各投稿サイトにて、公開しました。
2019年6月/バッドエンドBL/短篇
「ひたすら逃げ場所を求めた少年たち。行き着く先は、痛みも失せた結末。」
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「ここはトーノが造り出した、ひたすら居心地のいい隠れ家」
高校生の千風(ちかぜ)享(とおる)は、数日前から学校をサボり気味。
逃避先は『つばき産婦人科』という病院の裏庭。そこにはサボり仲間のトーノ――遠野(とおの)永一郎(えいいちろう)がいる。
容姿端麗で穏やかで、何より千風に何も聞かないトーノ。おいしいものを食べたりしゃべったり昼寝したりして時間を過ごす。
そんなトーノは、もうすぐ死ぬらしい。
残りは順次公開します。
NOVELDAYS
Pixiv文芸
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エブリスタは未定。
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数年前、とある公募にBL短篇部門で出した作品です。
コンセプトが「10人中9.5人はバッドエンドとして受け止める」な、一分の隙も無い系バッドエンドです。
その公募のキャッチコピーが、「読みたいものは書けばいいじゃない!(※意訳)」だったので、読みたいものを書いたら見事に一次で落ちました。
バッドエンドBLが読みたかったのです。
もう本当にどこからどう見てもバッドエンドのものが。
メリバってあるじゃないですか。
あれ、『つまりハッピーエンド』じゃないですか。
『幸せ』というものがその個人の価値・基準に依存するものである限り、本人たちが幸せなら『ハッピーエンド』なのでは??
そうじゃなくて本気のバッドエンドが見たいねんワイは。
……的な反骨精神から生まれたひとしなです。
結果、いただいた選評に、「とても後味がわるい」という趣旨の言葉が2回出ました。100文字くらいの短い中に2回です。
もらった当時は「何でだよぉ」な気持ちになりましたが、今は思います。
「やめとこうか」。
――というのがアップするまでの心境でしたが、こうして人目にさらすとまた考えが変わりました。
受けの名前=千風 享(ちかぜ とおる)
名前は由来は『千の風』と『享年』。
攻めの名前=遠野 永一郎(とおの えいいちろう)
名前の由来は『永遠』。
名前にまで皮肉を忍ばせるあたり、ほんとに過去の自分は、『一縷の希望すら見当たらないバッドエンド』をとことん書きたかったんだな、と。
そしてとことん安易に死を選ぶ人間が嫌だったんだな、と。
その気概だけは買おうと思います。(何だこの〆)
そんなこぼれ話でした。
お好みに合いましたら、お読みくださいますと幸いです。