人生はB級ホラーだ。

良い作家さんになりたい鳥谷綾斗のホラー映画中心で元気な感想ブログ。(引っ越しました)

映画/SNS ー少女たちの10日間ー

アマプラで観たホラー(ある意味)映画です。
2020年制作、チェコのドキュメンタリーです。

 

 

SNS-少女たちの10日間-(字幕版)

 

 


www.youtube.com

 

  

【あらすじ】
「オーディション当日は子ども服を着てください」
とあるドキュメンタリー映画で、幼い顔立ちの成人女優が3人集められた。
彼女たちが『12歳の女の子』という設定でSNSに登録すると、何百人何千人もの成人男性が殺到し、剥き出しの欲望が襲いかかる。

 

【ひとこと感想】
吐き気を催す検証と記録。

 

※全力ネタバレです。

※大注意
作品の性質上、非常に精神が汚染されます。
精神が安定している時での鑑賞をお勧めします。
元気なときに観て、正しく憎んでください。

 

【3つのポイント】
①恐怖を楽しまない
②「彼らは小児性愛者ではない」
③徹頭徹尾、吐き気

 

【①恐怖を楽しまない】
古今東西いろんなホラーを摂取する恵まれた日々を送るトリですが、ふと立ち止まりました。

いつの間にか『恐怖=楽しむもの』と認識していないか?

確かにホラーは 「『恐怖』を楽しむもの」 です。
けれど 『恐怖』自体は楽しむものではない はずです。

脳のバグを予防するため、たまには正しく恐怖しよう、怖がろうと思い、本作を鑑賞しました。

結果、効果覿面すぎてメンタルが召されました。

注意書きにも書きましたが、本当に鑑賞する際は、ご自身の心身の状態と相談してください。

何故なら、
未成年の少女に性的接触・性的加害したい下衆がわんさか出てくるからです。

以下、内容の引用です。

 

検証が行われた10日間、2,458名の成人男性がコンタクトをとってきた。
撮影されているとは気づかず、彼らは未成年に対して卑劣な誘いを仕掛け、行動はエスカレートしていく。

 

モノもモザイクつきですが出ます。
それどころか本人による『利き手が恋人』(どうにかオブラートに包もうとしましたがこれはこれでキモい表現)の動画も出てきます。

そこらのポルノの比じゃないレベルで頻出し、
性欲の悍ましいところが容赦なく描かれています。

何より気色悪いのは、『目』。
成人たちの顔はすべてモザイクをかけられていますが、『目』だけは残されていました。

これだけでもダメージがあるので、やはり充分な注意をば。

 

【②「彼らは小児性愛者ではない」】
まだ年齢と写真を登録しただけで、オッサン……ではなく成人男性から16件のメールが来るセカイです。地獄ですね。現実です。

成人男性はオンライン通話を開始して1分以内で性行為の話をします。地獄どころじゃないですね。

この世にペドフィリアはどんだけいるんだと思いきや、

 

心理学者:「彼らは小児性愛者の特徴に当てはまらない」

 

