人生はB級ホラーだ。

良い作家さんになりたい鳥谷綾斗のホラー映画中心で元気な感想ブログ。(引っ越しました)

恋する春の女神(フローラ)-「花の探偵」綾杉咲哉-(著・七穂美也子)

「ににに、兄さ~~~~~~ん!!」
「兄さんっっっ!!」
「好き……っ!」

「(前略)心配しなくても、峻のほうが好きだよ」

(『花盗人より』)



「峻もオレもドレイしたいの」
(『百五十回の花占い』より)






チョイスの台詞は、読んだ当時に『きゃあ~』となり、
現在再読したら『うわあああああ』となった代表の台詞。(これでも全部ではない)

さて花の探偵第二巻です。
春休みが終わり、咲哉さんと峻君の新生活スタート。


『花盗人』
二人の通う中高一貫の四季学院の花壇が、何者かに連続して荒らされた。
その最有力容疑者として咲哉が疑われ、峻は懊悩する。
そうこうしているうちに、咲哉が親しくしていた女生徒が死体で発見される……。

峻君の咲哉さんへのブラコンぶりが憚らなくなってきて周囲がドン引き。です。
咲哉さんへの疑念が頂点に達して、興奮状態でそれはもうものすんごいラブコールを叫んでいました。
ラストの、『植物の究極の目的』と絡めた咲哉さんの意見と、それを受けた峻君の答えが印象的です。
『人間の欲や見栄さえも、自分たちの繁殖に使えそうだと思えば、利用することを考えるだろうね(後略)』
植物は本当にたくましいな。


『百五十回の花占い』
看護士のお母さんに母の日のカーネーションを渡しに、病院へ赴く二人。
そこで会った小さなお姫さまに、『ドレイにしてさしあげるわ』と咲哉がナンパされる。(笑)
彼女は時々病室にお花を届けてくれる王子様と勘違いしているのだ。

挿絵の担当の先生が本当に綺麗な絵を描かれる方で、特に女の子が可愛らしいです。

花占いをする花は、マーガレットでもバラでもなくてラナンキュラスという花です。
百五十枚もの花びらを重ねた、手鞠みたいな形の花です。
これ種明かしが秀逸です。でもちょっと可哀想(=ω=;)
ちいさな恋のメロディでした