人生はB級ホラーだ。

良い作家さんになりたい鳥谷綾斗のホラー映画中心で元気な感想ブログ。(引っ越しました)

映画/13日の金曜日(2009年版)

HAPPY 13thFRIDAY〜〜〜🥳🥳🥳

( ・ω・)<鳥谷です。

毎週月曜日更新を心掛けている当ブログですが、
13日の金曜日、しかもハロウィン月なので特別です。

アマプラで観たホラー映画です。
2009年制作、アメリカの(いつもの)スラッシャーホラーです。

 

 

13日の金曜日(2009) (字幕版)

13日の金曜日(2009) (字幕版)

  • ライアン・ハンセン
Amazon

 


www.youtube.com

 

 

【あらすじ】
クリスタルレイク付近で若者がいちゃついたらジェイソンが37564に来ました 以上。

(それ以外特にありませんが、さすがにどうかと思うので一応)
病気の母を看病するウィットニーは、彼氏や友達と、クリスタルレイクという湖畔にキャンプに来た。
そこには『ジェイソン』と呼ばれる殺人鬼がいる。
その噂のとおり、彼らは殺戮される。
6週間後、ウィットニーの兄・クレイが妹を探しにくるが、同時期にアホな 軽薄な若者たちも来ていた。

 

【ひとこと感想】
餅つきのスピードで枯葉ひとつの重さもない命を散らす、よそ見厳禁な『いつものやつ』!!

 

※全力ネタバレです。

 

 

【3つのポイント】
①『いつものやつ』ですが
②よそ見厳禁な殺戮
③しょうもない連中だけれど

 

【①『いつものやつ』ですが】
筋道は毎度おなじみです。逆に違っていたら天変地異です。

そこは制作側も分かっているのか、最初の殺戮は「ハイ、若者! ハイ、スケベパート! ハイ、後ろからジェイソン! ハイ、血しぶきー!」と餅つきのスピード感で展開されました。

あらすじ未見だったので、最初のウィットニー含む5人を見て「え、たった5人? 大丈夫? 尺もつ???」とだいぶ非人道的な感想が浮かびました。
ウィットニーの彼氏、マイクはいいやつでした。「行け! 逃げろ!」と言える漢(オトコ)でした。

ここまで約23分。
ウィットニーは殺されず、ジェイソンマミーことパメラに似ているという理由で監禁にとどまりますが、全滅です。

ですがご安心を、こちら前菜です。
真の主役は、兄のクレイ。バイク乗りのナイスガイです。
さらに彼に協力するジェンナ。
そしてジェンナの彼氏と友人たち――たぶん13金シリーズの中で、随一のしょうもなさを誇る人たちです。

 

【②よそ見厳禁な殺戮】
今作の特徴は、餅つきばりのスピーディーさ。

そして、スケベパートが多くておっぱいフェスティバルな点です。
何せ、真面目に語るメガネの後ろでおっぱいを放り出して誘惑したり、トップレスで水上ボートを楽しんだりします。なんで???

前菜は凝っている。

・引きちぎった耳を植物の茎に突き刺す(百舌鳥かな?)
・女をズタ袋に入れて逆さまに吊るし、焚き火で炙る。
・それを囮にし、トラバサミを仕掛ける。
・床下からナイフが生える。

主菜は基本的に『一瞬』でした。

・水上ボートを運転中に「ワーーーーオ!」と叫んだ瞬間に矢が貫通。(シュールな絵面)
・ボートにぶつかり、ほとりに戻ったらジェイソンを目撃して、木製の台の下に隠れていたら上から脳天にナイフ直撃。(白目が怖い)
・通りかかった軽トラに乗ろうしたら刺し殺され、そのまま運ばれていく。(運ちゃん可哀想)

黒人のロレンス以外は一瞬で死んだイメージです。

まったく悲しむ余地がない。
それもそのはず。
今回の登場人物はジェイソンに殺されて然るべきってレベルの、しょーもない人たちだらけだったのです。

 

【③しょうもない連中だけれど】
グループの中心人物はトレント
最初っからクレイに喧嘩腰で、金持ち自慢がうざく、ファザコンで、負けたのに罰ゲームをダサい言い訳で回避するようなつまらんさ。
さらに彼女のジェンナがクレイに協力するものだから、スネて浮気する男です。

そんな彼に媚びる5人。
勝手にボートで遊ぶノーランとチェルシー、おっぱい要員ブリー、太鼓持ちなアジア系チューウィ、返しに困るジョークを放つ黒人ロレンス。

( ・⌓・)<なんでこんな連中と付き合ってるんだジェンナ。

そう思いましたが、後半のチューウィとロレンスの友情パートで少し見方が変わりました。
倉庫に行ったチューウィを、唯一助けに行ったロレンス。
主人公たちすら渋っていたのに。

彼らの間には確かに友情があった。
彼らは確かにしょうもないコンビでした。
トレントの機嫌を取るため、靴に注いだお酒を飲んだり、女子にだけは強気に出たり、逆にモーションをかけられなかったり。

けれど彼らなりに必死だったのかもしれない。
カースト上位であるトレントに取り入ることが、アジア系と黒人である二人が(社会的に)生き残る方法だった――そんな気がしました。

そう考えると、助けを求めたのに見殺しにされたロレンスの最期がとても痛ましかったです。

苦い気持ちになりつつ、救出&脱出パート。
そこでまさかのジェンナがやられます。
クレイにたった一人だけ同情的な、優しい人だったのに。

( ・⌓・)<いやジェンナは殺さんでええやろ……

しかし最後の最後にもう一発、打ち上げ花火が。(概念)
やっぱりよそ見厳禁の作品でした。

 

【まとめ:ジェイソンとはやっぱり】
鑑賞後、チューウィとロレンスに改めてしんみりしました。

ずっとヘラヘラしていたけれど、実は窮屈で鬱屈した思いを抱えていて、
二人で寄り添って、たまにある良いことを糧に生きてきたのかもなぁと。
まあしょうもないと言えばそうなんですけれど。

B級スラッシャーには不要な感情を抱きつつ、ジェンナが死んだのもまた悲しい。

そんな健気に生きている生者を容赦なく惨殺していく、
それがジェイソンという名の『死』なのです。

 

【おまけ:可愛いところもある】
最初は包帯バージョンだったのが、木こり(エロ本読んでマネキンを口説いただけなのに殺された。理っ不尽ーん)の家でホッケーマスクを発見。

それを被って、割れた鏡でチェックしてました。
身だしなみを整えるの可愛いね☺️

 

さて本日はこの記事だけでなく、
21時にハピネスなお知らせがあります!

 

次回は10月23日月曜日、
1963年制作、日本の特撮ホラー、
マタンゴ』の話をします。

 

 

鳥谷綾斗