【😷前置き😷】
人生初のコロナにかかりましたが、復活しました。
ツイッター(現X)ではあったかいお言葉ありがとうございました。
二度とかかりたくないです!(元気よく)
🍕
CATVで観たホラー映画です。
2012年制作、インドのホラースリラーです。
【あらすじ】
施設出身のマイケルは、ホラー小説家を目指す大学生のアヌと同棲中。
アヌの妊娠が判明し、マイケルはピザの配達員の仕事に精を出す。
だが、ある屋敷にデリバリーに行くと、奇妙なことが次々と起こる。
そこは『アンナナガルの屋敷』という曰くつきの家だった。
【ひとこと感想】
序破急でジャンルが変わる、メロドラマティックインドホラー。
※全力ネタバレです。
【3つのポイント】
①序・若い夫婦のメロドラマ
②破・屋敷からの脱出ホラー
③急・死霊館がもたらしたもの
【①序・若い夫婦のメロドラマ】
インドのホラーと聞いて、おそらくはもっとも気になる部分を先にお答えしましょう。
踊りませんでした。💃🕺
ちょっと残念です。
その代わり、冒頭に5分くらいの心霊スポット凸動画のあと、40分くらいはマイケルとアヌのすったもんだイチャつきでした。
( ・ω・)<長い……
アヌ:「〝瞬間〟はすぐそこよ」
オカルト・心霊に興味ないマイケルにそう言い放つアヌ。
彼女はホラー作家志望です。親近感☺️
マイケルは、彼女の野望をからかいつつもピザ配達員としてがんばりつつ、妊娠したアヌに「2年後に結婚しよう」とか抜かしたりします。
無視されたから水をぶっかけて殴り合ったかと思えばキスし始めて、プロポーズして2人だけの結婚式❤️をする、情緒どうなってんのカップルでした。
しかし、ピザ屋のオーナー・ラクシュミの家に届け物をした頃から、様相が変わり始めます。
ラクシュミには娘が一人いて、彼女は本の紙面にガリガリと何かを記し、何故かマイケルを睥睨します。
娘さん:「ニティヤ……」
そう人名をつぶやく彼女。
後日マイケルは、ある屋敷にピザの配達へ。
【②破・屋敷からの脱出ホラー】
そこから時間がびょーんと飛びました。
ラクシュミが見たのは、配達から戻ってきたマイケル
彼はひどい怪我を負い、同僚と殴り合いをしたそう。
マイケルは怯えながら経緯を説明し、回想が始まります。
ここから脱出ホラーパートです。
いやー……怖かった。
最初は普通でした。
呼び鈴を鳴らしたらバスローブ姿の奥さんが出てきて、お金が足りないからと2階へ向かう。
すると停電が起き、いつまで経っても客は戻ってこない。
客の名前を呼びながら2階に行くと、
1ピースだけ欠けたピザと、
磔にされ、脇腹を刺された女。
電話で助けを求めるマイケル。けれど通話料金が足りず、メールでアヌに助けを求める。
アヌは、警察に電話したはずなのに屋敷の固定電話につながったと訴える。
その家の旦那が帰ってきて、ドアの鍵を探すも、彼も磔の死体となった。
画面の端で動く人形。画面が切り替わると現れる謎の少女。
最も恐ろしかったのは、電話でアヌに事情を話すシーン。
マイケルの背後に、恨めしげに立っている夫婦の姿 がありました。
普通に怖い。壁に書かれた『ニティヤ』という人名も、パチモンのミッキーのイラストすら怖い😨
ですが、途中でお化けが 「ワーーーー!!」 言いながら スイーーーー と迫ってきて、そこは逆に怖くなかったです。
そんなびっくり系フラッシュ動画みたいなイベントの後、警察官が現れました。
すると屋敷内の内装が様変わり。
立入禁止のテープが貼られた、『事件現場』となりました。
ここは『アンナナガルの屋敷』という、
4人が殺害された事件と失踪事件が起こった現場だった。
混乱するマイケルに、さらなる衝撃事実が。
その4人目の犠牲者が、アヌだというのです。
【③急・死霊館がもたらしたもの】
アヌが1週間前に死んでいた。
そして、警察官も家の奥に引き摺り込まれた。
命からがら逃げてきたマイケルは、そうラクシュミたちに訴えます。
その日から彼は壊れていきます。
幻覚を見たり、幻肢痛に悩まされたり、ラクシュミや同僚が心配します。
アヌは本当にいたのか。マイケルが見ていた幻ではないのか。
そんな砂の城が崩れるような展開の後――
マイケルは電話をします。
どっかのホテルのプールサイドで優雅にパソコンのキーを叩くアヌに、です。
はい、もう分かりましたね。
すべては虚言。アヌ脚本のお芝居でした。
事件当日。
実はマイケルたちは、ラクシュミの隠し財産である宝石をたまたま見つけてしまったのです。
マイケル:「オーナーは善人だ」
アヌ:「あたしたちもよ」
施設出身ゆえに将来に希望を持ちづらい若夫婦は、持ち逃げ計画を立てます。
(ここで、「あ、だから時系列順じゃなくて、マイケル視点の回想の形で屋敷のターンを描いたのか」と納得しました)
転んだだけの怪我を幽霊にやられたと言い張り、
宝石が入った仕事用バッグを幽霊屋敷に置いてきたと言い、あとで回収してトンズラする。
アヌ:「この世で最も危険な幽霊って、人間なのよ」
そう語るアヌの計画、否、『小説』どおりに事は運ぶはずでした――が。
【まとめ:溺れてしまった策士】
幸せを追い求める姿勢には共感するけども、
あまりにもラクシュミオーナーと同僚が可哀想だなぁと思っていたら、
最後にどんでん返しが来ました。
ラスト、マイケルがピザを配達した家には、
客の母親:「ニティヤ。ピザが来たよ」
『あの人名』を持つ少女がいて、勝手にドアが閉まりました。
マイケルがついた嘘の物語と同じように。彼は恐怖し、幕が閉じられます。
……溺れちゃったなぁ、というのが直後の感想でした。
『策士策に溺れる』、の『溺れる』です。
元々マイケルは、オカルトや心霊話に縁遠い人物でした。
けれど彼は、宝石を得るために、自分から『そういうもの』に近づいてしまった。
だから彼は最後、『そういうもの』に目をつけられてしまった。
幽霊とは、怪異とは、人ならざるものとは――
生者が好きに扱えるものではない。
そんな教訓めいたものを受け取りました。
【おまけ:瑣末な感想】
①タバコを吸うシーンのたびに注意書き出るの面白い。
②タイトルが謎すぎん?
(アヌの作中作のタイトルと同じでしたが。でもカウントダウンアイテムとしての使い方は面白かった)
【🥳最後にお知らせ🥳】
来たる2024年7月21日
不肖わたくし鳥谷綾斗、
(改めて書きますが『とやあやと』と読みます)
去年に引き続き、
奈良のわかつきひかる先生の小説教室にて、
『ホラー小説の書き方講座』のゲスト講師を務めます!!!
( ゚д゚)<マジか!!!
第2弾です。もうネタないよと思いつつ、必死で内容を考えています。
詳細はこちらに。
またブログでお知らせします!
夏だしホラー書こうぜ!!!
次回は7月1日月曜日、
2021年制作、韓国のアクションホラーエンタメ、
『呪呪呪 死者をあやつるもの』の話をします。
鳥谷綾斗