ケーブルテレビで観たホラー映画シリーズです。
1982年制作、アメリカのSFXホラーです。
【あらすじ】
5人家族のフリーリング一家は、新興住宅地の『クエスタ・ベルデ』に住んでいた。
ある夜、5歳の次女キャロル・アンが砂嵐のテレビを相手に会話をする。
その日から騒霊現象(ポルターガイスト)が頻発し、とうとうキャロル・アンが姿を消した。
【ひとこと感想】
ディズニーのアトラクション的『隣人』トラブルホラー。
※全力ネタバレです。
【3つのポイント】
①おどろおどろしい作品かと思いきや
②油断したら怖かった
③でもやっぱりアトラクション
【①おどろおどろしい作品かと思いきや】
私は、幼少の頃からホラー映画に親しんでいました。
(突然の履歴書の自己PR欄み)
結構な数を摂取してきましたが、いかんせん、ほとんど内容の記憶がフワフワのアヤフヤです。
なのでこの『ポルターガイスト』も『エクソシスト』とごっちゃになってました。
( ・ω・)<……キャロラインが出るのどっちだっけ?
ってな有様です。
(キャロル・アンの名前も音で覚えていた有様)
ゆえにこの作品、漠然と恐ろしくおどろおどろしいイメージを抱いていたのですが、
( ・ω・)<意外とそうでもないな……。
ってな印象に変わりました。
冒頭は怖かった。
開始数分で本題に入る、つまりこの作品の象徴である『キャロル・アンが砂嵐が映るテレビと交信する』シーンでした。見習いたいこのテンポ。
『エクソシスト』の500倍エンタメでした。
とにかく騒霊現象のテンションが高い。大暴れです。隠れる気がまったく無い。
心霊現象の研究家なる方々が登場し、その人たちが「騒霊現象を撮影した経験がある。低速度で撮影して、物体が7時間かけて2メートル移動する様を撮れた」と得意げに説明するのがもはやフリにしか見えませんでした。
何気にダースベイダーがいたりと遊び心も満載。
椅子がすべり台を滑るように移動するのを見て、「真空の中で引っ張られてるみたーい🌟」と母親のダイアンもはしゃぎまくります。
(ていうかこのオカン、16歳で長女出産したんかい)
【②油断したら怖かった】
そんなアダムスファミリー的な世界観だったのが一変。
キャロル・アン:「あの人たちよ」
嵐の夜、家にいる幽霊――キャロル・アンがそう呼ぶ存在が牙を剥きます。
そうして彼女は異空間に連れ去られしまいました。
(このクローゼットに吸い込まれるシーン、「観たことある!」と記憶を刺激されました)
(余談ですけど、やっぱりホラーにおいて『ブラウン管のテレビ』っていいですね)
(中に何か入ってそうな感じが。薄型テレビも『穴』感があっていいんですけど、オツなのはやはり前者です)
前半のコミカルさが嘘のように、ガンガン入る恐怖描写。
お気に入りは、超心理学の専門家・レシュ博士の助手が見せられた幻覚です。
食べ物を探しに行った先の台所で。
ナメクジのような動きでうごめく生肉。
肉に集る蛆虫。
洗面所で吐き出す。鏡を見る。自分の顔が焼け爛れている。溶けた皮膚が重力に負けて指に掻きむしると、……ジュクッ
ここだけ世界観が『死霊のはらわた』なんよ。(強調)
油断していたのでダメージを負いました。無念です。気持ち悪かった。
【③でもやっぱりアトラクション】
荒ぶる霊は、輝く生命力を持つキャロル・アンに固執し、さらに普通の霊とは段違いに恐ろしい敵が彼女を引き摺り込もうとします。
霊媒師タンジーナの力を借り、なんとかキャロル・アンを取り戻します。
しかし霊たちは当然あきらめませんでした。
最大出力の騒霊現象。ダイアンもパンツ丸出しで天井まで引き上げられたりブラックホールクローゼットが再び現れたりします。
あまりのしつこさに、
キャロル・アン:「もうイヤ……」
この言葉がすべてを物語っています。
ここから死霊パーティー。棺桶に入ったミイラがバカスカ生えてきます。
なんとか車に乗り込んで逃げようとしますが、霊は――否、『家』はあきらめません。
ロビー:「家が追ってくるよ!」
( ・⌓・)<それはもはやディズニーの世界観では!?
アトラクションにしたらめっちゃ面白いんじゃないかな、と思いました。
最後は家自体がブラックホールクローゼットに吸い込まれ、
一家はほうほうの体でホテルの部屋に入ります。心底うんざりした顔で。
ラスト、部屋からテレビを出す動作が、とてもシュールでした。
【まとめ:物語の内容よりも怖いのは】
騒霊現象の原因は、『墓場を宅地にする際、墓石だけ移動させて棺桶はそのままにした』というもの。
(ある意味『隣人トラブル』)
ひどい話です。「なんでそんなことするの……?」とシンプルに疑問でした。
『なんでそれでOKだと思えるの? 倫理観どうなってるの?』的な。
これはお国柄の違いなのか。
いやたぶん違う。
母親ダイアンにも、『倫理観どうなってんの場面』はありました。
それは冒頭、子供部屋で飼っていた小鳥が死んだシーン。
それを見つけた彼女は小鳥の死体を、 トイレ に流そうとします。
キャロル・アンが見つけて埋葬しますが、棺桶は葉巻の空き箱で、実に適当な弔いでした。
そのキャロル・アンも、数秒後には「金魚飼いたい!」と笑い、
小鳥のお墓は、結局プールを造設するために掘り起こされ、
そのままゴミのように潰されました。
つまりそういうことか。
『あの人たち』――はるか昔からこの土地で眠り続けた人々が怒り狂う気持ちも分かる。
そう納得し、この作品の恐怖ポイントはココだと思いました。
……ですが。
なんやかんやでこの映画で一番恐ろしいのは、
後日談。
でした。
調べるとめちゃくちゃ怖かったです。
次回は5月16日月曜日、
2017年制作、英米合作サメ映画、
『海底47m』の話をします。
鳥谷綾斗