人生はB級ホラーだ。

良い作家さんになりたい鳥谷綾斗のホラー映画中心で元気な感想ブログ。(引っ越しました)

映画/デモンズ

アマプラで観たホラー映画です。
1985年制作、イタリアのパニックゾンビ(デモン)ホラーです。

 

 

デモンズ(字幕版)

デモンズ(字幕版)

  • ウルバノ・バルベリーニ
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【あらすじ】
女子学生シェリルは、謎めいた仮面の男から招待券を渡される。
友人のキャシーとメトロポール劇場に行くシェリル。
ジョージという青年と出会い、悪魔の復活をテーマにしたホラー映画を鑑賞する。
しかし、映画と同じことが現実でも起こり始める。

 

【ひとこと感想】
ロックな魂がシビれる、大満足グロ造形パニホラ!

 

※全力ネタバレです。

 

 

【3つのポイント】
①「そろそろモツが見たい」
②個性豊かな観客たちと死に様
③クライマックスはロックと共に

 

【①「そろそろモツが見たい」】
3月の記念企画記事を書いた直後のこと。
自分は思いました。

( ・⌓・)<当分グロとか要らん……

要はサメ映画過剰摂取で胃もたれを起こしていました。

そんなわけでサスペンス寄りの映画ばかり観ていたんですが、人間というのはしばらく経てば回復するもの。

( ・ω・)<そろそろモツが観たいな!

でも何でもいいわけではない。自分は好みがうるさいトリ。
侘び寂びを感じられるのを求めてアマプラを彷徨い、見つけたのが本作。

あの『サスペリア』の監督が総指揮を取った――期待できるでこれはと思ったら――

気っ色悪くて毎度おなじみ変な笑いが出ました!

特に最初の犠牲者、ローズマリーがベリグッドです👍
館内に飾ってあった銀色の仮面(明るすぎてアルミホイルみたいでした)で傷を負い、そこからデモン化。

映画と現実の悲鳴が重なる中、
スクリーンから出てくるローズマリー

頬から流れる、脂肪のような白い粘性の液体。
口から吐き出される蛍光グリーンの体液。
指先から鋭く伸びる、肉を引き裂くための爪。
でろりと出てくる長ーーーーい舌。

前歯が取れて、生えてくる牙。
ここが本当にじっくりと描写されていました。

観客たちが逃げもせずにその様に釘付けになった気持ちが分かる。
あれは見てしまう。グロいのに。明らかに危険なのに目が離せない。

この、魚の苦いワタを口にしているような紙一重の不快感。

これを求めていました。
(でもやっぱり気持ち悪いですね!)

ちなみにデモンと言っていますが、ノリは完全にゾンビです。

 

【②個性豊かな観客たちと死に様】
主人公のシェリルたち以外にも色んな人がいました。

上映中にチュッチュするカップルがなんと二組。しかも片方は、盲目の夫に付き添っていた人妻。
その盲目のウェルナーさんが「妻がいない」と気づいた瞬間の心象風景が印象的。
一瞬で無人になる。妻以外の人間はたくさんいても、信用できる他人は限られていると、ウェルナーさんの『恐怖』を味わいました。

人妻は不倫相手と口を合わせた状態でまとめてデモンに絞殺されました。
地獄のキッスです。なんて凝った殺し方か👍

デモンと一緒に閉じ込められたり、
宙吊り状態でデモンに食われたり、
通気口から脱出しようとしたのに気づいたらデモンが真横にいたりと大混乱。

さらに外からクスリ遊び中のギャング男女4人組がやってきました。
どう考えても不要なセクシーシーン(車内に散らばったクスリを集めるために、何故か女子の胸にカミソリを這わせてうっかり切る)の後、劇場に逃げ込みます。ここ伏線です。

