原作既読です。
何とも面妖で、不気味な映画でした。
あらすじ。
小説家の「私」が読者の久保さん(仮名)から教えてもらった怪奇体験談。
彼女が住んでいる部屋の和室から、 さぁ、……さぁっ…… と畳を箒で掃くような微かな音が聞こえる。
それが「天井から吊り下がっている」女の着物の帯だとアタリをつけた二人は、久保さんの住んでいるマンションで過去に何が合ったのか調査を開始する。
最初に出てくる、一見すると「よくある怪談」が実は繋がっているなど、ミステリーよりのホラーでした。
謎はどんどん解き明かされていくのですが、きっちりとした解答は出てきません。だって怪談だもの。
でもこういうことかな? と想像するのも楽しいです。
「私」は、原作者の小野不由美先生ーーと似通った人物です。
「私の夫」も綾辻行人先生を模していて、実際のお姿を拝見したことありますが、「あー、っぽいぽい!」と面白かったです。
だもんですから、これは実話なのかもしれない……という恐怖がじわじわと。
おそらくは始まりの家にあたる廃墟を訪れた後、何とか恙無く自分たちの生活に戻っていきましたが、お祓いも何もしていないので、「穢れ」はずっと続いていきました。
それは「私」にも、マンションに住んでいる他の住人の方々にも。
そして名前がよく分からんモブが犠牲になりました。
( ・ω・)<モブは……犠牲になったのだ……。
これは果たして要るのかなーと思いましたが、まあ邦画ホラーの暗黙の了解的なノルマを達成したんすかね。
「始まりの人」だと思っていた人物も「穢れ」の犠牲だと知り、もはや遡ることは叶いません。
もしかしたら全国津々浦々にある怪談は、元を辿れば全部ひとつに繋がるのかもしれません。
もうどうしようもない。それが一番怖かったです。
直接的に怖かった場面。
・「私」こと竹内結子さんの声。
(囁き声とも違う、どこが投げやりで気怠そうな、棒読みのようで、けれど印象深い)
・益子さん(マンションの向かい側の家)ちに集まった子どもたちが、じぃっと天井を見上げている。
(何が見えるのひょっとしてブランコ?)
・気が狂った男が床下を徘徊している。
(でも「焼ケ、殺セ」と言っているのをお年寄りが猫と勘違いしてウフフと楽しそうだったのにはちょっと笑いました
)