アマプラで観た映画です。
1983年制作、アメリカのホラーサメアドベンチャーです。
【あらすじ】
かつてサメに支配された町・アミティのブロディ署長の息子、マイク。
施設エンジニアとして、恋人の海洋学者・キャスリンと共に大型水族館に勤務している。
開園前日、行方不明者が出て調べたところ、彼らは体長3メートルの人喰いザメを発見する。
【ひとこと感想】
人間の業がより深くなった、イルカショーサメ映画。
※全力ネタバレです。
【3つのポイント】
①今回の舞台は水族館
②深くなる欲と業
③決戦withイルカ
【①今回の舞台は水族館】
海沿いの町・アミティから移り、フロリダの大型水族館、シー・ワールドが舞台です。
海底王国や海中トンネルなどを有し、動くお金も段違いな場所。
けれど人類の欲の核は一緒。
↓
「せっかく儲けようとしているのにサメなんかで頓挫してたまるか」
あえて露悪的な物言いで失礼します。
こう言うと「人間は愚か……」と結論づけたくなりますが、ウン百億のお金と多くの人の生活、そして『良いものを提供したい』という願いや情熱がかかっている施設なのです。
けれど、サメにはそんなもの関係ない。
勝手に領域に入り込んできた異物をエサと認識し、サメを締め出すゲートの修理するスタッフを食い殺す。
青い海中に沈む、赤い血をまとって白い骨が見え隠れするニンゲンの腕。
サメ映画で大好きな色彩コントラストです。
ここからきっと人類――というか『権力者』が、「サメが出ようと開園しないわけにはいかない!」と強行するんだろうと思いました。
しかし、
人間の欲深さは、そんなものではなかったのです。
【②深くなる欲と業】
サメを目撃したマイクとキャスリン。
襲われそうになりますが、飼育しているイルカが助けてくれました。
(ファンタスティック! イルカとサメの追いかけっこ!)
その報告を受け、写真家のフィリップと水族館の館長カルビンが提案します。
フィリップ:「うまくいけば利用できるかもしれない」
:「撮影しながら殺せば、宣伝効果も満点」
(※字幕版・吹替版を合わせた意訳です)
Σ( ⊙⊙)!?
え……今なんつったこいつら。
サメで殺害ショーをする……?
もうこの時点で発想にドン引きしたんですが、それを止めるのが海洋学者のキャスリン。
しかし「飼い慣らして利用しよう」という意見。どっちもどっちやないかい。
そして捕獲される3メートルのサメ。
しかしサメは、麻酔を打たれ、環境が一変したストレスや酸素の問題で、どんどん衰弱する。
まずは環境に慣れさせなきゃいけないのに、館長が開園当日に無理やりお披露目した結果、……
( ・⌓・)<サメ死んだ……
( ;⌓;)<にんげん……滅びろ……
先日、水族館に行ったので余計に心が痛かったです。
もちろん、水族館がいかに海洋・水中生物に対して真摯に、心を尽くして関わっているのは分かっています。
単なる人間である自分が、他の生物に対して、幸か不幸かジャッジする権限もないのですが、それでも。
人間は間違ってるのか……?
という疑問が浮かんだ、その瞬間。
アクリルガラスの向こうの海中に、人間の生首が浮遊していました。
リアルに「おわっ!」と声が出ました。
そこから大写しになる死体。頭部に小型カニが刺さり、口から小型ナマズみたいなのがニョロニョロ。
人類が捕食者側になったという絶望から一転――
真の捕食者は、まだ存在していたのです。
【③決戦withイルカ】
3メートルサメはまだ赤ちゃんのサメでした。(館長たち滅びろ)
その母親は10メートルを越し、憤怒を抱えてシー・ワールドの海中施設を襲います。
それによって閉じ込められる大勢の客。
救助のため、設備を直そうとするマイクたち(水中で溶接ってできるんだなぁ)、サメを狩ろうとするフィリップたち。
正直に言うと、
なんとなく動きがのろい(パワー型?)母親サメ。
&
クライマックスのシーンも動きがちまちましている。
ので、前作たちほどにはテンアゲしませんでした。すまん。
爆発シーンも、「あっ、この映画3Dだったんすね」みたいな気持ちに。
( ・⌓・)<えぇ……
【まとめ:サメ映画を観たかったのに】
むしろ見どころはイルカたちだった🐬
サメに喰われそうになったマイクたちに、助太刀に来るイルカ。
ラストシーンも、二人の呼びかけに応じて、イルカショーばりに飛び跳ねるイルカ。
それはそれで大変素晴らしいんですけど、イルカじゃないんだよ今は🦈
ていうか館長なんで死んでないの?
あいつ結構なクズだぞ?
サメの殺害ショーの企画や衰弱死もですが、そもそも命懸けでサメを捕獲したマイクたちに対して、
「ちゃんと撮影できてたか? おい応答しろ!
……あ、みんな無事か?」
とか抜かすやつだぞ?
途中で思い当たって、部下を案じる言葉をしらじらしく吐くのがまたクズい。
確かに部下を一人助けていましたが、どう考えてもサメに喰われるべき魂だろ!
(※ホラーを過剰摂取したクレーマーの意見です)
(いやでも何のために館長のヘイト稼いでたの)
【余談:オモシロ枠】
①オープニングの、T字カミソリみたいなロゴ。
→一見の価値あり。
②『浪花』って書いている水着を着たモブのおねーさん。
→なんで? どこで買った?
③吹替のお遊び。
(サメ避けに、サメの嫌いな泡の膜を活用していると説明して)
館長:「サメはアレを見るとサメザメと泣くそうだ」
→面白いと思って言ってんのか元凶さんよぉ。
④(存在理由がいまいち不明な)マイクの弟・ショーンが、彼女っぴのケリーとイチャつく場面。
ショーン:「サメに襲われて、トラウマがあるんだ🥺」
ケリー:「じゃあ水中イチャコラで治してあげる🥰」
ショーン:「君ならできそうだ😉」→ザブーン🌊
トラウマ治療なめてんのか。
それをデバガメする兄たち(マイクとキャスリン)も草。
⑤マイクが、緊急事態を知らせるためにポップコーン売りのカートを奪う場面。
カートからポップコーンがこぼれ落ちるのですが。
それに群がって貪る人々(子どもも大人もいた)が怖かったです。
館長たちにも通じるような、見境を失った『欲』の描写でした。
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女子小学生/初恋・告白/ファッション
タイムループ/元気いっぱい/わたしの好きなもの
主人公・つばさはスカートがニガテな女の子。
好きな人のためにスカートをはいて告白しようとしたら、なんと時間が巻きもどった!?
SF要素ありの、ちょっとほろ苦いコメディです。
よろしくお願いします!
次回は、8月18日 8月25日月曜日、
1987年制作、アメリカのホラーサメアドベンチャー、
『ジョーズ‘87 復讐篇』の話をします。
( ;ω;)<お盆繁忙期と暑さにやられたのでふたたびお休みいただきます……🦈
鳥谷綾斗