人生はB級ホラーだ。

良い作家さんになりたい鳥谷綾斗のホラー映画中心で元気な感想ブログ。(引っ越しました)

SAW(映画)

JUGEMテーマ:Horror

 

こんばんは。

昨夜、「散りゆく花の名を呼んで、」を目の前で予約注文してもらった鳥谷です。泣きました。泣くだろ常考

 

「散りゆく花の名を呼んで、」勝手に宣伝カウントダウンイベント、その4を開催します!
どんちき└(^ω^ )┐♫ ┌( ^ω^)┘♫どんちき

 

(一応編集さんに知らせてはいる)
(たぶん見てない)
ぐぬぬ
(「どんちき」の元ネタ分からない方へ→ニコ生ホラーでよく出るアレです)

 

 

第4弾は「SAW」です。

ソリッドシチュエーションスリラーの金字塔。

第1作がもう14年前……? と別の意味で恐ろしくなってます。

 

以下、ネタバレ注意。

 

あらすじ。

目覚めたら、廃墟のバスルーム。
両隅には鎖に繋がれた二人の男。
中央には血の海に沈んでいる男。
カセットテープから声が流れる。
“Let the game begin”
声は命じる。
“Make your choice”


ホラー映画界に跳梁跋扈する多くのモンスターたち。
殺人鬼、怨霊、ゾンビ、宇宙人、でっかい動物などよりどりみどりの中、もっとも好きなのは彼・『ジグソウ・キラー』ことジョン・クレイマーです。
理由は、

 

なんやこのひとめっちゃ変な人やん。

 

です。

異常者という意味ではありません。単なる異常者は二次元三次元問わずでお店が開けるほど存在します。
彼は、「発想もおかしいけどその発想を形にするための手間ひま努力をまったく惜しまない、つまり努力の方向性がおかしい」人なのです。
もっと詳しく言えば、

 

「ドコの世界に『ゲーム』を最前列で見たいからって8時間(推定)以上死体のフリをする人間(しかも病人)がいるんだよ!!」

 

ですね! これに尽きます!!

 

コレ考えたとしても実行に移すのは至難だと思います。いくら筋弛緩剤を打ってるとはいえ、並みの神経と根性ではできません。
『発想』と『実行』の間にはそれだけ大きな隔たりがあるのです。

 

少し話がズレますが、最近、『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』という漫画にハマっています。
一世を風靡した本格推理漫画・『金田一少年の事件簿』の、犯人の視点を描いた、汗と涙の感動の舞台裏です。情熱大陸とかカンブリア宮殿のようです。(※とても適当なことを言っている)

自分はもともと『復讐譚』が好きなんですが、この漫画を読んで、それが何故なのか判明しました。

 

復讐そのものが好きなわけではなく、それを計画して実際に行動して、やり遂げた『意思』にこそ惹かれていたのだと。

 

(蝋人形城の多岐川さんなんかわざわざ小説家になってるし……商業用の小説を何本も書き上げてしかも売れっ子になるとか、それだけでも大変なのに……)

 

わざわざ復讐(計画的殺人)するのはとても大変。
生半可な覚悟ではできない。やり遂げるには強固な意志が欠かせない。
(もう後に引けなくなったバージョンもありましたが、それは先に痛ましさを覚えます。悲劇です)

その意思の強さこそ憧憬の対象なのです――って言うと誤解されそうですね。目的や手段はいったん横置きでおねがいします。犯罪はやらないに越したことはないし、気軽な犯罪ダメ絶対。

 

尽力する対象が犯罪や殺人じゃなければひとかどの人物になったのでは……という思いを凝縮したのがジグソウです。
(ジョン・クレイマーはもともと名のある実業家ですが)

 

もったいないですね。
その意志の強さが正しい方向に使われれば、自分自身や大切な人たちをもっと幸せにできた。社会をもっと良くすることもできるはずだった。
けれどそれを、環境=世界=運命が許さなかった。
運命は彼から子どもを奪い、病魔をけしかけ、恐ろしいモンスターに仕立て上げた。
人の生きる世は、なんて理不尽で、危うくて残酷で奇怪で不条理なんでしょう……。

