人生はB級ホラーだ。

良い作家さんになりたい鳥谷綾斗のホラー映画中心で元気な感想ブログ。(引っ越しました)

いるのいないの(著・京極夏彦、町田尚子)


い***ね。


猫


『震えて眠れ、子供たち』というキャッチコピーのもと、岩崎書店から刊行された怪談えほんシリーズです。
公式サイト→http://www.iwasakishoten.co.jp/special/kaidan/
このたび読みました。まずはレンガ本の元祖、ご本人もミステリアスな京極夏彦先生の『いるのいないの』からです。


あらすじ。
『おばあさんの いえで くらすことになった。とても ふるい いえだ。』
小学生の少年が田舎のおばあさんの家で暮らすことになりました。
おうちは古い日本家屋で、屋根は藁葺き、木造で、天井には大きな梁が渡っていてとても暗いです。
その暗い天井を見上げているうちに、彼は『いる』ことに気付きました。

最後の頁を繰った瞬間、心臓がひゅっ てなりました。
とても明るい本屋で、昼間で大勢の人がいたのにそんなの関係無くひゅっ てなりました。ひゅっ。

家族に読ませたくて家に置いたんですが、母もやはりひゅってなったそうです。
一番読んでほしかった甥っ子の反応は薄かったです。既読でした。道理で!

是非ともこのひゅっを体験してほしいので感想を書いてるんですが、この言葉を付け足したいです。
綾辻行人先生の『眼球綺譚』という短篇集の一文です。

『読んでください。夜中に、ひとりで。』


読んだ後、暗くなっているところを見てください。ベッドの下、クローゼットや襖の隙間、窓の外、宵闇。

いるかもしれません。
いないかもしれません。
見えないだけで、いるかもしれません。
あるいは、見えているけど、いないかもしれません。

ちなみに私はいそうだから見ません。でもちょっと危ない。見てしまいそうです。


なんか怖めな感想ですみません。
えー……あ、そうだ。このえほん、すごく猫ちゃんが多いです。
何匹飼ってるのおばあちゃん。おかげで匂いすら想像できます。
猫好きな方は、見開きごとに何匹いるか数えるのもオツです。トカゲもいるので探してみてください。
(↑フォローしたつもり)


……ところで書いた後思い出したんですけど、『眼球綺譚』の装丁って京極夏彦先生が担当されてました。あらやだ素敵な偶然。