アマプラで観たホラー映画です。
2023年制作、日本の呪い系ホラーです。
【あらすじ】
GENERATIONのメンバー・小森がMCを務めるラジオ番組に届いた、あるカセットテープ。
それは30年前に送られたもので、開封もされていなかった。
女性の鼻歌のようなメロディが流れ、やがてメンバーが一人、また一人と姿を消していく。
【ひとこと感想】
前半「私の推しもやってほしい🥰」、後半「なんてハタ迷惑な幽霊なんだ😬」系アイドルホラー。
※全力ネタバレです。
また、めちゃくちゃお化けに対して辛辣になっております。
【3つのポイント】
①「これいいなぁ」と羨望
②高谷さなという霊について(※辛辣)
③凛ちゃんが聖女だった
【①「これいいなぁ」と羨ましがった】
Jホラーが確実に着実に活気を取り戻している、感じる昨今です。ウルトラハッピーな昨今です☺️
なので最近の邦画ホラーをきちんと鑑賞しようと選んだ本作、いま流行りのモキュメンタリー要素もあります。
主演はGENERATIONのメンバー全員で、しかも本人役。
リーダーの白濱亜嵐さんが、探偵の権田、マネージャーの凛ちゃんと共に謎解きパートを担います。
正直に言いますと、
( ・ω・)<私の推しもやってくれ。
ステージに立つ彼らとはまた違う一面、プラベというかバクステを覗いている感。
あんなにかっこよくて強いのに、不可解な現象に怯える姿……
そんなん見たくないオタク(やつ)いるぅ?
いねぇよなぁ!?!?
ってなものです。しかも作り物だから安心して享受できます。
唐突にオッサン(探偵の権田)を主役にしたカラオケ映像が流れますが、許容範囲内です。
アイドルが本人役で出演する映画作品というのは昔からあるスタイルですが、これからどんどん増えてほしいなぁとオタクは望みます――が。
そんなウキウキの前半と打って変わって、お化けの正体が判明しだした後半。
「ハァ???」と、ちいかわのウサギめいた声が出ました🐰
【②高谷さなという霊について(※辛辣)】
展開を簡単にまとめますと、
・カセットテープの曲・『ミンナのウタ』を聴いた人は様子がおかしくなり、やがて姿を消す。
・カセットテープの送り主は高谷さなという、約30年前の女子中学生だった。
(ここ巧いなぁと思ったのは、探偵権田が高谷さなの同級生だった点。テープが入っていた封筒に本人の住所があったのも調査の時短ができて職人技を感じました)
・高谷さなは「私の曲で、みんなを私の世界に取り込みたい」という夢があったけど、同級生から疎まれ、両親には敬遠され、最終的には自殺した。
その未練がテープに残ったわけですが、最初は感心しました。
死してなお、夢と希望のために行動に移しているガッツのあるお化けだと。
そして反省しました。
佐野さんが直面する心霊シーン(自販機の下に頭を突っ込む高谷さな)の際、
「お化けが自販機下の小銭を探してる……(꒪⌓꒪)」
とか思ってすまんかった、と。
同級生に隠された、大事な曲を書いたノートを探していたのか……。
だというのに。
テープのB面に録音された、高谷さなのもうひとつの顔――クリエイター気質のせいで周囲から疎まれたとされる少女の所業が明らかにされました。
なんと、「魂の声、最後の音」とやらを録音するために、猫を殺してやがりました。
( ・⌓・)<こいつ殺そう。
( ・⌓・)<いや死んでるけど。
(※コンマ数秒の結論)
理想の曲を作るための音集めの一環だそうです――って黙らっしゃい。
小さき命を犠牲にしないと叶えられない夢とか何???
そんなもんメリカリにでも売っ払え。
(※オブラートを重ね包みしても怒りが迸っている)
加えて、まだ母親のおなかの中にいた実弟にもちょっかいをかけていた模様。そらぁ両親にも疎まれますわ。
その後、高谷さなは怒涛のようにメンバーを襲います。
わざわざイケメンがシャワーしている最中に襲い、
イケメンのベッドに潜り込み、イケメンをベッドに引き摺り込みます。
挙句に幼い弟のふりをしてイケメンに抱きついて押し倒します。
すべては夢のため――って、
( ・⌓・)<いや単なる迷惑行為(※オブラート)やないかい!!
ちなみに霊感がある中務さん(幽霊を目撃したメンディーさんに冷静に諭すところがかっこよかった)は、高谷さなのママンに襲われていました。親子そろって!
【③凛ちゃんが聖女だった】
そんな大迷惑な幽霊に、多大な同情心を寄せるのがマネージャーの角田凛ちゃんでした。
凛ちゃん:「彼女に寄り添ってあげることってできないのかな?」
……自分とこのタレントを散々かどわかされて、翌日のライブがダメだったら数十億の損失が出るのに……?
聖女か凛ちゃん……(慄き)
そんなわけで、現場百回ということで3人は高谷邸に赴き、高谷さなの死の真相を知ります。
予想どおり魂の音集めのための自殺でしたが、その方法がまた珍しい。
①掃除機のコードを階段下まで伸ばし、閉じたドアに引っ掛ける。
②「コードが引っかかって、ドアが開かなくなったからコードを引っ張って!」と両親に頼む。
③ドアの向こうで首吊り。
で、首吊りは成功し、ドアが吹っ飛んで、『吉本新喜劇の坂になる階段』のように滑り落ちてきたわけですが。
いや両親も普通にドアを開けろよ。
なんで夫婦で大きいカブしてるんだよ。
(この辺りは、娘の影響でおかしくなっていたってことでワンチャン?)
オカルト現象な再現Vで、凛ちゃんが一緒に落ちてくれたおかげで呪いは解かれました。
すべては凛ちゃんが聖女だったおかげです。
【まとめ:ラストはライブで】
全員が戻ってきて、ライブは無事開催されました。
これが観たかった。ラストがライブで〆るんならもはや何でもいいです!
っていうかぶっちゃけ、一人の女子中学生のよぅ分からん夢よりも、
普段は必死で現実と社会と闘って、ライブの現場を楽しみにしているファンたちの情念の方が凄まじそうだな――とオタクは思います。
できればエンドロールでNGシーン欲しかったな……と惜しんでいると、ハイやってきましたCパート。
ライブ会場にいる高谷さな。
いやチケットは???
と思いきや、会場中に流れるあのウタ。呪いは終わっていない。凛ちゃんへの感謝の涙は何だったんだ高谷さな。
いや、っていうか、ここにいる人たちはGENERATIONさんのウタを聴きにきたんですが???
最後の最後までハタ迷惑な幽霊だったな〜、と思いました。
(身も蓋もない〆)
【おまけ:好きな場面】
高谷さなが弟(俊雄くんとはまた遊び心な)がいるおなかに耳を寄せるシーンから始まる、
ボールペンのノック音、しゃっくり、権田娘の舌打ち、貧乏ゆすり、首筋を掻く音が、ミンナのウタのビートになっているところ。
皆で呪いのビートを刻もうぜ!
次回は1月27日 2月3日月曜日、
2020年制作、日本のホラーサスペンス、
『真・鮫島事件』の話をします。
(原稿のためもう1週お休みします!)
( ;ω;)<『きさらぎ駅』の続編公開を祝ってーー🎉✨
鳥谷綾斗