った瞬間にぶっ刺された。これのおかげで爽快系ホラーになってしまった)

③私:「警察官ーーーーん!!」
(これは観てほしい)

 

サプライズは少ないけど、ある種の期待は裏切らない、そんなラストでした。

『You're NEXT』! 

(なんで邦題でタイトル変えたんや)