人生はB級ホラーだ。

良い作家さんになりたい鳥谷綾斗のホラー映画中心で元気な感想ブログ。(引っ越しました)

映画/ザ・ハント

新年あけましておめでとうございます。
2022年です。
今年の目標は積ん読をすべて昇華して、曖昧なあらすじしか覚えていない映画を観ることです。具体的にはジブリとかディズニーですね。

ですが、このブログでは変わらずホラー映画の話をしますので、のびやかに付き合ってくださいますと幸いです🥳

新年1発目は(も)アマプラで観たホラー映画シリーズです。
2020年製作、アメリカのサバイバルスリラーです。

 

 

ザ・ハント (字幕版)

ザ・ハント (字幕版)

  • アイク・バリンホルツ
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【あらすじ】
まことしやかに流れる噂、『富裕層による庶民の人間狩り』は本当にあった。
最後まで生き残るのは、狩る側か狩られる側か。

 

【ひとこと感想】
「人間のやることはくっだらん」な虐殺エンターテイメント。

 

※全力ネタバレです。

 

【3つのポイント】
①開始5分で殺戮ストーム。
②主人公は誰?
③2022年随一のくだらん真相。

 

【①開始5分で殺戮ストーム】
この映画、展開が非常に早い。
謎の人物たちによるチャット、謎の人物たちによる飛行機の移動と来て、「うっわ、なんかコイツらいけ好かんな」と思いきや、突如錯乱した男性が登場しました。
医者らしき人物が男性を落ち着かせますが、医者(仮)はCAから借りたペンで男性の喉を突き刺します。

( ・ω・)<わーお。

普通に死ななかったので、いかにも強そうな女性が現れてハイヒールを目玉に突き刺します。

( ・ω・)<わーお。

ここまでで開始5分です。早いわ。ペンとハイヒールで殺人すな。

デスゲームというジャンルの特性上、人死には早ければ早いほど良いと言いますが。
この時点で、本作は従来のデスゲームとは一線を画していることが分かりました。

 

【②主人公は誰?】
前座、もとい最初の犠牲者から視点(カメラ)がとある人物に移ります。
ブロンドヘアのお嬢さんです。
口枷の鍵を見つけて、他者にも気遣える優しい心根の持ち主。

最初に思いました。
「おっ、この人が主人公か?」

そんな彼女は、遠方からの銃撃で死にました。開始13分です。

次に視点は銃の扱いも心得ていて串刺しになった女性を助けるナイスガイへ。しかし彼は地雷を踏んでため息をついて死にました。開始15分です。

次に視点はヒゲメンへ……ちなみにこの間で、串刺しになった女性がものすごく力強い自害があり、うっかり笑いました。
ヒゲメンは他のメンバーと合流、三人組となってガソリンスタンド付きの雑貨店に行き、店主に扮した『狩る側』に殺され以下略。

いや誰が主役なのこの話!?
さっきから「この人生き残りそうだな」って人が死にまくっとるがな!

と、初ツッコミを果たした後、満を辞して登場したのがクリスタル。
本気で「こんな人いたっけ?」と巻き戻して確認しました。最初のブロンドヘアちゃんが見かけた人だった。

そんな彼女は、アフガンでの戦争経験もあるバリバリの戦闘員。
ここからブラムハウスさんちのお家芸、反撃展開が始まります。
『サプライズ』『クリスティ』的展開とも言う。)

 

【③2022年随一のくだらない真相】
クリスタルの味方すらどんどん死んで&殺していく中、真相が明らかにされます。

すべては冒頭のチャットが原因でした。
実はこれは、富裕層の人々の会話。
その中の一人であるアシーナは、ちょっとしたブラックジョークで、

 

アシーナ:「マナー(領地)でデプロラブル(哀れ・惨めな連中)を殺すのが楽しみ」

 

と書き込んでしまいます。
このチャットはハッキングされ、ネットに流出し、噂でしかなかった『富裕層による庶民の人間狩り』の証拠にされました。
ネット民はこれを信じ、アシーナたち富裕層は失脚します。
そして彼女らは憤怒の末に、

「だったら本当に人間狩りをしてやるよ!!!」

という発想に至ります。
要は仕返し、復讐だったのです。
正直に書きますね。

( ・ω・)<アホがおる!!!

始まって約2週間ですが、たぶん2022年随一のくだらん真相です。
一応、狩られる庶民は、その炎上騒ぎに加担した人たちっぽいのですが……いやそんなんで人間を狩るなよ。

ホラー脳がホラー映画を観ているのに至極真っ当な意見になりました。(遺憾)

 

【まとめ:それでも生き残った方が勝ち】
決着はガチンコ勝負でした。
ブラムハウスさんちらしい『最後は拳』です。

ただ、いつものに比べれば牧歌的というか平和というか。

途中で「休憩」と言って本当に並んで寝転んで休憩したり、
「ガラスはイヤ! やめて!」と言えば本当にガラスに叩きつけるのはやめたり、
高いシャンパンが割れないよう庇ったり。
最後はアシーナは死にますし、クリスタルの土手っ腹に穴が開くんですけども。

見事に勝利したクリスタルは、傷を焼いてドレスに着替え、アシーナのジェット機で家に帰ります。
戦利品は高いシャンパン。
ラッパ飲みをして、晴れやかに笑うのでした。

ちなみにクリスタルが人間狩りに拉致られた理由は、『人違い』だったというオチ。
最後の最後まで「くだらねー」と笑っちまう内容ですが。
そもそも、富裕層と庶民層で分断して争うこと自体がくだらない。
どちらが完全な悪というわけでもなく、どちらも同じくらい愚か。
何の意味があるんだ、とドッと疲れました。

そしてこの「くだらねー争い」は、現実にも起こっているということを思い出して、さらにドッと疲れました。

(日本で言うとアレですかね。表現の自由戦士とツイフェミ。(それ以上はいけない))

 

次回は1月24日月曜日、
2004年の韓国のミステリーホラー、
『箪笥』の話をします。

 

鳥谷綾斗