人生はB級ホラーだ。

良い作家さんになりたい鳥谷綾斗のホラー映画中心で元気な感想ブログ。(引っ越しました)

放課後(東野圭吾著)

 「先生、女子高生が人を憎むというのはどういう時ですかね?」




どういう時でしょう?
事件を捜査する刑事さんが、主人公である数学教師への質問が事件の動機を現します。

探偵ガリレオ』その他で有名な、東野圭吾先生のデビュー作・江戸川乱歩賞受賞作品です。

何気に最初に読んだのは『超・殺人事件』という短編集だったんですが、そのぶっ飛んだ内容のおかげでなんとなく気にはなっていました。しかして2007年、ドラマ版ガリレオに大ハマりし、ちょうど良い機会なので全作コンプすることを決めました。
…………としょかんで。
(公共のものは利用しようイイジャナイカ古本さいこー!)

そこそこの名門女子高の更衣室で、生徒指導の教師が毒物で死んだ。
現場は密室。
そして運動会の仮装行列、衆人環視の中で第二の殺人が起こる――。

といった学園ミステリーです。主人公は冷めた感じの数学教師で、彼の一人称で物語は進みます。
入りは主人公が何者かに襲われるといったシーンから始まり、その狙いも二転三転し、最後はとんでもない結末になります。
ポイントは謎は解けたけど事件は解決していないところ。
あのあと、主人公と犯人、そして周囲の人たちはどうなるのか。

犯人の動機ですが、賛否両論あると思います。
理解しやすい動機ではないです。だけど自分の身に置き換えてみたら……「ああー」って感じです「ああー」。
まだ私も女子高生的な気持ちが残っているということですかな。(=へ=;)
そして凶器の青酸ソーダを入手した理由も、あとでぞくぞくキました。


密室のトリックですが、特筆すべきは捨石トリックがあるという点です。
本命にしてもよさそうなのになんて贅沢な!
(どんな讃え方だ)

さてこの著者さん、作品を出すペースが半端なく早くて多いので、全作品コンプは長い道のりだナとワクワクしています