人生はB級ホラーだ。

良い作家さんになりたい鳥谷綾斗のホラー映画中心で元気な感想ブログ。(引っ越しました)

映画/JAWS

アマプラにはないのですが観ました。
1975年制作というのが驚きの、説明不要なアメリカのサメ映画です。

 

ジョーズ (字幕版)


【あらすじ】
海辺の町・アミティの署長に着任したブロディ。
独立記念日に向けて海開きの準備のさなか、海に巨大なホオジロザメが現れ、次々と島民が食われていく。


【ひとこと感想】
すべてはここから始まった。(※サメ映画の)


【見どころ】
①今も昔も変わらない。
②好きな場面=雑なエサやり中の『サメ:「ハァイ!」』
③何故クイントは無線を壊したのか?


【①今も昔も変わらない】
早々に「これはサメの仕業だ!」というのが分かるのが意外でした。
普通なら人命優先で、海開きなんて中止するのが『当然の対策』なのですが。

アミティは海が自慢の田舎町。
主な収入源は『観光』。……なんですよね。

町のおえらいさん・市長は、「今は稼ぎ時だ!」とブロディや海洋学者・フーパーの訴えにまともに取り合いません。

この流れが、2020年4月という今の時期と重なりました。
もう本当にそのまんま。現場の声をなんやかんや馬鹿げた反論をして流そうとする。

特にゾクッとしたのは、イタチザメを捕獲した後、「海は安全になりました!」と海開きが行われた場面。
不安が残り、一向に海に入ろうとしない島民と観光客たち。
市長が(自分に逆らえないと分かっている)一家に、「悪い噂が立つと困る。泳げ!」と命じるところです。
渋々彼らは海に行き、それを見た人々も後に続き――あとはお察しのとおりです。

今も昔も変わらないんだなと思いました。

(そして『映画という教科書』の教えは無意味なのかも知れない……と悲しくなった)

 

【②好きな場面=雑なエサやり中の『サメ:「ハァイ!」』】
後半は、署長、フーパー、荒くれ漁師のクイントのサメ退治の船旅です。
この部分はサスペンス映画というより、『インディ・ジョーンズ』的な冒険映画みたいでした。

撒き餌でサメをおびき出す作戦をとります。
次第に緊張感がなくなります
署長がベラベラしゃべりながら、ザツに血がしたたるエサを海にばらまいていると――

サメ:「ハァイ(顔を出す)」

( ◎ω◎)<!?

本気ですごくさりげなく、何の前触れもなく目的のホオジロザメが現れました。
あまりにも一瞬で、「えっ、いたよね今? いたよねサメ?」と一緒に観ていた家族に確認をとりました。画面の中の署長と同じように。
映像ならではの演出ですな。(感心)


【③何故クイントは無線を壊したのか?】
初登場時からヒール(悪役)全開だったクイント。
そんな彼への印象はめっちゃ変遷します。

序→「あーこれはサメの餌食になるやつですわー」
破→「そんな過去が……あれ、となると、もしかして死なない……?」
急→「クイントぉおおお!!」

普通にサメに食われて死んだ、しかも署長とフーパーの反応が結構淡泊だったのが少々もの悲しかったです。

さてネットの考察でたびたび議題に上がる、『何故クイントは、署長が救助要請している無線をぶっ壊したのか』問題。
『「あれは俺の獲物だ」と誇示したかったから』というご尤もな意見。自分もそれに一票です。
では何故、クイントはあのホオジロザメを『俺の獲物』と定めたのか。

( ・ω・)<考えてみた。

 

クイントは戦争中に、船の事故で海に投げ出され、数日間サメに囲まれるという体験をした。
1,000人以上の兵士たちが円陣を組み、サメが近づくと暴れて追い払うという対策を取った。
しかし、そんなものがいつまでも何回も通じるはずはない。
ぐったりしている友人に声をかけたら、腰から下が無くなっていた。
最終的に、1,000人以上いた仲間たちは300人程度になった。

 

この過去がどれだけの恐怖か。推して知るべしの夢に出てきそうな底無しの恐怖。

クイントの船の名前は『オルカ号』。
意味は『シャチ』。自然界で、サメを食らうことのできる海において最強の生物です。
それに気づいた時、腑に落ちました。

そうか。
クイントは『あの時』の恐怖と、今でも戦っているのか。

そう思ったら、無線を壊してでも自らの手で捕ろうとする気持ちも理解できました。
あの巨大な、圧倒的な、恐怖という概念の化身であるサメを仕留めれば、クイントは「自分は『あの時の恐怖』から解放されるのではないか」
そう思ったから、無線を壊したわけです。

そんなクイントをフツーーーーにサメの餌食にするあたり、45年前のサメ映画容赦ねーなーと思いました。
結局彼が最後に見たものは、「死人の目」であるサメの目とは。
(だからこそ受け継がれているのかもしれませんが)

ちなみにこの映画の中でもっとも怖いセリフは、

「順番待ちの時がもっとも怖い」

です。
クイントの回想で、救出される際に味わったものを語る時のセリフ。
回想シーンなしで、セリフだけなのに、すごくリアルに想像できましたし、共感しすぎて寒気がした。すごかったです。

さて始まりのサメ映画も観たことですし、
これから夏に向けてサメ映画をどんどん履修したいと思います。