人生はB級ホラーだ。

良い作家さんになりたい鳥谷綾斗のホラー映画中心で元気な感想ブログ。(引っ越しました)

創作四方山話/きのう何食べたドラマで思い出した『台詞』のあれこれ。

タイトル長くて恐縮です。

4月から引き続き、ドラマ・『きのう何食べた?』にハマっています。

 

www.tv-tokyo.co.jp


あと2話で終了、という事実に、「いやだ-!」を通り越して「虚無」「ひたすら虚無」とまっしろになっています。
『始まる前からロス』(リンク)などと言っていましたが、そんなもんじゃ済まない予感がバリバリなので、がんばって心構えとやらを構築中です。

その一環として、語りたいことや思ったことはなるべく書いておこうと思います。来る7月、何食べロスに意気消沈するどっかの無駄に繊細なオタクすなわち自分のためにも。

今回は『台詞』の話です。


【第5話について】
お正月回でした。
手術を終えたお父さんのために、シロさんが実家に正月帰省する話です。

翌日サッポロ一番を作りたくなるこの回で、「おや?」と思ったのがお母さんの台詞。
ケンジが待つ家へ、帰り支度をするシロさんが、「老い支度の話をしたいから帰ってこいと言ったのに、結局してない。いいの?」と尋ねた場面で。


「ああ……もう分かってるでしょ」


初見の際、自分はこの台詞の意味をとらえかねていました。
どういうことだろう? と思いつつ進めて、一旦は観終わりました。
そして翌日。母と一緒に三度目の視聴をした時に、ピンと来たのです。


あ、そっか。
単純にシロさんと一緒にお正月を迎えたかったのか。


手をポンとしました。
びっくりするほど自分の国語力が無い――のは置いといて、この台詞、とても印象に残りました。


【この台詞の使い方で思い出したのは】

古畑任三郎

を、思い出しました。
90年代に大ヒットした、田村正和さん主演・三谷幸喜先生脚本の刑事ドラマです。

 

 

これのシーズン2、第18回の『偽善の報酬』という話で、古畑さんにすべて暴かれた脚本家の犯人とのやりとり。

 

「先生、もしこれがドラマでしたら、どんな台詞で幕を閉じますか?」
「そうね。何も言わせないわね。今のドラマはしゃべりすぎよ。
 人はね、ここぞという時には、何にも言わないの」


このドラマを観たのは小学生低学年。
言葉の意味としては理解はしてましたが、「へぇ」としか思いませんでした。

これを前提にして考えてみました。
仮に、あの場面で久栄さんが、

「そんなの、史郎さんと一緒にお正月を迎えるための方便に決まってるじゃない」

と言ったらどうでしょう。
たぶん「可愛いなあ」「親子愛だな、分かる分かる」とは思うでしょうが、それだけだったと思います。


「もう分かってるんでしょ」


という台詞だったからこそ、観ている側――この場合は私ですね、私も「どういうこと?」と思って、自分であの台詞の意図に気づいたことで、印象深いシーンになったんでしょう。

って考えたらすごくないですか。

ちょっとした台詞のチョイスだけでこんなにも違うのか、と思った5話でした。


【総括】
細けぇ。と我ながら思います。
でもこういう着眼点の感想記事があっていいと思うんですよ。多様性の時代多様性の時代。

要は『何食べも古畑任三郎も素晴らしいドラマです大好きです通しで観たい』ってこと〆ときます。


【余談】
おせち食べるシーンで。
シロさんが久栄さんお手製のおせちを褒めて、それを受けた久栄さんの、


「昔からそうじゃない」

も好きです。笑い方もふくめて。
昔は気にも留めなかったことだった。でもシロさんも料理するようになって気づくことが増えた――という描写の力を感じられて。好きです。

 

(✿´ ꒳ ` )


……何食べドラマ終わるのつらいなあ!


(   ꒪⌓꒪)