人生はB級ホラーだ。

良い作家さんになりたい鳥谷綾斗のホラー映画中心で元気な感想ブログ。(引っ越しました)

映画/バレンタイン

1日早いですが、

( ・ω・)<ハッピーバレンタイン!🍫💝🍫

そんなわけで季節を感じるイベントホラーの話を。

アマプラでレンタルしたホラー映画です。
2001年制作、アメリカのスラッシャーホラーです。

去年のバレンタインホラーはこちら。

 

word-world.hatenablog.com

 

グロいけどおもしろい。80年代のホラーはサイコでサイコー😘

 

 

 

 

【あらすじ】
バレンタインが迫る夜。ケイト、ペイジ、シェリー、リリー、ドロシーら美女5人組の元に、奇妙なメッセージカードが届く。
『J.M』と名乗る者からのそれを受け取ったシェリーは、キューピッドのマスクを被った殺人鬼に殺されてしまう。
ケイトとペイジは、13年前のバレンタインパーティーでいじめた少年・ジェレミーの仕業だと確信する。

 

【ひとこと感想】
バレンタインに観るのはオススメしない、ダメ男博覧会映画。

 

※全力ネタバレです。

 

 

【3つのポイント】
①安心感を覚えるあらすじ
②ダメ男博覧会
③ホラーらしすぎる結末

 

【①安心感を覚えるあらすじ】
ホラーにミステリ要素が入った作品が大好物です。(突然の告白)

しかしいくら大好物でもずっと摂取し続けていれば ( ´_ゝ`) となるもの。
ゆえにこの作品を求めました。

過去にいじめられた人(小学生時代のバレンタインダンパで、女子たちに「僕と踊らない?」と次々と声をかけたけどフラれまくり、やっとOKしてもらえたドロシーとチュッチュしていたらカースト上位男子たちに見つかって公開処刑された)が殺人鬼になって復讐のために殺していく話を、です。

( >ω<)<何このあらすじ、実家のような安心感!

100回くらい観た〜〜〜王道かつシンプルかつキャッチーかつN番煎じのホラー〜〜〜

しかし鑑賞するうちに、他の王道ホラーとは異なる部分を見つけました。

まずキャラクターが多い。
復讐対象(女子限定。ジェレミーを暴行した男子は除外されてたの惜しいです。殺人鬼のくせに殺害相手を選ぶなよ)の美女だけでなく、その彼氏あるいは関係してくる男も出てくるし殺されます。

そして、その彼氏あるいは関係してくる男たちが――
揃いも揃ってダメンズ(古語)だったことです。

( ・⌓・)<わお。

 

【②ダメ男博覧会】
そもそも殺人鬼ジェレミーくんからダメ男感満載でした。

女子の写真に「愛してる」「君が好きだ」みたいな書き込みをして、ダンスのお誘いをします。
それを5人分です。

せっかくの『愛に飢えてヒロインに執着する男』の演出がヌルく感じる。
失敗したら次の女子へ。そらもう回転寿司の勢いです。

その「誰でもええんや」をあからさまにするのがアカンと思うわジェレミー

そして彼はキューピッドの頭をかぶって、殺したら鼻血を吹く殺人鬼になりました。

わざわざ殺す前に、仕掛け絵本のような、イラストの女性が首を裂かれるギミック付きポエム添えメッセージカード(明らかに手作り)や、うじ虫入りチョコを送りつける愉快なタイプです。

他にもダメ男だらけ。

シェリー/つまらないギャグを飛ばすドケチ男。
②ケイト/「酒はやめた」が口癖の酒クズ&下着を盗む隣人。
③ペイジ/下ネタ男。
④リリー/二股どころか複数P志望。
⑤ドロシー/詐欺師。

さらにドロシーは、若い後妻にいびられ、しかも実の父親は妻の味方をする。
そしてペイジは、事件を調べる刑事に「性的に高まってるんだろ? 素直になれよ」とナンパされます。

何これクズの万国博覧会???


全員ジェレミーに殺されるのは安心ポイントですが、
仮にも愛を交わすイベントがテーマなのに、何故こんな恋愛が嫌になるような展開ばっかりなんだ。

制作陣はバレンタインに何の恨みがあると言うのか。謎は深まるばかりです。

 

【③ホラーらしすぎる結末】
物語のメインの謎は、「ジェレミーは登場人物の誰に扮しているのか?」です。

ここで傑作ホラー映画映画(※誤字にあらず)、スクリームの方程式に当てはめてみましょう。

 

ヒロインの恋人には気を許すな。

 

クライマックス、ケイトはジェレミーに追いかけ回され、喧嘩中の酒クズ彼氏・アダムを疑います。

お、当てはまった?
と思いきや、襲いくるジェレミーを撃ったのはアダム。
死体から覆面を外すと、それはドロシーでした。

お、これは意外な展開。
ドロシーは、美女5人組の中で、他の4人よりも少しふくよかで、コンプレックスを持っていました。
ジェレミーの雑な誘いを唯一受けた彼女は、きっとずっとつらい思いを抱えていた。
なるほどな……現代的なホラーだった……( ˘ω˘ )

と思いきや。
助かった安堵感で愛を再確認し合うケイトとアダム。
アダムはケイトを抱きしめ、囁きます。

 

アダム:「愛してるよ、昔から」

 

鼻から一筋の血を流して。

……(꒪⌓꒪)

なんてホラーらしいラストか!

 

【まとめ:ジェレミーの恋活PRの映画だった】
結局はアダムがジェレミーだったわけで。

ふと思いました。
こんなにも種々雑多なダメ男クズ男ロクデナシをそろえたのは、
こいつらに比べたら俺の方がマシだろう、とジェレミーの思惑だったのかもしれない。

『Love me……Love me……』と言い続け、
好きになってくれるのなら誰でもよくて多少酒クズだけど、
こいつらに比べたらマシ――そう言いたいのかもしれません。

なるほど、そうか。
……うん。無いな!

(それはそう)

(ところでケイトも大概やばい)

(入浴中に断水され、トイレの水に頭を突っ込んでシャンプーを流す美女です)

(「衛生兵ーー!!」ってなりました(※誤用))

(さらにバスタオル一枚でアパートの共用廊下を歩く美女です。どういうこと?)

 

【余談:おもしろ死に様ランキング】
不謹慎なランキングだと自分でも思いますが、こういうのが許されるのがホラーだと思います。

4位:下着ドロ隣人
現行犯で、「待ってくれ、俺は病気なんだ!」と言った瞬間に熱したアイロンで殴られます。

3位:ナンパ刑事
死体が池にぷかっと浮かび上がるのですが、まさかの錦鯉と一緒で、謎の侘び寂びを感じました。

2位:リリー
弓矢に射殺されました。キューピッドだからね。

1位:ペイジ
あらすじだけ見ると彼女がヒロインっぽい。
屋内プールみたいなジャグジーに入っていると、ガラスの蓋を閉められ、水を増やされる&まさかの電動ドリルで狙われる。新しい殺され方やなとワクワク ハラドキしていたら最後は電動ドリルを投げ入れられて感電死。
(途中で飽きたん?)


そんなわけでバレンタインに観るのはオススメしません。
素直にチョコを食べます。
余談ですが無印良品のトリュフチョコめっちゃおいしかったです特に塩キャラメル😊

 

 

次回は2月20日月曜日、
2016年制作、アメリカのホラースリラー、
『ザ・ボーイ -人形少年の館-』の話をします。

 

鳥谷綾斗