人生はB級ホラーだ。

良い作家さんになりたい鳥谷綾斗のホラー映画中心で元気な感想ブログ。(引っ越しました)

大地(デメテル)のささやき-「花の探偵」綾杉咲哉-(著・七穂美也子)

 『ああ……今日は人生最良の日――!!』





あまりラノベは読まない私が唯一持っている、コバルト文庫のシリーズです。(笑)
すっごく簡単な粗筋。

中学三年生の菅生峻は、父の再婚で新しい義母と義兄ができる。
二つ年上の義兄、綾杉咲哉はとても美しく優しいひとで、たちまち峻は夢中になる。
しかし咲哉はどこか謎めいていて、彼の周りでは常に花にまつわる不思議な事件が起こる。

ジャンルはフローラル・ミステリーになります
毎回モティーフとなる『花』が登場します。

どうでもいいですが、今『さくや』が『咲耶』になっちゃって、『シスタープリンセスぅうう!?』となりました。ってコレ知っている方何人いらっしゃるのですかね

一冊に短編ふたつが収録されています。
舞台は、峻と咲哉の両親の結婚式が行われる湖畔のリゾート。

『露と答えて』
結婚式のお祝いの場で見知らぬ人から花をもらうが、受け取った途端に枯れてしまう。翌日その人を見かけ、謝ろうと森の奥まで追いかけたら、その湖畔にまつわる悲劇的伝説をきかされる。

若干ホラーです。最後にちっさいどんでん返しもアリ。
限られた情報だけで推理し、死者の未練を浄化させました。安楽椅子探偵っぽいです。

『シメコロシの木』
体調を崩した峻のために、山奥に椿の花を取りに行った咲哉。そこで銀行強盗犯と遭遇し、拉致される。

ぶっちゃけこっちのほうが怖い。(笑)
ここに出てくる椿のフラワーティー。椿を日干しにして細かく刻み、お湯を注いではちみつを加える……たぶん都会のものじゃできないんだろなーと思いました。


さてこの小説の特筆(?)すべき点は、峻君の咲哉さんへのZOKKON*LOVE(はぁと)
何せ、「好きなものとか考えていればいいよ」と言われて、「咲哉さんだよ」と答えて、「じゃあオレのことを考えてればいいよ」などと返す関係です。
思春期真っ只中の私はこーいうギリプラHOMO(ギリギリでプラトニックなフォモ)に弱くて、よく『うひゃー』となったものです。

今読むと小っ恥ずかしい限りですが。

そんな発酵ヲトメ的にやさしく、更には植物のちょっとした雑学を身につけられるシリーズです。