アマプラで観たホラー映画シリーズです。
2017年制作、アメリカのサスペンスでヒューマンドラマでコメディなホラー映画です(ほんとにこんな感じでした!)
※犯人についてネタバレがあります。
※作品の性質上、『ビッチ』という言葉が異様に出てきますが、侮辱などの意図はありません。
(というか個人的に『ビッチ』って吸血鬼とかユニコーンと同じ『幻想の生き物』扱いしてます。人間を分かりやすくカテゴライズするための属性というか概念というか)
【あらすじ】
イケイケ(死語)女子大生のツリー。
大学教員兼医者と不倫をし、他の男とも寝て、女友達には態度が悪い。
そんな彼女は誕生日の夜、ベビーマスクを被った人物に殺される。
だが目覚めると、誕生日の朝だった。
「殺される『今日』をくりかえしている」と気づいたツリーは、『明日』を求めて、殺人鬼を見つけ出そうとする。
【ひとこと感想】
ビッチヒロインを必ず好きになる爽快なホラー映画。
【3つの見所】
①コメディ部分:どうしても言いたくなる「○○、うしろーー!!」
②サスペンス部分:神出鬼没な犯人との攻防。
③ヒューマンドラマ部分:ツリーの成長。
【①コメディ部分:どうしても言いたくなる「○○、うしろーー!!」】
前半は基本的に笑えます。
中でもツリーが2回目に死ぬところが特に。
サプライズパーティーでパリピとしけ込むのですが、その際、パリピはベビーマスク(大学のマスコットキャラ)を被ってました。
殺人鬼をワンナイトラヴ(※死語?)の相手と信じてチュッチュするツリー。
大音量のディスコミュージックの中、友達と「クソ女がァ」的なメッセのやりとりをするツリーの背後で、ビートに合わせてリズミカルに刺殺されるパリピ氏。
極めつけは、ベッドに押し倒されて殺されそうになっているところを第三者に発見されたのに、「おっと邪魔しちまったな☆」と去られ、「このマヌケーーーー!!」と叫んで死ぬっていう。
( ・ω・)<ツッコミ所だらけでたーのしーい!
笑えます。
【②サスペンス部分:神出鬼没な犯人との攻防】
ベビーマスクの動きはトリッキー系です。何せ最初の殺人で上から降ってきます。
そしてツリーも負けずにっょぃ。『スクリーム』のヒロインは終盤でやっと覚醒しましたが、彼女は2回目のループでビンタします。
3回目からは犯人を突き止めるために行動開始。
自分を恨んでそうな人物(ビッチなのでめっちゃ多い)を調べ、消去法をとりますが、「コイツ違うじゃん」と思って振り向いた瞬間に、……。
大きな物音を立てずに、驚かせてくるその姿勢。
新たなる殺人鬼・ベビーマスク。気に入ったぜ。
【③ヒューマンドラマ部分:ツリーの成長】
殺されまいと孤軍奮闘するツリーですが、そのたびに何度も殺されます。
途中で彼女はぶっ壊れました。何故かすっぽんぽんで校内を練り歩いたりします。
それでもループをくりかえして、ひょんなことで知り合った男子・カーターの力を借りて、試行錯誤の末、とうとうベビーマスクの正体に気づき、逆に追い詰めるのですが、
「このままベビーマスクを殺せば、さっき死んだカーターが永遠に戻らない」
ということに気づくのです。
そこからの判断は本当に早かった。ためらいなくツリーは、
「See you soon ass hole!」
とベビーマスクに宣言して、自ら飛び降り、死を選びます。
ここ本当に好きな場面です!(※大声)
さらにここからの一連の流れ、ベビーマスクに最後の反撃をするまでが本当に最高。
やっぱり『殺される』と『自殺』は違うものなのか、「一矢報いた」と手応えを感じたツリー。
ピンヒールを脱いで大学内を練り歩き、みんなに笑顔を振りまく姿が最高に可愛かったです。
(ツリーはずっとピンヒールで、少し歩きにくそうでした。3回目では恐怖で足が震え、うまく歩けていなかった。あれはもしかしたらツリーの『虚勢』のメタファーだったのかもしれない)
『タイムリープ+死』の組み合わせを、成長につなげた脚本に乾杯&完敗です。
再確認事項→やっぱり物語って、主人公の成長ありきなんだな!
【まとめ:時代の流れ。~ビッチヒロインが正ヒロインに~】
古来よりホラー映画において、『ビッチキャラ』の扱いは散々なものでした。
例を出さずとも分かりましょう。
「彼女は殺される。何故なら『ビッチ』だからだ」
(※何故か英語の例文風)
これが暗黙の了解でした。
ですがこの作品はどうでしょう。まるで、
「ビッチだからって殺されていいわけあるか!」
と真っ向から反論しているかのようです。
それを私は全面的に支持します。
(`・ω・)<当たり前だコノヤロウ!!
(※この辺の怒りは『キャビン』にも通じますね)
(※理解しやすいように人間をカテゴライズする、一方的にレッテルを貼るというハタ迷惑行為。嫌いです)
【余談:この物語のもっとも怖い部分】
ツリーはどうして殺される羽目になったのか。
理由は簡単。
彼女がビッチだったからです。
(前述した『物語的な意味』ではなく)
男にだらしないから、男に選ばれる奔放な女だから、彼女は恨まれ殺された。
けれどツリーは成長して、反省した。そして心を入れ替えて、謝罪した。
けれど真犯人は、
それでもツリーを許さなかった。
この点がもっとも怖かったです。
反省してきちんと謝罪しても、
過去のあやまちは無かったことにならない。
無かったことになんてさせない。
……ツリーと犯人、対立する両方の立場を理解できたので、しんどいなーと思いました。
しかしオチはゴリゴリの直接対決でした。
やはり最後に物を言うのはコブシだなと思います。
最後まで立っていた者が勝ちで、
勝者だけが『明日』を得られるのです。
よい教訓を得ました。
では最後は、なるべく忘れないでおきたい、この映画のテーマで〆ます。
“Today is the first day is your rest of your life.”
(今日はアナタの残りの人生の、最初の日)
あとEDがめっちゃポップでブラックキュートなので必見です!