 

と、再び哲学者きどりで思考しましたが、ホラー映画には無粋な考えです。
制作者側は『驚いて楽しんでほしい。ホラー映画は楽しむためのもの』と言ってますし、自分もそれが最高だと思います。

 

 

【1を久々に鑑賞して】
やっぱりすごいなぁ、と素直に感嘆しました。
すべてのシークエンスが、最後の『衝撃の結末』のために配置されている。
監督たちのオーディオコメントを聴きましたが、「僕たちの思い通りに仕上がった」という言葉が印象的でした。
作り手としてはこれ以上の快感は無いと思います。
( ・ω・)<うらやましい!

 

ラスト数分。
ゼップの持つテープを聴き終えたアダム。
アダムの姿は画面右側に配置されている。
その奇妙に空いた左側。
ぼやけて映された空間に、ゆっくりと起き上がった名無しの男が映し出される――

この場面は鳥肌モノです。
『死体』を大写しにして焦点を当てるのではなく、アダムの背後で起こって事実が判明する。
それまではバスタブと同程度の存在感で、まったく気を引かなかったモノだったのに。

 

ずっとそこに、『ジグソウ』はいた。

 

観客の注目を操るかのような演出です。
ジグソウは、無感動にアダムが死ぬほど求めた鍵の在処を教え、無表情で電気を流し動きを封じる。
そして無慈悲に言い放つ “Game Over”……
始まりと同様の暗闇が下りて、悲鳴だけが響き渡る。

 

という見事なラスト。これもまた映画ならではです。
(小説でできないの悔しい……映像の力すごい……っ!!)

 

そんな感じで、そんじょそこらの『ゲームマスター』なぞと違ってちゃんと身体を張っているジグソウ、これからも推します。
(昔々、確かツタヤの企画で中の人=トビン・ベルの着ボイスが配信されたのを思い出しました。「ハロー、○○。ゲームをしよう」で○○の部分が自分の名字を選べる。最高か。再配信希望)

 

ジグソウ萌えなら3がオススメです。
自分の推しキャラが「麻酔はかかってるけど意識が明瞭なまま脳みその手術をされる」という非常にレアな体験ができました。

去年公開された、『ジグソウ:ソウ・レガシー』はジグソウ大活躍ですごくよかったです。観たいものが観れましたありがとう制作。

 

 

最後にたまに思い出して、己を振り返ってみるジグソウの台詞を置いておきます。

 

“why is it that we're only willing to do that when a life is at stake”
――なぜ死の間際でないと考えを変えない?

 

("you"でなく"we"なところがポイントですかね)

 

“You savor everything, be it a glass of water or walk in the park.”
 ――一杯の水も公園の散歩も大切に思える。

 

 

【宣伝】

 

2018年3月19日 発売
「散りゆく花の名を呼んで、」
(「花は二度死に、名を失う」より改題)
集英社 j-BOOKS刊行

http://j-books.shueisha.co.jp/books/chiriyukuhananonawoyonde.html


第3回ジャンプホラー小説大賞銀賞受賞のホラーミステリ! 

男子大学生の鹿住未来(かずみ みら)は、残留思念を読み取る、サイコメトリーと呼ばれる超能力を持っていた。母校の高校で教育実習を始めた未来は、生徒からホラー映画研究部の活動に誘われるが、彼が部活に参加したその日に部員の一人が異常な死を遂げ、他の部員も後を追うように次々と変死してしまう。 
未来は、心を寄せる生徒・恵田桜香(えだ ほのか)を守るため、自身の能力を用いてその原因を捜査するうちに、特殊な交霊術「キラズさん」の呪いにたどり着く。遺言と異常死、名に込められた祈り…その全ての謎が明らかになるとき、切なくも怖ろしい驚愕の結末が待ち受けて…。教師と生徒との呪われた愛の行方は。
Amazonさんより抜粋)


よろしくお願いします!

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