人生はB級ホラーだ。

良い作家さんになりたい鳥谷綾斗のホラー映画中心で元気な感想ブログ。(引っ越しました)

八つ墓村(1977年版映画)

JUGEMテーマ:Horror

 

こんばんは。

無事に「散りゆく花の名を呼んで、」の電子書籍版がリリースされて、ホッと安堵している鳥谷です。現在喉頭炎で声が出ません咳が死ぬほど出ます。

 

発売日、つまり3月の19日から、
「買ったよー(・ヮ・)」
よりも、
「どこにも売ってないんやけど……本屋さん5軒回ったけど……(´・ω・)」
の方が多かったです。そもそも店頭に置いてあるのが1冊とかが多かったようです。新人の逃れられない業(カルマ)ですね。
予約してくださった方々は無事に届いたらしく、高速で胸を撫で下ろしました。
だけど電子書籍ならそんな心配はなーい! というわけで紙の本ともどもよろしくお願いします!

 

そして今月4月6日に発売された、KADOKAWAさん刊行の雑誌、ダ・ヴィンチさんでj-BOOKSさんの特集が組まれ、「散りゆく花の名を呼んで、」もまるまる1頁かけて紹介されております。

 

ダ・ヴィンチ 2018年5月号
https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g321802000594/
→【Amazonhttps://www.amazon.co.jp/dp/B07B64Z7Z6/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_Pd2YAb26DD2W6 

 

生まれて初めてインタビューというものに答えさせていただきました。
何と答えたらいいか本気で分からなかったので、包み隠さず、飾らず偽らず、しょーーーーじきに答えました。ヤバければあちら様がどうにかしてくれると思ったので。

 

その結果。

 

……w-inds.さんの話を少ししてます。

(顔を背け目をそらす→(。。))

 

お前どんだけ、ってなもんですが、ええいこれもひとつの逃れられない業(カルマ)ってなもんです。
というわけで是非とも読んでみてください。すごく頭よさそうです。プロの文章すごい。

 

 

さて。
カウントダウンは終わったけれど、映画感想記事は終わらない、俺たちの(俺一人だけど)ブログはこれからだっ! ということで続けさせていただきます。
お付き合いくだされば幸いです。

 

今回は、
八つ墓村」――1977年版、野村芳太郎監督、別名・渥美清版です。

 

以下、ネタバレ注意。

 

あらすじ。
航空機誘導員の寺田辰弥は、新聞の尋ね人欄がキッカケで大阪の弁護士事務所を訪れた。
弁護士と、見知らぬ老人がいる場所で、辰弥はニ、三の質問と背中の傷を調べられ、
辰弥は多治見という村の名家の息子だと告げられる。
見知らぬ老人は辰弥の祖父で、再会を喜んだのも束の間、彼は泡を吹いて(血じゃなかった)死んでしまう。
村からの使者・森美也子の案内で、辰弥は生まれ故郷・八つ墓村を訪れる。
白髪の老女に「祟りじゃ、八つ墓明神の祟りじゃ、お前が来るとまた血が流れる」と叫ばれる辰弥は、おそろしい連続死に巻き込まれる――。

 

原作は横溝正史の傑作探偵小説、我らが金田一耕助の事件です。
原作とは大幅なアレンジがあり、他に1951年の片岡千恵蔵版、1996年版の豊川悦司版などがあり、各自設定が異なるとか。私は1977年、1996年、2004年の稲垣吾郎さんのテレビドラマのみ観ました。つーか調べてみたらめちゃくちゃあるのね。

その中で1977年版を選んだのは、

 

いやコレ……推理もの違うよ……完全完璧オカルトホラーだよ……

 

と思ったからです。
内容も、祟りと見せかけて人間の仕業と見せかけてやっぱり祟り、八つ墓の武者たち大勝利ィイイイイイ!! な内容でした。

画面がまたいい感じに古いので、怖さ倍増でした。
やっぱりこの時代の映像作品は、なんとも言えないほの暗さ、おどろおどろしさ、じっとりと湿った陰鬱さがありますね。それ以降のはどうしても明るく感じます。

 

特に顕著なのは、吐き気をもよおす邪悪である田治見要蔵の発狂・殺戮場面です。
白い花が散る中、頭に懐中電灯をさし、首から電灯をぶらさげ、弾薬を両肩にかけ、猟銃と日本刀を携えて一心にひた走る姿。

本当に、

 

こ っ ち に 来 る 。

 

と戦慄しました。


是非とも観てほしいです。夢に出てきます。

 

落ち武者たちの殺戮場面も凄まじい。
村人たちと心を通わせたと信じる落ち武者たち。祭りに招かれ、心から嬉しそうに酒を酌み交わし、舞いを堪能する。
やがて毒が回り始め、白い泡を吹き出し……。