意外でした。
いわく、小児性愛者は「子どもとの交流に魅力を感じる」のだそう。

つまり、自分が子どもになって子どもと関わりたい。
しかしこいつらは、大人として、子どもと、『大人の関係』になりたいと望んでいる。

なんだこれ 化け物か

宇宙人の方がまだ理解ができる。
こいつらの思考を紐解くためのヒントは、作品の考察や感想を見て回ると発見しました。最後の『まとめ』に書いておきます


【③徹頭徹尾の吐き気の記録】
以下、化け物たちのクソッタレな戯言と、それに対する私の意見です。
もはや単なる暴言です。暴言も吐きたくなる。


女優:「私は12歳だけど、大丈夫?」

「別に問題ないよ」「君が良ければ」「君が決めて」
「僕は45歳だ。年上すぎる?」
「孫がいる。20歳と22歳」


女優:「すごく若い子と付き合うってどんな感じ?」

「別に普通さ。今の13歳の子って成熟してるし」


女優:「ヌードの写真なんて送りたくない」

「お願いだよ。下半身が苦しいんだ」「助けると思って」
「人を苦しめて楽しんでるんだ。君は人を苦しめるのが好きなんだ」


女優:「どうして写真をネットに流したの!」(※番組が用意したアイコラ

「おまえが会うのを拒否したからだ」
「おまえが選んだ結果だ。じゃあな」

いや きもい。
頼む この世から去ってくれ。(※オブラート)
こいつらに人権があるとか世界のバグだろ。


ラストは実際に対面します。
カフェのセットを作り、常にスタッフが監視、撮影しています。

女優:「(ホテルに行く気満々の相手に念押しする)私は12歳よ」

「君が望むならね」
「こうしよう。どうしたいか君が決める」
「ホテルに行って、僕のを触ったりいじったりしていい」
「僕の体にオイルを広げて、どこでもいい、君が好きなように触って」

ちなみに『会う下衆』には男女カップルもいました。複数プレイ目的です。地獄に落ちてほしいですね。

カップルの女:「別にいいわ」

キモいよ。

なんでおまえらが許す立場なんだよ。
その上から目線どういうことだよ。息絶えてくれよ。

そんな中、たった一人、性的目的ではないコンタクトをとってくる成人男性がいました。
唯一モザイクが取れた彼は、唯一の良心でした。

 

良心:「裸はよく知らない人に見せるものじゃない。
    彼女もいるし、ポルノもある。
    知らない女の子の力を借りる必要はない」

 

調査の結果、本当にそういった目的ではないことが判明。
時間をかけたグルーミングでは? という疑いはありますが、おそらく制作側の『配慮』でしょう。
真っ当な人間――正常で普通な成人男性も、ちゃんとネットにはいるのです。

 

【まとめ:『処罰感情』の恐ろしさ】
ラストは、キャンプ広場のスタッフ――自身にも子どもがいて、子どもと関わる職業なのに、子どもに性的加害欲を向ける下衆への突撃です。

スタッフは「何故、下半身を露出した写真を12歳の少女に送りつけたのか?」と誰もが思う疑問をぶつけます。

 

下衆:「それが法律違反だと?」(※法律違反だよバカ)
   「他に対処すべき問題がある。それを映画に取り上げたらどうだ」
   「育て方が悪いんだ。育ちが良ければこんな目に遭わない」
   「別に俺の子じゃないからな。そっちの家庭問題で俺は悪くない」

 

この愚にもつかない言い訳と責任転嫁だらけの訴えは、クソですが興味深い。
考察感想を読んだ上での推察ですが。

連中の根底にはあるのは、
『あわよくば性的搾取したい』だけでなく、『処罰感情』

要は、

「子どものくせに性的なことに興味がある(※思い込み)なんてけしからん。
 そんな悪い子だからひどい目に遭うんだ。ざまあみろ」

――という欲望です。

だから連中は、まるで少女たちが自ら望んだかのように言う。
成人である自分よりも性行為に積極的だと、幼い少女たちに対して本気で思っている。

「自分はそれに付き合っているだけ。やれやれ。大人も大変だ」と興奮し涎を垂らし濁りきった目でのたまうのです。

作中にあった『動物と交わる動画』に、「動物虐待じゃない。動物も喜んでいる」とほざくのもその証です。頼むこの世から去ってくれ。


(余談ですが、成人向け界隈にあるいわゆる『わからせ』ものもこの処罰感情をうまく利用してますよね)


ホラーに浸透している『若さに罰を与えたい(自分もかつては若かったくせに)』という考えにも通じる、吐き気を催す思考。

そういったものはきちんと憎むべきだと改めて教えられた。
観てよかったです。ただしメンタルは死んだ。

(回復手段はゲ謎真生版鑑賞でした)
(子どもを守る大人たちの姿があります。こうありたい)


最後に。
この作品に出演した女優さん、スタッフの方々の心身の健康をお祈り申し上げます。

 

 

次回は12月23日月曜日、
2021年制作、イギリスのクリスマスホラーコメディ、
『サイレント・ナイト』の話をします。

 

 

鳥谷綾斗