人生はB級ホラーだ。

良い作家さんになりたい鳥谷綾斗のホラー映画中心で元気な感想ブログ。(引っ越しました)

映画/ウィリーズ・ワンダーランド

アマプラで観たホラー映画シリーズです。
2021年制作、アメリカのホラーコメディです。

 

 

 

 


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【あらすじ】
無口を極めた旅の男は、道路に仕掛けられたスパイクのせいで車がパンクしてしまう。
トラック運転手に拾われ、修理代のためにヘイズビルの廃遊園地・ウィリーズワンダーランドを清掃することになった。
そこには殺人着ぐるみ(アニマトロニクス)が待ち構えていた。
そして男は、アラームをセットした時計と炭酸飲料パンチをお共に、無言で『清掃』を始める。

 

【ひとこと感想】
配役だけで勝ち確すぎてズルい、飛び道具だらけのシュールコメディ。

 

※全力ネタバレです。
※この記事で、一生分の『ニコラス・ケイジ』を書きました。

 

(一応『The Janitor(管理人)』という役名はあるけどしっくり来ない)

 

【3つのポイント】
①飛び道具:『明らかに人を殺しそうな着ぐるみ』
②飛び道具:『ニコラス・ケイジ
③最後は共感しかない

 

【①飛び道具:『明らかに人を殺しそうな着ぐるみ』】
開始10秒で思いました。

( ・ω・)<こいつぁ人を殺しまくってそうな着ぐるみだぜ!

ラインナップは、

①イタチのウィリー
②ワニのアーティ
③妖精のサラ
④カメレオンのキャミー
⑤ゴリラのガス
⑥甲冑のナイティナイト
⑦ダチョウのオジー
⑧亀のティト

計8人が交代で殺しにかかる、『キッズキラー』『地獄の門』のワンダーランド。
それに挑むのが、町の保安官の保護下にある少女・リブです。

ニコラス・ケイジではないです。

彼はモンスターたちに決して挑まず、ただ延々と清掃をするだけでした。

 

【②飛び道具:『ニコラス・ケイジ』】
この映画ね、もうキャスティングがズルいんですよ。
ここにニコラス・ケイジを持ってくるな。かっこよくて既に面白いわ。

8人の殺戮着ぐるみに負けない、つよつよの絵面でした。

遊園地の従業員になるのでキャラクターTシャツを着るニコラス・ケイジ
普通に掃除を始めるニコラス・ケイジ
背後で飾られた人形たちがめっちゃ動いてまばたきとかしてるんですけどニコラス・ケイジ
ポルターガイストや勝手に水が出る蛇口、何より『It's your birthday』の血文字を無視してやるなよニコラス・ケイジ
突然出てきたダチョウのオジーをホウキをぶち折って作ったトンファーでタコ殴りにするニコラス・ケイジ
機械油で汚れたので2枚目のお着替えするニコラス・ケイジ――

すべて一言も発さず。

血文字とか「スンッ😶」とした真顔で余裕で消します。
トイレで襲いかかってきたゴリラとか、ラバーカップでぱこぱこしてぶち殺します。

( ・⌓・)<えぇ……

感情が迷子。怖がればいいのかドン引けばいいのか。
「あ、笑えばいいのか」と気づいた時にはハマっていました。
ニコラス・ケイジの圧倒的な『力こそパワー』っぷりに。

💪(・_・)💪

 

【③最後は共感しかない】
しかしそんな主人公だけで話が進むわけもなく。
代わりに頑張ってくれるのがリブです。

彼女は両親をウィリーズワンダーランドに殺されました。

ウィリーズワンダーランドの始まりは、1996年。
生粋の殺人鬼集団であるスタッフは殺人を繰り返し、逮捕される前に悪魔の儀式で自殺し、現世に残り続け、20年以上住民を殺してきた。

ウィリーズワンダーランドの感想

という率直な感想が芽生えました。チャッキーしかり。

ヘイズビルの町長と保安官は住民を守るため、怪物たちと取引をしました。
住民の代わりに、旅人を『食事』として提供すると。

ホラーらしい真相やリブと保安官の親子愛、人としてどの選択が正しいのかなどの葛藤がありましたが――

そんなもん一切関係ないニコラス・ケイジ

クライマックス直前、
保安官が苦しい胸中を語り、「ただ死ぬことがそんなに難しい?」と訴える中、ウィリーに胴体チョンパされます。
吹き出す血、流れる臓物、それらを目の当たりにして、彼はブチギレます。

 

ニコラス・ケイジ:「(せっかく掃除したのにー!!)」
(※無言)

 

ここ最高に共感しました。
歯ブラシとか使って隅々まで磨いたのに! そらキレるわ!
(※ホラー大量摂取特有の人でなし発想)

親玉のイタチ野郎をボッコボコにしてゴミ袋にイン、
彼は無事に栄光の朝を迎え、修理された車と再会できました。

あのあともう一回キレイに掃除したのめっちゃ偉いなニコラス・ケイジ

 

【まとめ:この映画が伝えたいこととは】
久々にB級らしいB級を観た気がします。焼きそばにチーズと半熟目玉焼きをつけてラムネで流し込んだ気分です。

ホラーらしい面もありました。
リブの仲間が突然発情して、ゴリラが見守る中でファイト一発したり。
さらに保安官。
怪物を6体くらい片づけた彼に対して、「早く殺されろ」と銃を突きつけます。
このまま彼に怪物たちを始末してもらった方がいいのに。
これがバイプスというか洗脳というものでしょうか。

この作品の感想も面白かったです。
「この映画はフリーのホラゲを忠実に実写化したのではないか?」という考察もあり、興味深かった。
確かにそれだと、彼が終始無言だったのも頷けます。

でもニコラス・ケイジ、決して『無感情』じゃないんですよね。

休憩時間にパンチをおいしそうに飲み干すニコラス・ケイジ
テーブルゲームに夢中になるニコラス・ケイジ
曲に合わせてノリノリで尻を振るニコラス・ケイジ
大好きなパンチをリブにあげるニコラス・ケイジ――

セリフが一切ないのに、行動や音楽その他で感情を表現するところ。
めちゃんこ大好きです😚

なのでこの作品の伝えたかったことは、

「働く時は働き、休む時は休む!
 多少のちょっかい(殺意)は気にせず手を動かせ!!」

だと思います。掃除っていいよね。

EDは主題歌に中毒性があるのでぜひ最後まで。

 

 

次回は9月19日月曜日、
2011年制作、日本の雪山ヒューマンドラマ、
デンデラ』の話をします。

 

 

鳥谷綾斗