人生はB級ホラーだ。

良い作家さんになりたい鳥谷綾斗のホラー映画中心で元気な感想ブログ。(引っ越しました)

映画/KRISTY クリスティ

アマプラで観たホラー感想シリーズ(?)です。

第2弾は『KRISTY クリスティ』。
2014年制作、アメリカのサスペンスホラーです。

 

 

KRISTY クリスティ(字幕版)

KRISTY クリスティ(字幕版)

  • メディア: Prime Video
 

 

全力ネタバレです。


【あらすじ】
大学寮に住む女子大生・ジャスティン。
感謝祭を迎え、恋人のアーロンを含めたすべての学生が帰省するが、節約のためにひとりきりで寮に残ることを選ぶ。
ある雨の夜、買い物に出たコンビニで、ジャスティンは奇妙な女に目をつけられる。
女はジャスティンを『クリスティ』と呼び、3人の仲間と共に、誰もいない大学内で彼女の命を狙う。


【ひとこと感想】
ラスト30分でブチ切れて復讐の女戦士に進化した系女子、を推すための映画。


【みっつの見所】
①ラスト30分が光る構成。
②平和な最初1時間にこそ伏線が。
③魅力はヒロインの変化。


【①ラスト30分が光る構成】
そもそも、ジャスティンが大学内で追いかけ回される理由とは。

たまたまコンビニで「容姿端麗で、高級車に乗るような恵まれた女子大生を『クリスティ』と呼んで狩りと称して惨殺する」のを正義とするカルト集団(?)に目をつけられたから。
(※実際には車は借り物であり、ジャスティン自身は苦学生

作中にもありましたが、“とんだ災難”以外の何物でもありません。
不条理と理不尽は実に迷惑な隣人です。

一応、警備員・門番・メンテ係(用務員的な人)、さらに途中で駆けつけた彼氏のアーロンと4人の男性がいますが、ホラー映画において男は役に立たないものなので即退場でした。

(特にメンテ係のスコット。何しに出てきたんだアイツ)
(ていうか犬を殺すのやめてほしい)

彼ぴっぴのアーロンも即殺されるのですが、そこからジャスティン覚醒、反撃開始。
カルト集団の4人のうちのひとり(男)を「Fu×k you-----!!」と叫んで車で殺ります。

そこからは痛快無比。

二人目(男)を、プールサイドで切りかかって突き落とし、金属バッドで首を絞めて殺す。まさかの水中戦。

三人目(男)は、ボイスレコーダーで気を引き、釘バッド(しかも先端部が突き出るタイプ)で後ろから殴って殺す。

最後の女は、融雪剤と冷却剤を混ぜた粉に水をぶっかけて焼き殺す。

特に三人目は最高でした。ゴキゲンで口笛なぞ吹いちゃってるクソ野郎です。
もう本当に「自分こそが狩る側」だと信じて疑ってない、わざとナイフで音を立てて、「獲物」に恐怖を与えてやるぜとほくそ笑むやつです。個人的には嫌いなタイプです。
そんなやつがまんまと騙されて一発退場。爽快感しかない。

( ゜ω゜)<どうして自分は常に『狩る側』であると思えるんだ……?

(※こんな台詞は無い)


【②平和な最初1時間にこそ伏線が】
ジャスティンの覚醒が、映画ならではのご都合主義になってないところがよかったです。
ポイントは最初の1時間。
ジャスティンがどんな子なのか、ポップ&キュートに描写されてました。


理系の講義に真面目に出席する。
毎日のジョギングと水泳を欠かさない。
ひとり遊びの一環として、バッドでボールを打つ姿も。


これら全部が、ラストの反撃に活かされています。


理系の勉強をしているから最後の火を放つこともできたし、身体を鍛えているからめっちゃ速く逃げられるし、水中でも息が長いから男を仕留められた。
『それまで泣いていたヒロインなのに覚醒したら強かった』という展開に納得を持たせていました。
(これ自体はアツい展開なんですが、下手すれば冷める&笑うのです。『貞子3D』とか。いやアレは振り切ってるから最高なんですけど)


【③魅力はヒロインの変化】
いちばん印象的なのは、プールでの決戦に行く前に、金属バッドを肩に持つジャスティンの意志ある瞳。
どう見ても歴戦の女戦士でした。

シャワー室で仕留めた男の仮面をとり、それがごく普通の人間であると分かり、殺人者になった事実を思い知り、嘆く。

そして最後、ジャスティンの名前を捨て、カルト集団を狩る『クリスティ』という存在になった――

という『成長』とも捉えられる、変化の過程。彼女の色んな面。
実に楽しめました。演じる女優さん込みで好きになれる構成です。

それでふと思いました。

これは上質なアイドル映画なのでは? と。

ごく普通の女子大生として、友人や彼氏と日々を楽しんでる(個人的にはマッチョな警備員さんとのやりとりにほっこり)姿を描かれ、
謎のカルト集団に命を狙われ、怯え、叫び、泣き、大切な人を奪われて絶望する姿を描かれ、
そこから殻を破って覚醒、敵を仕留めに行く力強い姿を描かれる――

これ、推しでやられたら最高だと思うんですが。

( ・ω・)<完膚なきオタクの意見。

 

女の子アイドル・女優さんを推してる人がこの記事を読んでるかどうか分かりませんが、ちょっと想像いただきたい。
推しの可愛いあの子のあらゆる姿を、成長を、羽化と変化を目にすることができるのを。

私なら「ありがとう」と制作側に五体投地します。

というわけでいかがでしょうか、邦画界のえらいひと。
なんか壁ドンとかそういうのいいんで、ここはいっちょ、可愛いアイドル女子の力強い姿をオタクに見せてはくれませんでしょうか。

 

( ・⌓・)<何だこの〆。