人生はB級ホラーだ。

良い作家さんになりたい鳥谷綾斗のホラー映画中心で元気な感想ブログ。(引っ越しました)

映画/道化死てるぜ!

アマプラで鑑賞したホラー映画です。
2012年制作、アイルランドのピエロ系ホラーグロコメディです。

 

 

 

 


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【あらすじ】
トムの誕生日会に来たピエロ、スティッチーズ。
下品でロクな芸もない彼は、子どもたちのイタズラで命を落とす。
しかしその魂は、他のピエロたちによってピエロの霊廟で保管され、復活の時を待っていた。
6年後のパーティーで彼は蘇り、復讐を始める。

 

【ひとこと感想】
珍しく邦題が秀逸、「どうかしてるぜ(制作陣が)」としか言えない悪趣味映画。

 

※全力ネタバレです。

※大注意※
猫が亡くなります。ご注意ください。
(ぶっちゃけ鑑賞はオススメしません)

 

 

【3つのポイント】
①どうかしてる:スティッチーズの死因
②どうかしてる:クリエイティブ惨殺
③どうかしてる:クライマックス

 

【①どうかしてる:スティッチーズの死因】
「やあ!」と挨拶したら「くたばれ」と返される世界観の中で、のっけから女とヨロシクやるスティッチーズ🤡

メイクも雑、ピエロデコを施した車を足で運転し、金に汚く、「子どもの笑顔のために💕」という上辺すらないピエロです。

完膚なきまでのクソ野郎っぷりに、開始2分で「早よ死なんかな」とか思わされます。
その期待は早々と応えられ、スティッチーズは芸の途中でイタズラ小僧のヴィニーに靴紐を結ばれました。

ボールをぶつけられてよろけて、
地べたの食器カゴの中に
トムの母親が 何故か 刃を上にして置いた包丁に
左目をズゴン! と貫かれます。

無意味に包丁を抜いてドピューと血飛沫が吹き出す中、思いました。

そんな包丁の置き方ある???

絵文字ですら刃を下に向けているのに??? →🔪

そんな感じで悲劇を通り越して喜劇の死を遂げたスティッチーズ。
トムだけは彼を悼みますが、墓園に隠されたピエロの霊廟(いやピエロの霊廟って何だよ)に迷い込みます。

そこではピエロたちが、スティッチーズの玉子――ピエロになる者は唯一無二の存在になるために玉子に自分の顔を描く(いやそんな風習初耳でんがな)――を祀っていた。

 

仲間のピエロ:「ピエロはパーティーが終わるまで眠らない」

 

この件でピエロ恐怖症となったトム。
そして6年後、忌まわしきピエロは復活を遂げます。

 

【②どうかしてる:クリエイティブ惨殺】
この映画の鑑賞のキッカケは、『お仕置きピエロの残虐かつクリエイティブ殺人技』とやらを観たかったからです。

以下一覧。

①男性器を引っこ抜いて風船にくくりつけ、クラスメイトと笑い物にする。
(夢オチでした)
②いじめっ子の口に手を突っ込み、喉奥からウサギちゃんを取り出し、だるま落としの要領で頭部をまるまる蹴り飛ばす。
(ポーンと飛んでいく頭部)
③缶切りで頭蓋骨をオープン、さらにディッシャーで脳みそをくり抜き、アイスクリームみたいに可愛くデコる。
(入れ物がタッパーなのが雑)
④死体の空っぽの頭蓋骨に手を入れて、腹話術をする。
(相手も気づけよ)
⑤流れるような傘さばきで、傘を突き刺して目玉をポーンと射出、目玉は口の中にホールインワン、傘が開いたら噴水のように血が噴き出す。
(テンポがよすぎて巻き戻した)
⑥腹を掻っ捌いて腸を取り出し、空気を注入してバルーンアート
(腸の中身はどこ行ったん)
⑦後頭部から空気注入器でシュポシュポ空気を入れて、顔面を膨らませて破裂させる。
(絵面が面白いと気色悪いの合体技)

( ・⌓・)<看板に偽り無し!!!

ちなみにアマプラでは、モザイク・白飛び・反転などの画像処理がされていました。助かる。絵面はそこまでゴアではないです。

あまりに独創的な殺害方法に楽しんではいたんですが、
なんとこのクソピエロ野郎、トムの飼い猫ちゃんをも殺しました。

万死に値します。
いやもう本当に値します。

(ホラーで子どもと動物が犠牲になるの過激否定派)

 

【③どうかしてる:クライマックス】
猫の件でかなりのダメージを喰らいました。

その前に、ピエロが索敵アイテムとして赤い丸い鼻を使っていて、それがスーパーボールみたいな動きで可愛かった&猫ちゃんがじゃれて大変可愛かったとほのぼのしたので余計に。

鑑賞のモチベがダダ下がりました。遺憾です。

何やかんやでピエロの本体が玉子だと気づき、それを壊すためにピエロの霊廟に向かってラストバトル。

(移動手段がトムたちは自転車、ピエロが三輪車というアホみたいな シュールな構図もありました)

やっつける方法が6年前と同じ――こっそり靴ひもを結んで転ばせる――という映画的な仕掛けもあり、
無事に玉子を叩き割ることができました。

本体を壊されたピエロの体は破裂。
中身から出たのは玉子。程よく火が通ったタマゴサンドに使えそうな感じの玉子。

おまえ中身玉子やったんかい&いま玉子高いのになー、というヌルい感想が浮かびました。
(モチベがダダ下がりにも程がある)

ED後はホラー映画らしく、ピエロ仲間が玉子を修復。
最後までB級たっぷりな映画でした。

 

【まとめ:意外と親切仕様だった】
このように。
悪趣味な殺害方法以外にも、失禁だの小スカだの吐瀉物が混じった水責めだの背景でずっとチュッチュするモブだの友達んちの2階で励むだの、あまり綺麗ではない場面だらけでした。

ですが、意外と細やかな気配りもありました。

たとえば、子どもたちが大きくなるまで復讐を待った点。
未成年でもハイティーンであればOKというホラー独特のルールですね。
(ちなみに過去の写真つきでどれがどれなのか説明してくれます)

トムたち以外の人々は狙わない。
(モブカップルあたりも手にかけるかと思いきや)

エンドロールにNG集を流してほのぼのタイムを設けるなど。配慮があるぅ。

だがしかし猫の件はダメだ。
ラストでちゃんとお墓が映されたけれども。(頑な)

では最後に、物語のヒロインでありトムの片思い相手・ケイトのセリフを紹介します。

すべてが終わって、思い出の木の上の秘密基地。
かつて小鳥のようなキスを交わした二人。
実は望遠鏡でずっとケイトの家を覗いていたトムに、彼女は立派なレンズをプレゼントします。

 

ケイト:「私を覗くなら、いいレンズがいるでしょ」

 

(# ゚Д゚)<どうかしてるぜ!!!

(ちなみにこの邦題は、ニコ生の番組で決まったそうです。ナイス)

 

 

さて、次回は3月19日日曜日の更新です。

記念すべき商業作家デビュー日なので、
スペシャル版、『タイトルからして明らかなZ級なホラー映画を6本観てみた』をお送ります。

 

 

鳥谷綾斗