人生はB級ホラーだ。

良い作家さんになりたい鳥谷綾斗のホラー映画中心で元気な感想ブログ。(引っ越しました)

後悔なんてしない(映画)

評価:
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「初めから最低だった」

「学がないから? 勉強がんばるよ」
「汚れてるから? もう君しか見えない」
「金がないから? もっと働くーー」



りんご


おすすめの韓国BL映画! ということで観てみました。
御曹司×貧乏青年です。
(しかし一度目の性行為は逆だったような)
監督のイソン・ヒイル氏は、韓国で初めて同性愛者だとカミングアウトした方だそうです。

あらすじ。
孤児院出身のスミンは、昼間は工場で働き、夜は運転代行の仕事をしながら大学に通っていた。
ある夜、彼は、裕福な青年・ジェミンから部屋に誘われる。が、断るスミン。
翌日二人は、工場で下っ端と御曹司という形で再会するが、その時にはスミンの解雇が決まってしまっていた。
ジェミンの温情を突っぱね、仕事を失ったスミンはゲイバーで働き出す。尻を振る。
しかしジェミンは、スミンを諦めきれず、ゲイバーに通い、必死の求愛をし続ける。

開始数秒で、水面に浮かぶ尻が出てきたので、
「あ、ボーイズラブ映画じゃなくてゲイシネマだコレ」
と思いました。
(BL映画とゲイシネマの違いの個人的基準=尻が出てるか否か)
(↑でも『劇場版 BOYS LOVE』は尻が出てたなそういえば。と書いて思い出しました)

内容は実に文学的です。
あとセリフが少ない。
ので、集中して観ないとちょっと巻き戻すことになりました。
セリフが少ないのは、たぶんその方が役者さん二人の演技が引き立つから、でしょうか。

ですが。
最後に彼らは急死に一生を得るのですが、そのときすらセリフ少なめなのはどうなんだい?
( ・ω・)<ホワーイビーエルピーポー。

とは言え、二度目の性行為(一度目はビジネス)のとき、スミンが、ジェミンの想いを受け入れたと伝える場面ではこの手法はとても活きてました。
(無言で股間まさぐるっていう。わかりやす!)

そのセリフ少なめなせいか、『何故?』と首を傾げるところもありました。(前半で、手についたものとか水鉄砲とか)
しかし、半ば頃からの二人のラブラブっぷりで大体気にならなくなりました! v(・ω・)v
一番好きなシーンは、スミンが、密かに少しだけ好きだった(昔惚れた男に似ていた)後輩君・カラムとの別れの電話の後。
スミンがジェミンの寝顔を結構長い間見つめていて、耳元でこそこそ囁き合う、パッケージの写真のシーンです。
そのときの表情の変化は本当に良し!
そのあとの、でんぐり返ってイッチャイチャするのも可愛くて微笑ましかったです。
(変なステップ踏みながらちゅーしてたのは笑いましたが)

しかしここから急転直下。
ジェミンが元々いた婚約者との結婚が本決まりになりました。
これが発覚するまでがちょっと面白かったです。
ジェミンがスミンとのラブラブな朝を思い出して、『エエ朝やった…(*´Д`)』と満面を緩ませながら出社する中、部下が口々に『おめでとう』と祝ってくる。
『えーそんな、確かに幸せだけどー☆』から、『え、何かおかしくね…?』となる場面も面白かったです。細かい。

そこから泥沼です。
『初めから最低だった』。←ほんとにその通りだよこのジェミン野郎。
婚約者がいるんなら何故あんなにも真剣に、さも命がけでこの愛を遂げますみたいな感じで求愛したんだよ意味わかんないよ!
心身共にメロメロで、最早ジェミン無しでは生きていけないスミンは、絶望します。
泣きながら縋りますが、通じません。(健気で切なかった…)
加えて、カラムの突然の事故死。これでますます追い詰められていきます。
『ソウルを観て回りたい』というカラムのささやかな願いを叶えて、スミンは、ジェミンを恨む男にそそのかされ、仕返しを企みます。愛と憎しみで迷いながら。

ターニングポイントのカラムの死に様ですが、作品内でめっちゃ浮いてました。思いっきり死に顔アップですんごい体勢をとってました。
彼の死んだ理由は、スミンを自暴自棄にさせ、ラストに繋がらせるためだったんですねえ。
性描写とムッキムキの尻に抵抗が無い方でしたら、オススメします。
(ヒドい〆である。)