JUGEMテーマ:ライトノベル
「(前略)心葉くんに友達ができたらいいなぁって、わたしはずっと思っていたのよ。
だって、来年になったら、わたしは卒業して、いなくなってしまうから。そうしたら、文芸部は心葉くん一人になっちゃうでしょう」
「(前略)未来は明るく素晴らしいと、お目出度い想像をしてみて!(後略)」
「芥川くん、ぼくはきみと、友達になりたい」
文学少女、第三巻です。
個人的にすっごく気になっていた、語り手・心葉くんのクラスメイト、芥川君メイン。
読み終わった瞬間、軽やかに見方が変わりました芥川君。そんな彼のファーストネームは一つの詩と書いて一詩(かずし)君。
この小説の登場人物の名前、好きだ~ なんか雰囲気ある。
題材は、武者小路実篤の『友情』です。
時は文化祭。文芸部の部員確保のために文学少女は、お芝居をしようと提案します。
最初は『愛と死』の予定が、遠子先輩は宙返りをできるヒロインでは無かったので、『友情』にチェンジ。主人公の野島を男装した遠子先輩()、心葉君は野島の恋敵の早川、そして一巻からずっと心葉君にツンデレ的な意味で突っかかっていた琴吹ななせちゃんがヒロインの杉子、その杉子の友達の武子に『~死にたがりの道化』でキーパーソンだった竹田千愛ちゃんが担当します。
そしてもう一人の主人公・大宮を、図書室で本をカッターで切り、文学少女に御用になった芥川君が。
ちなみに『友情』は、野島→杉子→←大宮の三角関係モノです。(かいつまみすぎー!)
というメンバーでやる『友情』の舞台、果たしてうまくいくのか!? ――って簡単にいったらお話になりません。
更科さんという髪の長い女生徒が、芥川君を教室に訪ねてそこから弓道部の先輩との三角関係発覚。
芥川君の書物切り取り事件を調べていくうちに、別の三角関係発覚。
その魔のトライアングルの一端ながらも、中心に閉じ込められてきた芥川君。過去のどうしようもない誤りが彼を延々と繋いでいきます。
心葉君もそれは同様で、だから二人は無意識のうちに親しくなっていたのかもしれません。
芥川君の過去に引きずられるようにして、心葉君も自棄を起こします。ってゆーか逃げます。琴吹さんのことも傷つけて、練習から逃げ出します。
それを止めるのは――というより、逃げ出さないよう柔らかく繋ぎとめるのは、文学少女。
雨のやんだ文化祭当日の朝、心葉君を迎えに来るシーン(『おはよう、心葉くん』)が文も挿絵も綺麗でした。
遠子先輩の力添えもあり、芥川君に一緒に乗り越えようと言います。
そして舞台上で、どうしても言えなかった大宮の親友である野島を裏切る行為になる台詞を、口にします。
こうして、心葉君と芥川君は友達になります。
遠子先輩が願っていた通り、心葉君に友達ができるのです。
ヨカッタ…(=v=。)
ですがラストの一ページに、まだまだ心葉君がズタズタになるフラグが……。
まさかの急展開で、つづく! ……です。
そして改めて黒文字の文章を読むと、芥川君はMなんだかSなんだか。
しかし、心葉君を友達と思っているのは確かなようで安心しました……。
ちょっと切なかったのが、竹田さんと遠子先輩。
あんなに楽しそうに振る舞っていたのに、ほとんど何も――根本的には変わっていない彼女が、うすら寒く感じました。
嘘ではない笑み。けれど本当でもない笑み。それは二人にとって、表向きだけでも平穏を崩さないためには必要な笑み。良くも悪くも。
琴吹さんからの差し入れのクッキーを、味なんか全然しないはずなのにおいしそうに食べる遠子先輩にも、寂しいような切ないような気持ちになりました。
「(前略)心葉くんに友達ができたらいいなぁって、わたしはずっと思っていたのよ。
だって、来年になったら、わたしは卒業して、いなくなってしまうから。そうしたら、文芸部は心葉くん一人になっちゃうでしょう」
「(前略)未来は明るく素晴らしいと、お目出度い想像をしてみて!(後略)」
「芥川くん、ぼくはきみと、友達になりたい」
文学少女、第三巻です。
個人的にすっごく気になっていた、語り手・心葉くんのクラスメイト、芥川君メイン。
読み終わった瞬間、軽やかに見方が変わりました芥川君。そんな彼のファーストネームは一つの詩と書いて一詩(かずし)君。
この小説の登場人物の名前、好きだ~ なんか雰囲気ある。
題材は、武者小路実篤の『友情』です。
時は文化祭。文芸部の部員確保のために文学少女は、お芝居をしようと提案します。
最初は『愛と死』の予定が、遠子先輩は宙返りをできるヒロインでは無かったので、『友情』にチェンジ。主人公の野島を男装した遠子先輩()、心葉君は野島の恋敵の早川、そして一巻からずっと心葉君にツンデレ的な意味で突っかかっていた琴吹ななせちゃんがヒロインの杉子、その杉子の友達の武子に『~死にたがりの道化』でキーパーソンだった竹田千愛ちゃんが担当します。
そしてもう一人の主人公・大宮を、図書室で本をカッターで切り、文学少女に御用になった芥川君が。
ちなみに『友情』は、野島→杉子→←大宮の三角関係モノです。(かいつまみすぎー!)
というメンバーでやる『友情』の舞台、果たしてうまくいくのか!? ――って簡単にいったらお話になりません。
更科さんという髪の長い女生徒が、芥川君を教室に訪ねてそこから弓道部の先輩との三角関係発覚。
芥川君の書物切り取り事件を調べていくうちに、別の三角関係発覚。
その魔のトライアングルの一端ながらも、中心に閉じ込められてきた芥川君。過去のどうしようもない誤りが彼を延々と繋いでいきます。
心葉君もそれは同様で、だから二人は無意識のうちに親しくなっていたのかもしれません。
芥川君の過去に引きずられるようにして、心葉君も自棄を起こします。ってゆーか逃げます。琴吹さんのことも傷つけて、練習から逃げ出します。
それを止めるのは――というより、逃げ出さないよう柔らかく繋ぎとめるのは、文学少女。
雨のやんだ文化祭当日の朝、心葉君を迎えに来るシーン(『おはよう、心葉くん』)が文も挿絵も綺麗でした。
遠子先輩の力添えもあり、芥川君に一緒に乗り越えようと言います。
そして舞台上で、どうしても言えなかった大宮の親友である野島を裏切る行為になる台詞を、口にします。
こうして、心葉君と芥川君は友達になります。
遠子先輩が願っていた通り、心葉君に友達ができるのです。
ヨカッタ…(=v=。)
ですがラストの一ページに、まだまだ心葉君がズタズタになるフラグが……。
まさかの急展開で、つづく! ……です。
そして改めて黒文字の文章を読むと、芥川君はMなんだかSなんだか。
しかし、心葉君を友達と思っているのは確かなようで安心しました……。
ちょっと切なかったのが、竹田さんと遠子先輩。
あんなに楽しそうに振る舞っていたのに、ほとんど何も――根本的には変わっていない彼女が、うすら寒く感じました。
嘘ではない笑み。けれど本当でもない笑み。それは二人にとって、表向きだけでも平穏を崩さないためには必要な笑み。良くも悪くも。
琴吹さんからの差し入れのクッキーを、味なんか全然しないはずなのにおいしそうに食べる遠子先輩にも、寂しいような切ないような気持ちになりました。