人生はB級ホラーだ。

良い作家さんになりたい鳥谷綾斗のホラー映画中心で元気な感想ブログ。(引っ越しました)

蝋人形の館(映画)

JUGEMテーマ:Horror

 

こんばんは。

先週は風邪を引いておやすみしました鳥谷です。めっちゃ休んだのにまだ微妙に治ってないです。静かなる絶望を感じてます。

 

「散りゆく花の名を呼んで、」勝手に宣伝イベント、その6を開催します!
どんちき└(^ω^ )┐♫ ┌( ^ω^)┘♫どんちき

 

電子書籍が4月4日に出るのでそれまではカウントダウンを名乗る)
(そこからはただの映画感想ブログになる)
(しかし宣伝文句はつけるつけ続ける君が興味を持ってくれるまで僕は宣伝をやめなry)
(「どんちき」の元ネタ分からない方へ→ニコ生ホラーでよく出るアレです)

 

 

第6弾は「蝋人形の館」です。

閣下が唄う方ではなく、2005年版の映画です。

あれ意外と最近の映画だな……と思っていたら、1933年と1953年は「肉の蝋人形」というタイトルだったんですね。

こちらはなかなかカルト的な不気味さを感じます。

 

以下、ネタバレ注意。

 

あらすじ。
フットボールの試合観戦のために車で会場に向かう、ナウくてヤングでホラー映画ワールドではお馴染みすぎ感のある若者6人組。
キャンプ場に泊まった翌朝、車が故障。
ヒロインのカーリーは恋人と、近くの町へ向かう。そこはカーナビに乗っていない小さなどこか寂れた町。
そこには、一軒の蝋人形の館があった。


ありがちといえばありがち(だがそこがいい)なのですが、他の映画とはちょっと違った点が。

 

1.邦題がいい仕事をしている。
(現代は「House of Wax」。悪いとは思いますが、ワックスっつーたら学校の教室で床にかけたアレのイメージで、どうしても「ツルツルしそうだなフフフ」になってしまいます。悪いとは思ってる)

2.予算がけっこうある。
(マジカルバナナで「ホラーといったら低予算!」と手を叩かれるほどホラー映画=低予算の法則があります。(※個人の見解です)ですが、これはなかなか多額の山吹色のお菓子が動いたのではないでしょうか。(※オブラートに包めてない)とにかくセットがすごい)

3.ヒロインを守るのは双子の兄。
(彼ぴっぴは早いうちに退場しました。でも彼は、困っている彼女に服すら貸さないし行動がアレなので別にいいです)


そしてタイトルに偽りあり。

 

これは「蝋人形の町」だろう!!

 

ってくらいに町中が蝋人形だらけです。
生きてる人間は2人だけ。殺人鬼兄弟の巨大なおままごと、死ぬほど凝った砂場が舞台です。スピーカーやギミックを使って、「住人たち」のために娯楽である映画も流し、猥雑なネオンを灯す。実に楽しそうな平和な町ごっこでいっそ微笑ましい。

 

印象に残ったのは、カーリーが殺人鬼弟と正面から対峙する場面。
殺人鬼兄をフルボッコにしたのを弟に見られ、死にたくないカーリーは、

 

「もうお兄さんの言うことなんて聞かないでいい。あなたは芸術家よ。モンスターはあなたのお兄さんの方よ!」

 

この説得、まったくもって的外れなんですね。
蝋人形の館(町)」を望んだのは彼らの母親で、両親に疎んじられ暴力を振るわれていたのは顔に傷がある弟ではなく兄の方で、弟も兄もお互いをなくてはならない存在だと思っている。
説得が不可能と悟ったカーリーは、次の瞬間、訴えを変えます。

 

「殺さないで!」

 

要はこういうことですよね。
口では、悲しきモンスターの心に寄り添うようなことを言っているけれど、結局は「死にたくない」。当たり前の人間くささです。こういうのは大好きです。

 

地下の作業場から出た火は、やがて紅蓮の焔となって館全体を包み込む――この流れが圧巻です。
すべてロウでできている、本や食べ物すらロウ製の館が、炎の熱でどろりと溶け出します。
最後、弟は既に事切れた兄の上に落ちて、兄弟は生まれた時の姿に「戻り」ます。
その姿が、何かによる「最後の情け」のようです。


【余談1】
グロ度、というか「痛ぇ!」度は高め。
アキレス腱をハサミでちょんってしたり、裸足の足が……視覚的に痛い。
しかしカーリーさん、口を接着剤でつけられて指をちょん切られたのに、流れた血で接着剤を剥がすのはあっぱれ。
兄も地元じゃワルぶってましたが、ちゃんと妹を守るよいお兄ちゃんっぷりです。双子萌えとしてはときめきました。

(殺人鬼兄弟の最後も双子萌えとしては良きかな)

 

【余談2】
コッテコテのホラー映画なので、まあやっぱり、事に及ぶアホカップルがいるんですね。
それの女性の方が、パリス・ヒルトン嬢だった。
どのシーンより驚きましたわ。そら予算多いわ。

 

そんなわけで建築基準法など完全スルー、耐震強度も特に考えていない、だけど内装はレトロで頽廃的で美しくて、可愛い犬もいるワックスの家が印象深い一本でした。
(やっぱり『最後は炎上で〆る』は理想!)

 

 

【宣伝】

 

2018年3月19日 発売
「散りゆく花の名を呼んで、」
(「花は二度死に、名を失う」より改題)
集英社 j-BOOKS刊行

http://j-books.shueisha.co.jp/books/chiriyukuhananonawoyonde.html


第3回ジャンプホラー小説大賞銀賞受賞のホラーミステリ! 

男子大学生の鹿住未来(かずみ みら)は、残留思念を読み取る、サイコメトリーと呼ばれる超能力を持っていた。母校の高校で教育実習を始めた未来は、生徒からホラー映画研究部の活動に誘われるが、彼が部活に参加したその日に部員の一人が異常な死を遂げ、他の部員も後を追うように次々と変死してしまう。 
未来は、心を寄せる生徒・恵田桜香(えだ ほのか)を守るため、自身の能力を用いてその原因を捜査するうちに、特殊な交霊術「キラズさん」の呪いにたどり着く。遺言と異常死、名に込められた祈り…その全ての謎が明らかになるとき、切なくも怖ろしい驚愕の結末が待ち受けて…。教師と生徒との呪われた愛の行方は。
Amazonさんより抜粋)


よろしくお願いします!

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