そこからは村人のターンです。瀕死の武者たちを刃物で斬りつけ、棒で殴り、火で焼きます。
毒飲ませたんならふつーにそのまま死なせたれよ!!
と思ったんですけど、村人的にいつまでも苦しんでいる姿を見ていたくなかったのかもしれません。憐憫ではなく、「早く死ね!」の思いで。

 

怖かったのはその後。祟りが起こり、村に死人が出ると、「村人たちはその辺に放り出していた武者たちの生首を埋葬して奉った」。
……普通、死んだ人にはお墓を作るでしょう。どんな悪人でも。ましてや武者たちは、村人の身勝手で殺されたのに。
申し訳ないというような気持ちや、死者に対する憐れみの気持ち、手を合わせる気持ちなんて皆無だったんでしょうか。
ここまでしなければ、分かりやすく祟りを起こさなければ墓すら作ろうとしない――その価値観が違いすぎるのが、もっとも恐ろしかったです。

 

しかしどんな物語にも救いはあるもので、残酷な運命に弄ばれる辰弥とその母は、愛する人と結ばれます。(辰弥はその後……でしたけど)
男と女の愛を美しく飾り、神聖なものとして演出する音楽もまた見所です。

 

そして更にラストの『鬼ごっこ』……などのトラウマシーンが連発する中、異彩を放つのが金田一耕助を演じる渥美清さん。
渥美さんの放つ、問答無用な、

 

実家のような安心感!!

 

が、ひたすら癒しであり救いでした。

 

正直ね、「この金田一おじいちゃんは違うなー」という違和感があるんですよ。これは私の金田一耕助像が石坂浩二さんで固まってるのも原因なんですが。
というか、びっくりするくらい寅さんなんですよ。圧倒的に寅さんなんですよ。
でも何だろう、この安心感。賽の河原でお地蔵さまにお会いした感! ホッとする! 泣きそう! この『八つ墓村』の金田一耕助渥美清さんをキャスティングした人ありがとう!!

と天に向かって叫びました。

 

声がね、優しいんですよ。
(あと双子のおばあちゃんの片われが市原悦子さんで、声で分かるなぁと思いました)

 

最初と最後は新しい時代を象徴する、航空機が飾りました。
辰弥はそれを見て、どこか清々しい笑みを浮かべます。
それを見て感じました。この作品のテーマは、『過去の清算』なのかもと。
金田一耕助が、事件の関係者の出身地を洗い、その隠された因縁と、そこから導き出される答えを知り、武者たちの燃えゆく多治見の屋敷を見る満足そうな目を見て、「八つ墓村を縛っていたものが失われるのか……」と思いました。

 

古きものが、失くなる。

 

そんな、喜びでもなく悲しみでもない、感慨深さを覚えました。

 

とても怖かったけど、ギリギリで視聴後感は妙に清々しい。
そんな一本でした。

 

 

 

 

【宣伝】

 

2018年3月19日 発売
「散りゆく花の名を呼んで、」
(「花は二度死に、名を失う」より改題)
集英社 j-BOOKS刊行

http://j-books.shueisha.co.jp/books/chiriyukuhananonawoyonde.html


第3回ジャンプホラー小説大賞銀賞受賞のホラーミステリ! 

男子大学生の鹿住未来(かずみ みら)は、残留思念を読み取る、サイコメトリーと呼ばれる超能力を持っていた。母校の高校で教育実習を始めた未来は、生徒からホラー映画研究部の活動に誘われるが、彼が部活に参加したその日に部員の一人が異常な死を遂げ、他の部員も後を追うように次々と変死してしまう。 
未来は、心を寄せる生徒・恵田桜香(えだ ほのか)を守るため、自身の能力を用いてその原因を捜査するうちに、特殊な交霊術「キラズさん」の呪いにたどり着く。遺言と異常死、名に込められた祈り…その全ての謎が明らかになるとき、切なくも怖ろしい驚愕の結末が待ち受けて…。教師と生徒との呪われた愛の行方は。
Amazonさんより抜粋)


よろしくお願いします!

Amazon
https://www.amazon.co.jp/dp/4087040135/ref=cm_sw_r_tw_awdo_c_x_D3sGAb4K9EZYV 

 

アニメイト

https://www.animate-onlineshop.jp/pn/【小説】散りゆく花の名を呼んで、/pd/1514976/

 

e-hon
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refBook=978-4-08-704013-5&Rec_id=1010

 

TSUTAYA

http://shop.tsutaya.co.jp/book/product/9784087040135/ 

 

→bookFAN
http://boox.jp/index.php?module=ecitemdtl&action=pdetail&it=BK&cd=4087040135&utm_id=D001

 

セブンネットショッピング

https://7net.omni7.jp/detail/1106852013?sc_i=shp_pc_search_itemlist_shsr_title

 

ヨドバシカメラ
http://www.yodobashi.com/product/100000009002922104

 

HMV
https://store.shopping.yahoo.co.jp/hmv/8570528