2階席に避難していた館内の客たちは「助けが来た!」と思い込み(一種の集団ヒステリー?)、せっかく作ったバリケードを壊したら、

👿🧟\下からこんにちはーーーー!!/🧟‍♀️😈

舞台にある奈落から出てきたような勢いで、デモンたちがにょっきり生えてきました。

そして友人キャシーも感染。
やがて苦しみ喘ぐ彼女の背中が割れ、出てきたのは『悪魔』。

墓地を聖堂にし、墓石で街を作る『悪の手先』が人間から生まれる。
地獄のような光景でした。

 

【③クライマックスはロックと共に】
生き残りはシェリルとジョージのみになりました。

しかしここからが本番。
なんとジョージ、
館内に飾ってあったバイクに跨り、剣でデモンたちと応戦……って、

( ・ω・)<何だこれ楽しそう!

そこからツッコミの嵐。
なんでディスプレイ用のバイクにガソリンが入ってるんだよとか、
形状からしてたぶん剣は日本刀なんだろうけどここたぶんイタリアやぞ、っていうか刀身に目盛みたいなの入ってないかねとか、
あんまりデモンたちにダメージ与えてなさげとか、

どーでもよかったですね細かいことは!

なんせBGMが、

 

BGM:負け犬は死ぬ! サメみたいに現れる!

 

というゴリゴリのロックだったからです。
そんな鬼強い曲を背負ってバイクでゾンビ(ではない)を撫で切りにされたら、こっちはもうハンズアップしてノるっきゃないですよ🖐️

かと思いきや、2人は転倒。しかし次の瞬間、劇場の天井が落ちてきて、なんとヘリコプターが落ちてきました。

( ・⌓・)<親方ぁ! 空からヘリコプターが!

パイロット死んでるけど綺麗に着陸。(なんで?)
プロペラでデモンたちを破壊しつつ、ウインチを利用して脱出。ここのジョージ、めっちゃ賢かった。

そしてすっかり存在を忘れていた、元凶である銀仮面の男と対決。
(足元から突き出た鉄材(?)に顔面を押しつけて殺しました。力比べでじっくり描写するのグロい)

脱出はしましたが、時すでに遅し。
ふたりを待っていたのは、デモンたちが殺戮の限りを尽くす街でした。

 

【まとめ:過去との再会】

 

BGM:もう一度言う。皆立ち上がるんだ!

 

そんな鼓舞系ロックがかかる中、逃げまどうシェリルとジョージ。
しかし何の前触れもなく現れた、武装済みの家族(パパと娘と幼い息子)の車に拾われます。

田舎に向かう車。
しかし、シェリルは首筋を掻きむしり――デモンと化してしまいました。

と、ここで、「あれ?」と思いました。

このオチ、知っている。
遠い記憶の彼方にうっすらある。
初見だと思っていましたが、どうやら違ったようです。
たぶん幼い頃、家族と観ていたのでしょう……結構な偶然に、突然の『再会』にちょっと嬉しくなりました。

思いがけないところで出くわす過去は、感慨深いものです。

……と、ほっこり☺️したのも束の間、シェリルは一瞬で少年にパン片手に撃ち殺され、車から捨てられました。

道路に横たわる死に様がシュールかつ切ない。
一応ヒロインなのにこの仕打ち。
これもまた悪魔的所業ですなぁ。

 

【余談:色んな国のホラーが観たくなった】
懺悔します。
油断すると、アメリカか日本のホラーばっかり観てしまいます。

偏食はいかんと反省し、ちょっとしばらくは色んな国のホラーを観たいと思います。

ちょっとした世界一周気分でお付き合いくださると嬉しいです。

 

ホラーで広げよう、世界と知見。
(※キャッチコピー)

 

 

次回は6月3日月曜日、6月10日月曜日、
2022年制作、インドネシアの閉じ込められオカルトホラー、
『呪餐 悪魔の奴隷』の話をします。

 

( ;ω;)<雑務が終わりません……

 

鳥谷綾斗