CATVで観た映画です。
1980年制作、アメリカのスラッシャーホラーです。
【あらすじ】
6月13日金曜日――クリスタルレイクのキャンプ場。
そこは20年以上前に恐ろしい事件が多発し、地元民から『血のキャンプ』と呼ばれていた。
経営を再開するにあたって、協力員として雇われたアリスたち。
だが嵐が起こり、若者たちは次々と姿を消していく。
【ひとこと感想】
〝殺される〟という青春、『旅系スラッシャー映画』の金字塔。
※全力ネタバレです。
【3つのポイント】
①本日6月13日は記念日
②再鑑賞で気づいたこと:青春を感じた
③再鑑賞で気づいたこと:伏線
【①本日6月13日は記念日】
実は一度、このブログで『13日の金曜日』は取り上げておりまして。
ところがどっこい。
すごく雑に短く(当社比)まとめています。
愚かだと笑ってください。なんでこんなもったいないことをしたんだこのスットコドッコイ(※過去の自分)!
なーにが『全部プロット一緒やん』だ! 知った口をきくな青二才(※9年前の自分)が!
と、まあ猛省して、しかし記録は記録なので消しはしないのですが、いっちょ1から順に再鑑賞して記事を書こうかと。
それを13日の金曜日のたびにしようかなぁと思います。
『🌸3月のデビュー日にホラー映画に感謝を捧げる🏫』、『🦈8月はサメ映画のみ🦈』に続く新たな奇祭です。よろしくお願いします。(?)
そんなリスタートを切った本日――
2025年6月13日、実は記念日です。
まずは、
🎂ジェイソン・ボーヒーズさん
お誕生日おめでとうございます🎂
これからも無言を貫き衆愚に死を与える、『死という概念』そのものでいてください。
そして!
㊗️クリスタルレイクキャンプ場 90周年🏕️
なんと1935年創業だそうです。よく更地にされないな!
ちなみに作中も6月13日です。
こらぁ運命ですわと再鑑賞しました。
【②再鑑賞で気づいたこと:青春を感じた】
始まりは1958年。
キャンプ場の協力員である若者たちが、暖炉を囲んでマシュマロを焼きながら、ギターで歌を合唱します。
その中の男女一組。目が合ったらシケコミの合図。
そこへ現れる『誰か』(※1)。そして響き渡る悲鳴と鮮血。
時は流れて、現代へ。
協力員の一人、アニーは地元の店で『クリスタルレイクのキャンプ場に行きたい』と言う。
一気に店内に緊張した空気が流れる。親切なおじさんや、神の使いだと名乗るアレな老人が『噂』を教える。
一方、キャンプ場では、経営者となるスティーブが、アリスという『真面目な若い女』と作業中。
そこに次々と、程よく善良で程よく軽薄な『若者たち』が来る――
と、ここまでは記憶どおりでしたが。
再鑑賞すると、印象がちょっと変わりました。
休憩中に湖で遊んだり、部屋に蛇を発見して大騒ぎしたり。
わちゃわちゃする彼ら彼女らを見ると、
( ・ω・)<なんだか青春だなぁ……
と、目を細めてしまいます。
特に注目したのはネッド。
彼は 『キャビン』 で言うところの『愚か者』枠です。
下ネタ大好きな道化役。みんなを笑わせ、笑われる存在。
今回吹替版で観たので、CVが古川登志夫さんということもあり、『タチの悪い諸星あたる』って感じでした。
一昔前の自分なら「はっはっは、死ぬ時が楽しみだ」となったものですが。
今は「ネッド、おまえ……ふとした瞬間消えたくならないか……?」 と心配に。
ネッドはふと一人になり、それまでとはまったく違う横顔――おそらくは彼の仲間も見たことがないだろう――を見せて、
森の中、何が気づき、そして……
夜。カップルであるジャックとマーシーが愛し合うその二段ベッドの上で、
ネッドの死体が、物のように放置されていました。
( ・⌓・)<ネッド……
虚無の死に顔と、生の喜びの恍惚顔。コントラストがやばかったです。
謎にネッドに感情移入してしまいました。彼の人生って一体。
しかしこの『やるせなさ』にこそ、青春ってやつを感じました。
浅くて軽く薄っぺらいだけの人間なんていないんや……というのも含めて。
【③再鑑賞で気づいたこと:伏線】
以前鑑賞したときは、
真犯人のジェイソンママことパメラって、突然生えてきたよな。
と、思ったものですが、見返してみるとかなり伏線がありました。
まずは冒頭(※1)。屋根裏カップルがイチャつきを見つかって、「何もしてませんよ」と気まずげになるシーン。
仮に現れたのがジェイソン=見知らぬ大男なら、普通ならもっと騒ぐ。
見知った人物=当時キャンプ場で働いていたパメラだったからこの反応になったんだな、と今さら気づきました。
ちなみにアニーがヒッチハイクしたのもヒントだった。運転手が中年女性だったから警戒心を抱かず、無邪気に車に乗った。
(車から自ら飛び出すアニー、ガッツありすぎて好き)
同じくスティーブがキャンプ場に着いた時も。
そう、パメラはずっと存在していたのです。
カメラのフレームの外に。
パメラ:「あたしボリーヌっていうの。スティーブはよく知ってるわ」
アリス一人になってからようやく現れ、一瞬でアリスに信用させた。その無害感。
けれど徐々に言動がおかしくなっていく。
パメラ:「ジェイソンって言ったわ」
その瞬間、観客はピンと来る。「こいつか」と。
意外性も手伝って、見事な『ネタバラシ』だと思いました。
【まとめ:「まだそこにいるんだわ」】
パメラ:「〝殺して、ママ、殺して〟」
「わかってるよ。ジェイソン。生かしておくもんか」
そんな一人芝居(相撲?)で始まった、原初の『殺人鬼vsファイナルガール』。
普通にビンタ。フライパンで応戦。生身だからこその生々しさ。
湖の前で「助かった」とホッとして座るアリス。(いやそこで気を抜くな! 先に逃げろ!)
勝敗を決した後、命からがらボートで逃げます。
そこで彼女は、朝もやの森の中、湖の上で夢を見ます。
恐ろしい悪夢です。
目覚めた彼女は、ある事実を耳にして確信する。
部屋に蛇が出て殺した時に、誰かが言った言葉がうまく共鳴していました。
「首を切られて生きてたら、化け物だよ」
クリスタルレイクには、
首を切られてもなお殺しにくる怪物が存在しているのです。
45年経った、今でも。
【余談:好きな死亡シーン】
①ベッドで寝ているジャック。
手と矢! 手と矢!
(ちなみに女性の手なのでこれも伏線!)
②トイレにいるマーシー。
背後に映る、斧を構える影の演出が良きかな。
③ドアに磔にされるビル。
よーーく見たら画面端にビルの服が映ってて変な笑い声が出ましたね!
ところでEDがリラクゼーション音楽でした。落差がサウナ。
次回は6月23日月曜日、
2025年制作、日本の都市伝説ホラー、
『きさらぎ駅 Re:』の話をします。
( ・ω・)<絶っっ対一週目に絶対に観に行く……!
鳥谷綾斗
